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更新日:2020/09/01

目次

GHRTOP (1)

「特定技能」制度が開始されて早くも1年以上が経ちました。

本記事を書いているのは令和2年8月ですが、法務省から発表されている令和2年6月末の特定技能関連の最新数値を見ると、コロナウィルスの感染拡大の影響等外部要因もあり、当初想定されていたようには制度の活用が広がっていないことが分かります。

特定技能の現状については、読者様のそれぞれのお立場によって色々な感想をお持ちのことと思いますが、本記事では、法務省から発表される特定技能在留外国人数の公表数字や、我々が日々外国人材の就職・定着支援に取り組む中で得た情報や実感を元にして、特定技能の現状と傾向、制度の行く末について考察し、「特定技能外国人」活用の為のヒントを皆さまに提供できれば幸いです。

*記事の中で、特に注釈が無い場合は「特定技能在留外国人数の公表」令和2年6月末の数字を根拠としています。また、特段の記載が無ければ、「特定技能」は「特定技能1号」を指しておりますので、あらかじめご了承ください。

特定技能概要について知りたい!という方は、下記記事もあわせてご確認くださいませ。
▶︎特定技能制度について徹底解説

特定技能の在留、許可状況はどうなっているのか?

特定技能外国人在留数

在留数        ↑法務省公表数字よりリフト株式会社で作成

 まず「特定技能」で在留している外国人材の人数を見てみると、特定技能の14分野全て合計して令和2年6月末で5,950人となっています。半年前の令和元年12月末が1,621人、令和2年3月末が3,987人でしたので、増加割合を見ると順調に増加しているように思えますが、特定技能の制度創設時に想定されていた初年度(令和1年度)の受入想定最大人数が47,550人でしたので、その数字から見ると3月末の進捗率は約8.4%となります。47,550人というのはあくまで想定値ではありますが、当初想定の1割程度の進捗率ということは、「働く人材」「採用する企業」どちらにとっても活用しやすい制度になっていないことを表していると言えます。

登録支援機関数

 また、特定技能制度の運営に係る登録支援機関についても数字が出ており、令和2年7月30日の段階で、登録支援機関数は4,859件となっています。

令和元年12月末で3,451件の登録でしたので、7か月間で約1,400件が追加されたことになります。

同じ令和元年12月末時点では、3,451の登録支援機関に対して、在留している特定技能外国人が1,621人と、仮に特定技能外国人を1人ずつ別の登録支援機関が支援していたとして、1人の支援もしていない登録支援機関が大半という状況でした。

登録支援機関と一口に言っても、その背景はそれぞれ異なっています。では、どのような組織、法人が登録支援機関となっているのでしょうか?正確な統計数字は発表されていませんが、法務省のホームページに掲載されている登録支援機関の名簿から、名称に着目して分類してみました。なお、こちらの数字はあくまでの登録されている機関の名称から当社が独自に分析したものですので、その点ご了承ください。

支援機関数

↑法務省公表数字よりリフト株式会社で作成

①営利法人

 一番多い分類が、株式会社、有限会社、合同会社という通常よく目にする営利を目的とした法人のケースで、登録支援機関の半分強を占めています。

 この会社組織は、登録機関を事業として行う会社、つまり、他社で働く特定技能外国人を支援することを目的とする会社と、もう1つは自社で採用する特定技能外国人の為に登録支援機関となった会社に分かれます。この2つの割合を把握すること不可能ですが、私の肌感覚では、自社の人材の為に登録支援機関となった会社は1割未満で、大半は事業を目的として登録支援機関となった会社ではないかと推測されます。

 自社で特定技能外国人を採用される場合、必ずしも自社で登録支援機関となる必要はありませんが、登録支援機関になることのメリットとしては、特定技能外国人の在留資格の変更等の申請時に出入国在留管理庁(以下「入管」とします)での申請許可の難易度が下がることが見込まれることがあります。これは、「登録支援機関に登録する」ということは、「特定技能外国人に求められる支援を自社内で行うことが出来る」と、事前に入管に認められることと同義になることから、特定技能在留資格の審査を行う際に有利となると推定されます。当社が懇意にしている行政書士の案件で、登録支援機関を外部に委託せず、且つ、自社が登録支援機関ではない会社の特定技能外国人在留資格申請の際に入管から「自社で特定技能外国人に必要な支援体制を準備出来ることを疎明する為の資料作成」を求められたケースがありました。この事例の場合、疎明資料を作成の上、無事に許可が下りたようですが、自社が登録支援機関に登録されていれば、上記の「自社で特定技能外国人を支援できるか?」という入管の懸念点については、事前に払しょくすることが出来ることから、申請に有利になります。ただ、絶対に必要な訳ではありませんので、事業として登録支援機関を行わない会社がわざわざ登録するケースは少ないのではないでしょうか。

