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更新日:2023/04/20

目次

66.特定技能1号外国人受け入れのため、企業が満たすべき基準とは?

「最近、活躍してくれてた留学生アルバイト達が、ビザ更新できずに皆去って行ってるけど、うちもそろそろ特定技能考えないと。。」

「でも、特定技能って分かりにくいし、そもそも雇うことできるの?」

そんなお悩みをお持ちの企業様が増えてきています。。

「留学」のビザで来日していた実質上の出稼ぎ労働者を「特定技能」のビザに転換させるという政府の方針によって、「留学」ビザ➡︎「技術・人文知識・国際業務」ビザへの切り替えハードルが上昇し、一方で、多くのステイクホルダーが関わっているために「特定技能」制度が複雑になってしまったことが先のお悩みの原因にあると筆者は考えています。

今回は、そんな複雑な制度の中でも、「特定技能1号」外国人を受け入れるために、企業が満たすべき基準について、政府発表の運用要領を引用しながら、端的にご説明いたします。

そもそもの「特定技能」ビザについて、基本的な概要を知りたい方は、下記の記事も合わせてご参照ください。

▶︎在留資格「特定技能」とは?特定技能外国人の採用から支援まで徹底解説

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特定技能1号外国人の受入れ機関(所属機関)の担い手は?

特定技能1号という在留資格ができた理由は、深刻な人手不足に対応すべく人材確保が困難な産業分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れるためです。

「じゃあ、うちは人不足で困っているから採用できるんだね?」

と、思われた方もいらっしゃると思います。

残念ながらそう簡単な話ではありません。
大枠で以下3つの基準を満たすことが必要となってきます。

  1. 受け入れ機関自体が満たすべき基準
  2. 雇用契約を結ぶ上で満たすべき基準
  3. 支援体制を構築する上で満たすべき基準

受け入れ機関(所属機関)自体が満たすべき基準

受け入れ機関自体が満たすべき基準とはどんなものなのでしょうか。

以下は出入国在留管理庁発表資料からの引用です。

■受入れ機関自体が満たすべき基準

① 労働,社会保険及び租税に関する法令を遵守していること
1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと
1年以内に受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと
④ 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと
⑤ 特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し,雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと
⑥ 外国人等が保証金の徴収等をされていることを受入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと
受入れ機関が違約金を定める契約等を締結していないこと
支援に要する費用を,直接又は間接に外国人に負担させないこと
⑨ 労働者派遣の場合は,派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで,適当と認められる者であ るほか,派遣先が①~④の基準に適合すること
⑩ 労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること
⑪ 雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること
報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

出典:在留資格「特定技能」について

以上合計13の基準が定められています。

各種社会保険や税法を尊守すること、法令違反がないこと、特定技能外国人から補償金等を徴収してはいけないことなど、基本的な事項がほとんどになります。

一番重要なのは、最後の「分野に特有の基準に適合すること」という点です。特定技能外国人の受け入れ可能な業種は下記の14分野に限定されていますので、自社の業種の分野該当性をしっかりと確認する必要があります。

そして、それぞれの分野の細かな職種によって、在留資格を取得可能かどうか変わります。詳細はそれぞれの解説ページにてご説明していますので、ご確認くださいませ。

また、1年以内に非自発的な離職者(会社都合での解雇)・行方不明者を出していないことという点は、特定技能が人手不足を補うための在留資格であるという特徴をよく表していると思います。(会社都合で解雇する=人手が余っているので、基準に特定技能外国人の受入基準に満たないという考え方です。)

最後に、一点注意が必要とすると、特定技能外国人には、給与を口座振り込みにて支給する必要があることです。特に建設業ですと、給料を現金で手渡しにしている企業様がまだまだ多いのではないでしょうか。特定技能外国人を雇用した際には、口座振り込みの手続きが必要ですので、事前にご検討をお願いいたします。

その他、下記記事にて、建設業特有の受け入れ条件を取りまとめております。ご興味ある方は是非あわせてご覧ください。

▶︎建設業で特定技能外国人を採用するには?

雇用契約を結ぶ上で満たすべき基準

特定技能1号外国人を雇用するには、雇用契約を結ぶ上での基準も知っておく必要があります。

再度、以下は出入国在留管理庁発表資料からの引用です。

■特定技能雇用契約が満たすべき基準

① 分野省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること
② 所定労働時間が,同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること
報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること
外国人であることを理由として,報酬の決定,教育訓練の実施,福利厚生施設の利用その他の待遇に ついて,差別的な取扱いをしていないこと
⑤ 一時帰国を希望した場合,休暇を取得させるものとしていること
⑥ 労働者派遣の対象とする場合は,派遣先や派遣期間が定められていること
外国人が帰国旅費を負担できないときは,受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑に なされるよう必要な措置を講ずることとしていること
⑧ 受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることと していること
⑨ 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

出典:在留資格「特定技能」について

「外国人は安く雇えるんでしょ?

