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    • マーケティング部
    • 関根謙志郎

    「特定技能」に関する二国間協定(MOC)の内容は?

    目次

    「特定技能に関して、人材送り出し国と日本の間で「特定技能に関する二国間の協力覚書」が結ばれたって話をよく聞くけど、それってどんな意味があるの?」

    「各国の協力覚書の中身ってどうなっているの?」

    そんな疑問をいただきました。

    確かに、単に、

    「協定が結ばれました!」

    と言われても、へえそうなんだ〜って感じですよね。

    そこで今回は、

    そもそも特定技能において二国間協定がどんな意味を持つのか?各国毎にどんな違いがあるのか等を解説いたします。

    本記事があなたの特定技能制度理解の助けになりましたら幸いです。

    特定技能に関する二国間の協力覚書とは?

    結論から申しますと、特定技能の外国人を滞りなく送り出し、受け入れるために必要なルールについて、人材の送り出し国と受け入れ国たる日本との間で交わす約束のことです。

    詳細は各国毎に少しずつ異なりますが、大きく下記の3つの目的を実現するための協力を約束しています。

    ①特定技能外国人の円滑かつ適正な送り出し・受け入れの実現

    ②特定技能外国人の保護

    ③両国の相互利益の強化

    目的達成のための手段は?

    上記の目的を達成するために下記の2つの手段を用いる旨が記載されています。

    ①有益な情報交換を進めること

    ②定期または随時に協議を行い問題の是正に務めること。

    具体的には下記6点について情報交換を進めていきます。

    ①求人、求職情報

    ②保証金の徴収

    ③違約金の定め

    ④人権侵害行

    ⑤偽変造文書等の行使

    ⑥費用の不当な徴収


    また、下記の5つの問題について、問題解決に向けた協議を進めていきます。

    ①仲介業者がどんな形であれ、特定技能外国人、その家族等の関係者の金銭や財産を管理すること。

    ②仲介業者が契約の不履行について違約金を課す契約や不当に金銭、財産の移転を予定する契約をすること。

    ③受け入れ企業による暴行、脅迫、自由の制限などの人権侵害

    ④就労予定の外国人本人が偽変造の書類等を利用して不当に在留資格を得ること。

    ⑤仲介業者あるいは受け入れ企業が、特定技能外国人に内訳を見せずに費用を徴収すること。

    なぜ上記のような取り決めがなされたのか?

    技能実習生において失踪や人権侵害などの問題が発生してしまった原因が情報の秘匿性や偏在性にあったからです。

    特に海外の悪質なブローカーに、日本に行けば楽に稼げると騙されて、多額の借金を負ってしまったり、現実の仕事のきつさとのギャップに苦しんだりしたりしている最中に、日本にいるブローカーにもっと良い仕事があると唆されることで失踪してしまうというのが、大きな問題になっていました。

    参考記事:外国人技能実習生の失踪を防ぐには?法務省発表の新防止策で何が変わる?

    諸悪の根源たる悪質なブローカーを排除し、適正な制度運用を進めていくことが日本と送り出し国の双方にとって共通の目標であるからこそ、今回の取り決めでは情報の偏在性を無くすことに全力が注がれています。

    日本が2020年1月14日現在、二国間協定を結んでいる国は?

    下記の11カ国になります。

    フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン

     

    最新情報はこちら

    二国間協定を結んでいない国出身の外国人を雇用することも可能です。ただし、協定国以外の送り出し国での技能試験の実施はできません。

    特徴的な手続きがある国は?

    現在私が把握している範囲で特徴的な手続きがある国とその内容についてご紹介します。

    ベトナム

    ベトナム人の手続きで特徴的なのが、「推薦者表交付申請」です。

    在留資格申請の前に、駐日ベトナム大使館か労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)への申請が必要です。

    実際の流れは下記の記事で詳細に解説しております。

    参考記事:ベトナム人の「特定技能」がいよいよ本格化!?ベトナム人が「特定技能」資格を取得して就労するまでの特別な手続きとは?

