<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=198256647308334&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
placeholder_200x200
Global HR Magazine

日本で永住権を取得するには?

 
山田ゆりか   
山田ゆりか - 更新日:2021/12/01  
 

更新日:2021/12/01

目次

先日、弊社の中国出身社員の一人が永住権を取得しました。

めでたい!

という訳で今回は永住権についてご紹介いたします。

 

CTA_WP(初めての外国人雇用ガイド)_GHR記事内

そもそも永住権とは?

永住権とは、より正確には「永住者」という在留資格のことです。

永住権を取得することには、

・就労制限が無くなる。

・更新が楽になる。

という2つの大きなメリットがあります。

ただし、

・審査が厳しい

・変更申請中にも別途更新許可申請が必要

などの注意点があります。

※例えば「技術・人文知識・国際業務」から永住者への変更申請中のとき、通常の申請のように特例期間がないので、同時並行で「技術・人文知識・国際業務」の更新をする必要があります。

「技術・人文知識・国際業務」等の就労ビザを含む在留資格まとめ記事もありますので、あわせてご確認ください!

永住権の条件とは?

永住権を取得する条件は、大きく下記の3点です。

1. 素行善良である

2. 独立性系要件を満たしている。

3. 国益適合要件を満たしている。

それぞれ解説します。

1. 素行善良である。

交通法違反や、入管法違反などの法令違反がある方は基本的にNGです。

※駐車違反などの軽微なものについては素行不良と断定されないケースもあるようです。

2. 独立性系要件を満たしている。

自活できる状態にない方もアウトです。

「えっじゃあ配偶者は厳しいの?」

いえ、配偶者や子供などの、扶養されている方は世帯単位でOKです。

目安としては世帯年収300万円以上が望ましいです。

3. 国益適合要件を満たしている。

国益適合要件と書くと分かりにくいですが、具体的には下記の5つの要件を満たしていれば問題ありません。

①原則10年以上日本に在留していること、そのうち5年は就労資格か居住資格で在留していること。

*残念ながら、「技能実習」や「特定技能1号」は就労資格か居住資格で在留している期間としてカウントされません。「特定技能2号」などの他の在留資格で在留する必要があります。

②罰金刑や懲役刑などを受けておらず、納税や書類提出などの義務も確実に果たしていること。

③現在有している在留資格の最長の在留期間を持って在留していること。

④生活の本拠が日本にあること(長く出国していると理由にもよるが不利)

⑤公衆衛生上の観点から有害となる恐れがないこと。

以上5つの要件をご紹介いたしましたが、これらを満たしていなくても国益適合要件を満たしていると見なされる特例が5つあります。

国益適合要件の5つの特例

①日本人・永住者の配偶者(婚姻3年以上継続、かつ1年以上日本に在留。結婚後呼び寄せの方は3年以上日本に在留。)

②定住者(定住者になってから5年以上在留。)

③難民(難民認定後5年以上在留。)

④日本に貢献していると認められる方(5年以上在留。ノーベル賞やグッドデザイン賞、スポーツ大会などで入賞した方や、外交・福祉など様々な分野で著しい活躍が見られる方など。)

⑤高度専門職(高度専門職の在留資格で3年以上在留していて、70点以上のポイントが累積されている、もしくは1年以上在留していて80点以上のポイントが累積されている方。)

*参考記事:在留資格「高度専門職」とは?

以上が5つの特例になります。

 

永住権を取得するには、ここまで紹介した3つの条件を満たしている必要があります。

永住権の審査は非常に厳格で、申請が許可されるかどうかは法務大臣の裁量に委ねられています。自分では条件を満たしていると思っても、審査で現在までの在留履歴を全てチェックされ、何か問題があれえば、そこでアウトです。

永住権申請の方法は?

ここからは、具体的な実務についてご紹介します。

永住権申請に必要な書類は?

永住権申請に必要な書類は、どの在留資格から永住権に変更を希望するかによって異なります。

以下は、在留資格別の永住権申請に必要な書類の一覧です。

日本人/永住者/特別永住者の配偶者や子供 定住者 就労ビザ、家族滞在
永住権許可申請書
写真
  理由書

身分関係を証明する資
ア)日本人の配偶者の場合:配偶者の戸籍謄本(イ)日本人の子の場合:日本人親(ウ)永住者の配偶者の場合:婚姻証明書又はこれに準ずる文書(エ)永住者や特別永住者の子の場合:出生証明書又はこれに準ずる文書

定住者および家族滞在の場合、身分関係を証明する次のいずれかの資料
(ア)戸籍謄本(全部事項証明書)(イ)出生証明書(ウ)婚姻証明書(エ)認知届の記載事項証明書(オ)上記ア~オに準ずるもの
申請人を含む家族全員(世帯)の住民票(適宜)
申請人または申請人を扶養する方の職業を証明する資料

直近の申請人または申請人を扶養する方の所得および納税状況を証明する資料

申請人または申請人を扶養する方の公的年金および公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
  申請人又は申請人を扶養する方の資産を証明する次のいずれかの資料
(ア)預貯金通帳の写し(イ)不動産の登記事項証明書(ウ)上記ア及びイに準ずるもの
パスポート(提示)
在留カードまたは外国人登録証明書

身元保証に関する資料:身元保証書および身元保証人に関する資料

  日本への貢献に係る資料(あれば)
身分を証する文書(行政書士など申請取次者が申請する場合)

(出典:出入国在留管理庁「永住許可申請1」出入国在留管理庁「永住許可申請2」出入国在留管理庁「永住権申請3」

永住権申請の審査期間は?