 

②協同組合

 次に、登録支援機関の分類のうち、2番目に多いのが協同組合となっています。隣接資格である技能実習生の監理団体が登録支援機関としても登録をしているというパターンがほとんどだと思われます。ご存知の通り、技能実習生を優良に過ごしていると認められた人材は同一職種=分野であれば試験を受けずに特定技能資格に変更が可能ですので、技能実習生を引き続き支援して行く為に監理団体が登録支援機関を兼ねるというパターンです。

令和2年7月20日現在、技能実習生を管轄する外国人技能実習機構のホームページから確認できる監理団体数は3,024団体となっています。仮に登録支援機関の協同組合が全て技能実習の監理団体だったとしても、数にして約1,800、約3分の2弱の監理団体が登録支援機関としては登録していない計算になり、若干少ないような気もします。

登録支援機関の登録申請については、既に外国人材の監理を行っていた監理団体よりも、新しく会社を設立して登録申請を行った方が登録までの難易度が低くなるという話もあり、監理団体となっている事業協同組合とは別に会社を創設したり、関連会社で登録支援機関となる監理団体もあるようなので、そういったケースを含めるともう少し割合は増えてくるでしょう。一方で、技能実習の監査に集中をする為に特定技能については業務を行わないという監理団体も一定数存在するようです。

 

③士業事務所

3番目に多いのは士業事務所です。その中でも従来から入管取次業務を行ってきた行政書士事務所が圧倒的に多く、続いて労務関係のプロフェッショナルである社会保険労務士事務所が登録しているようです。

私が見聞きする限りでは、この行政書士事務所の登録支援機関が、申請関係の実績をアドバンテージとして、かなりの数の特定技能支援を行っているのではないかと思います。

行政書士事務所の登録支援機関の数の上でのシェア率は7%程度ですが、1事業所で数十名の支援をされているケースもありますので、支援している人数のシェアで見ると、もっとシェアを高めていくものと思われます。公表されている数値からは正しい数値を把握することは出来ませんが、特定技能については、申請に関する手間が多くなることから、行政書士事務所に申請を依頼されるケースが多く、その事務所登録支援機関を兼ねている場合は、申請の流れのまま支援も依頼をするという流れで、今後もこの行政書士事務所の方のシェアが全体の中で増していく可能性が高いと思われます。

 

④その他 法人

その次にその他法人が続きますが、内訳は様々です。一般社団法人やNPO法人は名称から見ると従来から外国人材支援等を行っていたであろうことが分かる法人が多いようです。また、社会福祉法人や医療法人は自社で経営する介護施設等で特定技能外国人を採用する為に、登録支援機関として登録したケースと考えられます。面白い所では、学校法人や職業訓練法人といった教育に関連している法人が登録支援機関となっています。自法人で教育した外国人材が特定技能外国人となった場合にその支援を行うことが目的でしょうか?私自身寡聞にしてそのケースに当たったことが無い為想像でしかありませんが、留学生として在籍している外国人の方にとっても、就職後も学校からの支援が受けられるというのは心強い面もあるでしょうし、面白い取り組みではないでしょうか。その他の分類では個人のお名前で登録されている方が大半ですが、興味深いのは外国人の方のお名前で登録されているケースが多い点です。技能実習生を送り出す送り出し機関の現地駐在員の方が登録した例を聞いていますが、外国人材にとっても同じ国の方に支援して貰えることは心強いように思いますので、どの程度支援数を増やして行けるのか注目して行きたいところです。

以上が名称から分類した登録支援機関の内容です。上述した通り、一口に登録支援機関と言っても、1機関で数十名から100名を超える特定技能外国人を支援している機関もある一方、登録は出来たものの実態としては活動出来ていない登録支援機関も大半など玉石混交というのが現状です。

読者の方が登録支援機関を選ぶ立場の場合には、登録支援機関の方がどの程度の支援実績を持っているのかを確認されることは勿論ですが、自社が望むサポートの理想イメージによって、株式会社会社なのか士業事務所なのか、登録支援機関の属性を考えてみるのも良いかもしれません。 

特定技能の在留外国人の出身国は?