    フィリピン

    フィリピン人の手続きで特徴的なのが、「POLO」と「POEA」への手続きをして、出国のために「OEC」を取得する必要があることです。

    なんだか、分かりにくいですね。

    「POLO」とは、駐日フィリピン共和国大使館海外労働事務所のことです。

    フィリピン人の特定技能外国人を受け入れたい企業はまず、このPOLOに必要書類を提出する必要があります。

    必要書類とは下記の通りです。

    A. 申請企業が既にPOEAに登録されている場合

    1. The Employer / Accepting Organization sends the following documentary requirements by letter-pack to the POLO for evaluation/verification:

    a. Standard Employment Contract (Annex B of the checklist of requirements )

    b. Salary Scheme/Breakdown

    c. List of tasks, duties and responsibilities and/ or description of the occupational category to be performed by Filipinos with Specified Skills

    d. Company profile

    e. List of Filipinos presently in the Company (full or part time)

    f. List of Clients (for Dispatch Company)

    g. Company Registration (tokibo tohoun) with English translation If hired by a Sole Proprietorship, include Business Permit and latest tax payment

    h. Company brochure / pamphlets / flyers

    i. Other documents as may be required by POLO based on prevailing conditions or realities in Japan

    B. 申請企業がPOEAに登録されていない場合

    1. The Employer / Accepting Organization who wants to employ qualified technical intern trainees or those holding other visas is NOT accredited by the POEA and / or has no valid recruitment agreement with a licensed Philippine Recruitment Agency:

    a. Accomplished POLO Application Form for Accrediation / Registration

    b. Business License / Permit

    c. Company Profile

    d. Company Registration (tokibo tohoun) with English translation If hired by a Sole Proprietorship, include Business Permit and latest tax payment

    e. List of tasks, duties and responsibilities and / or description of the occupational category to be performed by Filipinos with Specified Skills

    f. Recruitment Agreement

    g. Copy of valid POEA license of the Spending Organization, identification page of the Passport of the owner of the Sending Organizations and the authorized representative of the Accepting Organization

    h. Manpower Request / Job Order

    i. Salary Scheme / Breakdown

    j. Standard Employment Contract (Annex B of the checklist of requirements)

    k. Company brochure / pamphlets / flyers

    l. Other documents as may be required by POLO based on prevailing conditions or realities in Japan

    m. List of Clients (for Dispatch Company)

    出典:2019年11月28日発表の GUIDELINES FOR THE DEPLOYMENT OF WORKERS UNDER THE SPECIFIED SKILLED WORKER VISA OF JAPAN 

     

    POLOに上記の書類を提出したのちに、フィリピン本国のPOEA(海外雇用庁)に登録される必要があります。

    その後、特定技能外国人はPOEAから海外雇用許可証(OEC)を取得し、フィリピンを出国時提示する必要があります。

    以上がフィリピンの特徴的な手続きです。

    カンボジア

    カンボジア人の手続きで特徴的なのが、MOCで、在留資格認定証明書交付申請及び在留資格変更許可申請において「登録証明書」提出が必要と約束されていることです。

    この登録証明書は、申請人がカンボジア送り出し機関に依頼し、送り出し機関がさらに、カンボジア労働職業訓練省 (MoLVT)に申請することで交付されます。

    詳細は下記のURLから申請の仕組みの図をご覧くださいませ。

    参考図:カンボジア特定技能外国人に係る手続きの流れについて

    インドネシア

    インドネシア人の手続きで特徴的なのが、査証申請を行う前に、渡航予定のインドネシア人自らがインドネシア政府が管理する海外労働者管理システム(SISKOTKLN)にオンラインで登録し、ID番号を取得しておく必要があることです。

    また、義務ではないことですが、受け入れ企業については、インドネシア政府が管理する労働市場情報システム(IPLOL)へオンライン登録を推奨されています。

    ※自社で働いていた元技能実習生を雇用場合などは不要

    参考図:インドネシア特定技能外国人に係る手続きの流れについて

    ネパール

    申請人である外国人本人が、査証(ビザ)を取得後、あるいは変更申請の場合は再入国許可により、日本を出国してネパールに帰国した際に、ネパール労働雇用・社会保障省海外雇用局日本担当部門から海外労働許可証を取得し、ネパールを出国時に、海外労働許可証を提示することが必要とされています。

    参考図:ネパール特定技能外国人に係る手続の流れについて

     

    ※ここまで、各国毎の独自の手続きについてご紹介いたしましたが、現状のところ本格的な運用が始まっていないため、2020年1月14日現在においては入管申請時には求められない場合が多いようです。先日弊社の取引先企業様の特定技能ベトナム人の申請では、推薦者交付申請が求められませんでした。いつから本格的な制度の運用が始まるのかは残念ながら不明です。

    まとめ

    以上、今回は「特定技能」に関する二国間協定(MOC)の中身についてご紹介いたしました。

    ただ、全ての国の二国間協定に、「実際の運用状況に応じて適宜中身を変更する」という旨の記載があります。

    特定技能はまだ始まったばかりの制度で今後も現実の状況に即して変化していくことは間違いありません。常に最新の情報にキャッチアップするようにしておきましょう。

     
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    マーケティング部

    福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。現在はマーケティングを担当。