まず、その認識を改める必要があります。上記の③にあるように、「特定技能」の在留資格は報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であることが求められています。
また、日本人に支給されている賞与・福利厚生に関しても、同じ条件で特定技能外国人に支給しなければなりません。(例えば、日本人に通勤手当がある場合、特定技能外国人にも当然のように通勤手当を支給する必要があります。)支給条件を満たしているのに支払っていないと、出入国管理庁から説明を求められますので、ご注意ください。

一点、特徴的なのは、⑦の帰国旅費を本人が負担できない場合は、受け入れ機関が負担するという項目です。こちら逆の見方をすると、本人が自己負担できるのであれば、帰国旅費に関して受け入れ機関が負担する必要はないということです。こちら「技能実習」と大きく違う点の一つと言えます。

その他の「技能実習」と「特定技能」の違いについては、こちらの記事も合わせてご参照ください。
▶︎【制度比較】特定技能と技能実習6つの違いとメリット/デメリット

支援体制を構築する上で満たすべき基準

絶対に抑えておく必要があるのが、特定技能1号外国人が円滑に日本での就労を進めて行くための体制を整える必要があるということです。

出入国在留管理庁資料からの引用です。

■受入れ機関自体が満たすべき基準(支援体制関係)

※ 登録支援機関に支援を全部委託する場合には満たすものとみなされます。

① 以下のいずれかに該当すること
過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。以下同じ。)の受入れ又は管理を適正に行った実績があり,かつ,役職員の中から,支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上。以下同じ。)を選任していること(支援責任者と支援担当者は兼任可。以下同じ)

役職員で過去2年間に中長期在留者の生活相談等に従事した経験を有するものの中から,支援責任者及び支援担当者を選任していること

ア又はイと同程度に支援業務を適正に実施することができる者で,役職員の中から,支援責任者及び支援担当者を選任していること

外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を有していること
③ 支援状況に係る文書を作成し,雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと
支援責任者及び支援担当者が,支援計画の中立な実施を行うことができ,かつ,欠格事由に該当しな いこと
⑤ 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと
⑥支援責任者又は支援担当者が,外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施することができる体制を有していること
⑦分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

出典:在留資格「特定技能」について

重要なポイントは、「支援責任者」と「支援担当者」を設置する必要があるということです。

①支援責任者
  • 特定技能外国人と同作業を行う上司、役員、役員の配偶者や2親等内の親族ではなく、過去2年間に中長期滞在者の管理・生活相談等に従事したことのある者
  • 10の義務的支援を特定技能外国人に実施する
  • 支援責任者は支援担当者を兼務することが可能
②支援担当者
  • 特定技能外国人と同作業を行う上司、役員、役員の配偶者や2親等内の親族ではなく、過去2年間に中長期滞在者の管理・生活相談等に従事したことのある者
  • 支援責任者の下、支援計画に沿った義務的支援業務を特定技能外国人へ実施する

注意点として、支援の中立性を確保するため、外国人と同じ現場で働く方は支援責任者になることができない(人事部や総務部という、特定技能外国人が所属する部署とは異なる、別事業部ではたりている方が就任するイメージです。)ということと、外国人が十分に理解できる言語でのサポートが必要になるということです。

なお、この支援責任者と支援担当者を自社で選任できない場合は、登録支援機関へ支援を委託することが可能です。

社長は支援責任者になることができませんので、小さな会社であればあるほど、登録支援機関に支援を委託する必要が出てきます。そして、仮に支援を委託するなら、相場として、月3万〜5万委託費用がかかってきます。

特定技能は決して外国人を安く雇える制度ではありません。手続き上、ハードルは高いですが、転職も可能な在留資格になっています。安易に飛びつくのではなく、リスクを想定した上で、万全の準備をして雇用を開始するようにお願いいたします。

特定技能外国人を雇用する際に費用感については、こちらの記事もご参照ください。
▶︎特定技能外国人を雇用する費用はどのくらい?費用の詳細を徹底比較!

もし留学生が自社の求人に応募してきて「特定技能で雇ってください。」と言ってきたら?

留学生の求職者と企業間で雇用条件に関して合意に至るも、後々、企業側が特定技能外国人を雇用するには支援体制を整えるか、登録支援機関に費用を支払って支援を委託しなくてはならないことを知り、

「そんな金は払えない。」

と、企業側が内定を破棄するケースが生じています。

留学生が卒業後、日本に在留できるか否かは、安定して生計を立てていくために働く企業があるか、生計を頼る配偶者がいるかにかかっています。

日本人ならば内定が消えようと、少なくとも日本に住み続けることができますが、外国人にはそれができません。

適切な準備なく、不用意に内定を出し、のちに破棄することだけは絶対に辞めて欲しいと思います。

まとめ

今回は特定技能1号外国人の受入れ機関になるために満たすべき基準について解説いたしました。正直に申しまして、「特定技能」の在留資格は細かなルールがあまりに多いので、本業で忙しい企業が、正確に情報を把握するのは大変だと思います。

外国人雇用・特定技能を専門でやっている会社は数多く存在しておりますので、まずは自社で雇用が可能なのかどうか、診断してもらうことを強くおすすめいたします。

 

自社で長期にわたり働いてくれる特定技能人材を、お探しの経営者様・採用担当者様は、弊社リフトにご相談ください。

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