では、特定技能外国人の方の出身国はどうなっているでしょうか?

国前年比較

↑法務省公表数字よりリフト株式会社で作成

昨年末の状況から出身国順位に大きな変動はなく、引き続きベトナムが約6割弱と圧倒的なシェアを占めています。また、ベトナムからタイまでの上位7か国は、技能実習生の出身国順位上位7か国と完全に一致しています

外国人技能実習機構が発表している最新の統計数値から、平成31年3月末の技能自習計画認定件数を元に技能実習生の出身国と、特定技能外国人の出身国のランキングを比較した表が下記になります。特定技能と技能実習で、順位に違いはあるものの、上位7国が同じ国であることが分かります。

国籍

↑法務省公表数字よりリフト株式会社で作成 

技能実習制度で一番のシェアを獲得しているベトナムが特定技能でもトップシェアに来ていることは当然といえますが、技能実習との比較で特定技能において中国がシェアを落としているのが目立つところです。

実は、この傾向は技能実習からの流れで見るとより明らかです。

法務省統計数字から技能実習生の在留数推移を見てみると、10年前、2010年6月では約10万人の技能実習生のうち、80%弱を中国人が占めていました。当時は、「技能実習生イコール中国人」だったと言っても過言ではない程の圧倒的なシェアでした。

そこから5年後、2015年6月には、中国人はシェア率を53%まで低下させた一方、ベトナム人が約25%のシェアを獲得。そして、2019年6月には、技能実習生は全体で2010年の10万人から3.5倍以上となる約36万人に増加しましたが、中国人のシェア率は22%程となり、中国人と入れ替わるようにベトナム人が50%超のシェアを獲得しています。また、2015年から2019年では中国人技能実習生は約15,000人減少し、在留数上位7か国の中で中国のみが実数を減少させているという状況です。

国籍シェア推移

↑法務省、外国人技能実習機構公表数字よりリフト株式会社で作成

技能実習生国籍別推移

国籍推移

↑法務省、外国人技能実習機構公表数字よりリフト株式会社で作成

このような技能実習生出身国のシェア推移には色々な理由が考えられますが、中国の経済伸長により、技能実習生が従事する所謂ブルーワークの仕事においては、中国国内で同じような仕事についても満足な収入を得られる機会が増え、日本へ働きに行くことのインセンティブが弱化していることが大きな要因であることは間違いないでしょう。

中国の方は、漢字圏であることから日本語の習得、特にペーパーテストには大きなアドバンテージがあり、また、過去に中国人を採用されていた企業様からお聞きする評判も概ね好評で、技能実習、特定技能においても根強い人気がありますし、私自身も優秀な方が多い印象があります。

ですが、今後も継続的に特定技能分野において中国人人材の活用を考えて行く為には、どのように候補人材を確保していくのかを戦略的に考えて行くことが必要です。

これまで技能実習生を活用していた企業様では、求人票を作成すれば、現地の送り出し機関に人材募集は丸投げで候補人材が集まってきたというケースが大半だと思われますが、今後は、自社の求人や仕事内容を分かりやすく理解をして貰う為の仕組みや、条件面の見直し等、日本人人材の募集と同様、人材が集まるような努力が必要になるでしょう。

また、このような状況推移、すなわち地元国の経済成長により、日本へ働きに行くことのインセンティブが減少して行くことは、中国だけの特別な事業ではありません。

現在技能実習生、特定技能双方で高いシェアを誇るベトナムも、中国と同様経済発展に伴い、経済成長を続け、平均賃金も上昇を続けています。

 日本国内の人口動態推移を考えて行くと、各企業様において従業員の確保は重要な経営課題であり、その中で、特定技能を含めた外国人材の活用は避けて通れないテーマであると思います。 