標準処理期間は4ヶ月とされています。しかし、あくまで標準であり、実際には非常に時間がかかるケースもあります。

永住権申請に必要な身元保証人とは?

入管法における身元保証人とは、永住権申請を行う外国人が日本で安定した暮らしができるように、必要に応じて生活の支援を行ったり、渡航費用を代わりに支払ったり、日本の法律を守るよう指導したりすることを法務大臣に約束する人のことです。

ただし、入管法における身元保証人という制度には、法的強制力はありません。

民事上の身元保証人と違って、申請人が経済的に困窮して支払いができなくなったり、法律違反を起こしたりしたときに、身元保証人が支払いや責任を求められることはありません。

入管法において身元保証人が負うのは「道義的責任」のみで、法律的責任はないからです。

ただ、十分な責任が果たされていないと判断される場合には、それ以降の入国在留申請において身元保証人としての適格性を欠くとされ、ほかの方の身元保証人となることが難しくなりますのでご注意ください。

永住権が不許可になる事例は?

先ほど紹介いたしました3条件に合致していない場合には、永住権不許可となります。

よくある例としては下記の8つがあげられます。

1. 年金、社会保険料に未納・滞納がある。

2. 脱税のために日本に住んでいない家族を扶養家族として申請している。

3. 海外への出張や駐在期間が長い。

4. 過去に、短期滞在ビザへの変更などで、10年のカウントがリセットされている。

5. 世帯年収が低い。

6. 留学生時代に週28時間以上働いている。

7. 交通ルールの違反が多い。

8. 日本語のライティングが苦手で、立証が不十分である。

自分が条件を満たしているかどうか、上記の不許可事例に該当しないかどうかしっかり確認してから申請手続きを始めましょう。

永住権に更新は必要?

更新は必要です。ただし、他の在留資格と異なり複雑な審査は必要ありません。在留カードを更新するだけですので、何も問題がなければ更新手続きを行った当日に在留カードが返却されます。

運転免許証の更新をイメージしていただければ分かりやすいかと存じます。

永住権の取得と帰化申請はどう違うの?

帰化とは、 日本国籍を取得すること、つまり、日本人になるということです。法務大臣の権限で決定され、許可が出た場合には、官報に告示されます。

帰化の難易度は高い?

永住者はあくまで「外国人」ですが、帰化は「日本人」になり、社会保障なども全て受けられるようになるため、当然永住権申請の難易度よりも帰化申請の難易度の方が高いです。

ちなみに、日本の帰化申請の難易度の高さは海外のメディアにも紹介されるほどです。日本は、最も帰化申請の難易度が高い5つの国の1つとして取り上げられています。

Japan

It takes longer to be granted a permanent resident visa in Japan than to become a citizen. Those who want to become a citizen of Japan must have lived in the country for five years, receive permission from the Justice Minister and complete a slew of paperwork (some have complained of unnecessary questions involving their personal lives). The process, according to the Japanese Ministry, can take six to 12 months, although those who have gone through it have reported that it can take years. If approved, applicants must be ready to renounce citizenship in other countries.

出典:5 Hardest Countries For Obtaining Citizenship - Investopedia

国籍法第5条を参考に、最低限の条件が紹介されています。

1.住所条件(国籍法第5条第1項第1号)

申請時点で5年以上継続して在留していること。

2.能力条件(国籍法第5条第1項第2号)

20歳以上かつ本国の法律によっても成人の年齢であること。

3.素行条件(国籍法第5条第1項第3号)

素行が善良であること。

犯罪歴の有無や態様、納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮。通常人を基準として,社会通念によって判断。

4.生計条件(国籍法第5条第1項第4号)

生活に困るようなことがなく、日本で暮らしていけること。

同一生計の親族単位で判断。申請者自身に収入がなくても、配偶者やその他の親族の資産又は技能によって安定した生活を送ることができればOK

5.重国籍防止条件(国籍法第5条第1項第5号)

無国籍orそれまでの国籍を喪失すること。

*例外として、本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合については、この条件を備えていなくても帰化が許可される場合があります(国籍法第5条第2項)。

6.憲法遵守条件(国籍法第5条第1項第6号)

日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者でないこと。

7.日本語力(国籍法に定めなし)

国籍法に定めはないですが、日本で生活していけるだけの日本語力が求められます。

一般に小学校低学年レベルと言われています。自筆の申請書類や法務局での面談などで審査されますので、きちんと受け答えできないといけません。

*日本と特別な関係を有する外国人(日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者など)については、上記の帰化の条件を一部緩和しています(国籍法第6条から第8条まで)。

帰化申請に必要な書類は?

代表的な書類をご紹介します。ただし、申請者の国籍や身分関係、職業によって必要な書類が異なりますのでご注意ください。

①帰化許可申請書(申請者の写真)

②親族の概要を記載した書類

帰化の動機書

履歴書

生計の概要を記載した書類

⑥事業の概要を記載した書類

住民票の写し

国籍を証明する書類

親族関係を証明する書類

納税を証明する書類

収入を証明する書類

在留歴を証する書類

まとめ

以上、今回は永住権と帰化申請のアレコレについてご紹介いたしました。自社の外国人社員が永住権の取得や帰化を希望しているのであれば、企業にとってもメリットが多いですので積極的にサポートすることをオススメいたします。

在留資格「永住者」の申請についてご相談を希望される方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

 

お問合せ・資料請求

外国人雇用・人材紹介について
お気軽にご相談ください

お問い合わせ

組織体制・在留資格手続き・採用・教育・労務関連業務
最新資料コーナー

資料一覧へ