これまでは門戸を開けば外国人材は勝手に集まるという状態が長く続いていましたが、その状態は永続しません。

今般のコロナウィルス拡大による各国の経済情勢の推移や、為替等の外部要因は考慮する必要はあるものの、日本で働くことの金銭的なインセンティブは、年々減少して行く可能性が高いことは、外国人材雇用を検討する上で必ず考慮しなければなりません。

また、新規採用時だけではなく、既存で働いている外国人人材にとっても、日本と各地元国の経済格差の相対的なパワーバランスは、現在の雇用条件に対する満足度を上下させる要因になり得ます。

継続的に外国人材を採用し、活躍して貰う為の体制を構築する為には、様々な環境整備は勿論、受け入れ対象とする国についても現地国の動向などを踏まえて、これまで以上に戦略的な選択をして行く必要があります。

特定技能外国人はどこの都道府県に多いの?

次に特定技能在留外国人の都道府県分布、地域分布を見ていきましょう。

尚、地域区分については、総務省統計局の地域区分と同様の区分を採用しています。

都道府県

地域

↑法務省公表数字よりリフト株式会社で作成

参考に令和元年12月末の調査数値を載せていますが、南関東のシェアが減少し、北関東・甲信のシェアが伸長していることが分かります。要因は不明ですが、考えられることとして、コロナ禍の影響で、首都圏でニーズの高そうだった外食や宿泊といった分野で求人数が減った一方、技能実習からの特定技能移行がメインであろう北関東等ではそういった影響が軽微だったことなどが考えられます。

特定技能外国人はどの分野で働いているの?

続いて特定技能外国人がどの分野で在留しているかの比較を見てみましょう。

分野

↑法務省公表数字よりリフト株式会社で作成

こちらは全ての分野で増加をしていますが、純増数の多かった順に、飲食料品製造、農業、外食となっています。

コロナ禍の影響もあり、「宿泊」分野は増加人数も24人、増加率も比較できる13分野の中で最も少なく、伸び悩んでいることが分かります。

特定技能は14の分野に分かれていますが、それぞれ分野毎の事情が分かれるものの、共通点が多い分野もあり、活用を考えて行く上でのポイントも共通しているように見受けられます。そこで、14の分野を3つのグループに分けてそれぞれ考えてみましょう。

1つ目は、「技能実習延長/代替グループ」です。このグループには、「外食」「宿泊」「介護」「航空」以外の10分野が入ります。次に、「技人国代替グループ」で、ここには「外食」と「宿泊」の分野が入ります。最後が、「その他グループ」で、「介護」「航空」分野が入ります。例外的なグループという位置づけです。下記が分類図です。

グループ

「技能実習延長/代替グループ」

まず「技能実習延長グループ」ですが、名前と現状の実績が示す通り、このグループに属する分野は多くが技能実習からの延長対象になっており、特定技能資格が、技能実習生の延長として活用されています。

 このグループは今後も大半が技能実習生の延長または、元技能実習生の再就職がメインとなっていくのではないかと考えられます。

 このグループで特定技能人材を活用する際に注意するべきは、3年間技能実習を終えた人材が、特定技能への変更のタイミングで、別会社への転職を希望するというケースが多々見受けられる点です。

 これまで技能実習生は3年または5年の時限的な戦力であり、長期的に会社を支える人材としてみなすことが難しい存在でした。ですが、特定技能資格が出来たことで、技能実習から引き続き更に5年、将来的な特定技能2号を考えると、期間の限りなく就業することへの可能性が出てきた以上、会社を長期に支える人材となり得るようになりました。

 その一方で、ハードルがあるにせよ転職が可能になったことで、他の日本人人材と同様、いかに自社で長く働いて貰えるのかを、採用する会社側が考えてマネジメントして行く必要が出てきました。

 現在、技能実習として日本に在留している方は、3年または5年の期間、日本で働くことをイメージして来日しています。当然、多くの方は、それに合わせたライフプランを組んでいます。

 また、技能実習生の方々の中で、特定技能に関する情報はかなりやり取りされている印象で、「他の会社では、特定技能に変更した際に、時給が200円上がった」等、待遇条件面等もSNSを使って共有されています。

 そういった情報を踏まえて「まだ日本で引き続き働き続けたいけど、違う会社に転職したい」と希望が上がる訳です。

 技能自習生、特定技能人材を短期的な戦力と見るのか、中長期で考えるのかは企業様毎の経営戦略にもよりますが、中長期に活躍を期待する人材と考えるのであれば、短期的な条件や待遇の改善も重要ですが、中長期的なキャリアパスを提示できるか、メンター的な存在を社内に配置できるか等、日本人社員と同様か、また外国人ということを考えると、それ以上の繊細なマネジメントが必要となるのではないでしょうか。

 また、この部分を逆に考えると、同業他社で3年間の技能実習を終えた、特定技能候補人材を採用するというパターンも検討することが出来ます。これは、3年間日本で経験がある人材を、試験などの要件なく即戦力として採用出来るので、成功すれば非常にメリットがあります。

 難しいのが、どのようにしてそういった条件を満たす人材にアプローチするのかになります。一般的な求人媒体を通じて募集することも可能ですが、自社で技能実習生、特定技能外国人を雇用している場合、その友人などの紹介で採用に成功したケースもありますので、まずはリファラル採用として自社内のネットワークを活かして探してみるのが良いかもしれません。

「技人国代替グループ」

 続いて、「外食」「宿泊」という現在の所、技能実習生からの移行が実質無いという分野が属するグループになります。実際には、特定技能「外食」は、技能実習「医療・福祉施設求職製造」職種からの移行が可能です。また、技能実習には令和2年2月に「宿泊」職種が追加されています。が、短期的に大量の候補人材を供給することは難しい為、検討から除外しています。

 グループの名前である「技人国」とは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」(以下「技人国」とします)の略ですが、「外食」「宿泊」の仕事は、以前から「技人国」在留資格で、外国人材が就業している例が多くありました。

 勿論、「技人国」在留資格が目的としている業務と、特定技能の「外食」「宿泊」が目的としている業務は違うのですが、近年の外国人観光客の増加も背景にあり、外国人観光客向けの通訳人材として、サービス業の店舗スタッフとして技人国の在留資格申請が入管で許可されていました。

 しかし、近年では様々な理由から、特に外食店舗のスタッフとしての技人国在留資格申請がこの数年間で厳格化され、「数年前には在留資格が許可されたが、同じ企業、同じ申請で不許可になった」、また「「技人国」での在留期間更新が許可されない」という事例が相次ぐようになっています。現在も様々な外食店舗で外国人材が就業していますが、多くは留学生が資格外活動の許可を得て週28時間までのアルバイトスタッフとして働いているケースになっています。

 また、もう1つの宿泊職種では、外国人観光客の増加から、ホテルのフロントスタッフや通訳人材として技人国在留資格の方が多く就業しています。こちらは外食店舗のスタッフ程厳格化されておらず、2020年現在でも新たに在留資格申請を経てホテルのフロントスタッフとして「技人国」在留資格で就業されている方も見受けられます。

 どういった仕事が技人国在留資格に該当する仕事なのかという基準は出入国管理及び難民認定法(入管法)の別表において「法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」と定められています。外食店舗のスタッフや、ホテルのフロント業務が、上記に示される業務に当てはまるのかどうかについては様々な考え方がありますし、議論が分かれるところですが、現実的な運用としては、入管や審査を担当される担当者の判断が事例として積み重なって行きながら「この仕事は該当する、これは該当しない」という現場の判断基準が形成されるというのがこれまでの流れになっています。この流れで行くと、上述の通り、「外食」「宿泊」分野においては、企業にとっても、外国人材にとっても「技人国」の在留資格を取得できるかどうかがグレーになっているということが言えそうです。

 そこで、「外食」「宿泊」分野においては、これまで技人国で働いてた、または採用していた外国人材を特定技能で採用することが増加するであろうことから、「技人国代替グループ」というグループ名にしています。

 このグループで考えるべきなのは、下記の表の通り「外食」「宿泊」分野の特定技能測定試験に合格者した方が、特定技能資格を取得する割合が現状多いとは言えないことです。

 外食宿泊

↑法務省 農林水産省 国土交通省 公表数字よりリフト株式会社で作成

 この原因は後述しますが、国内試験を合格した方の多くは留学生だと想定されますが、彼らにとって特定技能資格は滑り止めで、技人国資格が第一希望になっていることが考えられます。

 上述の通りこの「技人国代替グループ」は、「技能実習延長/代替グループ」と違い、技能実習からの移行が当面考えにくい為、どうしても試験ルートでの人材確保を考える必要があります。媒体などで人材募集をして、資格がある方の応募を待つことは勿論正攻法ですが、中長期的に安定した人材確保を考えると、候補となる人材を自社で確保して行くような仕組みを構築していくことが必要かと思います。

 例えば、外食分野では、自社で働いている外国人留学生がいる場合、特定技能試験の受験費用を負担することや、特定技能資格で正社員として就職した場合にお祝い金の制度を設けること、パートアルバイト時代から入居できる寮を準備すること等で、特定技能資格の取得にモチベートできるような制度を構築出来れば、既に実績のある人材が長く働いて頂くことに繋げられるでしょう。

 宿泊分野では、特定活動資格を利用したインターン生を活用するパターンもあるので、海外の大学の日本語学科等で学んでいる方を、インターン生としてまずトライアルで働いて貰い、その後、特定技能試験をパスして、特定技能外国人として確保することなども考えられます。 

 いずれにしてもこの「技人国代替グループ」は、サービス業となり、ある程度の日本語力を求められることから、日本語レベルもN3相当程度のレベル感が求められているケースが多いと思います。すると、いきなり海外から日本在留経験の無い方を採用するよりも、既に日本に数年在留経験がある留学生からの採用を考えたいところですが、彼らにとって特定技能資格取得は、第一希望ではないケースが多いであろうことを念頭に入れて頂いて採用計画を考えられることをお勧めします。

 「その他グループ」

 最後にその他グループとして、「介護」と「航空」についてです。

このグループは少し意味合いが違うため、個別に見て行きます。

まず航空は、令和2年6月末でも2名と活用が進んでいませんが、採用する側の企業もそれほど多くないであろう特殊な分野で、私も経験がありません。航空分野の中で、空港グランドハンドリングと、航空整備に分かれていますが、空港グランドハンドリングは技能実習が設定されているため、技能実習からの移行での資格活用が想定されます。

 もう1つの介護分野ですが、この分野は14分野の中でも非常に特殊で、資格取得のルートが多彩なことと、将来的なキャリアパスがあることが挙げられます。

 まず、資格取得のルートですが、通常の試験ルートと技能実習ルート以外に「養成施設修了ルート」と「EPA候補者ルート」があります。

 簡単にご説明をすると「養成施設ルート」は、介護福祉士の養成学校(専門学校、大学、短期大学等)を修了した人材、「EPA候補者ルート」は我が国と経済連携協定を結んでいるインドネシア、フィリピン、ベトナムで条件を満たした方を、国内で条件を満たした施設が受け入れ、働きながら4年間(1年の延長が可能)の間に介護福祉士の試験合格を目指し、合格した場合には引き続き介護福祉士として働くことが出来るという制度で、その制度を利用して4年間適切に従事していた人材は、それぞれ技能試験及び日本語試験を免除され、特定技能資格を取得できるというルートです。

 更に、キャリアパスが特定技能2号以外にあることも特徴で、特定技能で働いている介護人材が介護福祉士の国家資格を取得した場合には、在留資格「介護」(※ 特定技能の介護分野とは違います)に在留資格変更が可能です。在留資格「介護」は、「専門的・技術的分野の在留資格」に属しますので、特定技能1号のデメリットとしてあった家族滞在が可能や、更新が無制限、転職も介護施設間であれば容易に出来る等がメリットとして挙げられます。また、これは在留資格とは関係がありませんが、多くの介護施設では、介護福祉士資格を取得すると、資格手当等が支給される為、収入増加も見込むことが出来ます。

 このキャリアパスがある点は、他の分野にはない大きな特徴で、最近では、上述のコロナ禍における「新型コロナウイルス感染症の影響により実習が継続困難となった技能実習生等に対する雇用維持支援」措置を活用して、仕事を失った外国人材や内定が無くなってしまった元留学生等が特定技能介護取得を目指して、1年間の特定活動資格を取得するケースが目立っています。

 少子高齢化が進む日本では、介護分野は今後20年程度成長が見込まれ、介護保険法上、効率化をしても一定以上の人員を配置することが必要な仕事の為、当然外国人材活用にも大きな期待が掛かっています。

 介護分野の場合は、多彩な採用ルートを検討することが可能であり、更に、特定技能2号を待たずに、将来的なキャリアパスを人材に提示することも可能で、他分野よりも手の打ち方に幅があります。

 私は介護分野の企業様にとって、今が外国人材雇用に踏み出す大チャンスであると感じています。その理由は、①上記の時限的な特定活動ルートによって候補人材の幅が大幅に広がっていること ②コロナウィルスの影響でこれまで外国人材を採用していたサービス業の求人数が減少しており、その点からも人材確保がしやすいことの2点です。

 この状況を活用して、施設内に外国人材が活躍する素地の整備を行い、活躍している外国人先輩社員を作ることが出来れば、この先も外国人材が施設で働きやすい環境を作ることが出来ます。

 もしもまだこれから外国人雇用を考えられるという介護企業様がいらっしゃれば、この機会を逃さずにご検討をされると良いかと思います。

特定技能の在留外国人のルート分布はどうなっている?

ここで在留資格を取得する為にどのルートを経て特定技能資格を取得したのかを見てみましょう。

ルート

↑法務省公表数字よりリフト株式会社で作成

 こちらは、8月17日現在、法務省からまだ6月末の統計結果が発表されておらず、令和2年3月末のデータとなっておりますので、その点注意して下さい。

 この表を見ると、実に9割が技能実習からの変更または認定となっています。分野毎で見ると、技能実習制度に加わったのが比較的新しく、独特な介護、航空を別にすると、技能実習制度に実質職種が設定されていなかった外食と宿泊は当然全員が試験ルートで資格を取得しており、それ以外の分野は、飲食料品製造等一部の例外を除きほぼ100%が技能実習生からの移行です。まだ1年間の実績ですが、このデータからも前述の3つのグループの特性が見てとれます。

特定技能の在留外国人活用の為に考えるべきポイントは?

 ここからは、前述のデータに加えて、私が活動から得た感覚を踏まえて特定技能資格を活用して行く為に重要と思われる視点、考え方について、書いて行きたいと思います。

 特定技能在留資格は、採用する側の日本国内の企業にとって新しいものであることは勿論ですが、採用される側の外国人材にとってはどのように見えているのでしょうか?

 国内に在留している外国人の方だけではなく、これから日本での就業を目指す外国人材の方を含めると数百万人の方がいますので、究極的には人材の方の数だけ見方があるのですが、属性によって幾つかのグループに分けて、それぞれのグループに属する方に感情移入しながら、考えてみたいと思います。

 色々な分け方が可能ですが、近接資格である技能実習生を過去または現在経験しているかどうかと、現在日本国内にいるかどうかの2つの軸を使って、下記の4つのグループを作り、それぞれの外国人材がどのように考えるのかを考えてみます。

分類

a 現役技能実習生 

 現役の技能実習生にとっては、技能実習の期間を満了した後に、引き続き日本で働きたい場合に新しい選択肢が増え、非常にメリットがある制度に見えているはずです。技能実習2号を満了した後、技能実習3号に変更する場合、(※技能実習3号への変更⇒技能実習生としての在留期間を3年終えて更に2年延長することとご理解下さい)多くの国では、数百ドルから2000ドル程度の手数料を送り出し機関が技能実習生から徴収しているケースが多いのですが、日本国内で技能実習2号から特定技能に変更してしまえば、送り出し機関への手数料を支払わずに済みます。多

 また、技能実習に比べて特定技能では、同じ分野の企業であれば転職出来る可能性があることも人材にとっては有利です。こういった情報は既存の技能実習生間でSNSを通じてやり取りがされており、現在技能実習生として既に就業している人材は、自社で行っている作業が特定技能の分野として認められている場合は、特定技能での就業を希望するケースが多くなっているように感じます。

b 技能実習生OB 

次にbの人材=元技能実習生で帰国されている方は、過去に日本時代の技能実習生の経験が満足できるものである場合には、一度きりだった技能実習制度をもう一度使えるというチャンスというように捉えている方が多いようです。元技能実習生の方が特定技能のことをSNS等で知って、過去に働いていた日本の会社とダイレクトに連絡を取って再就職を希望して、特定技能外国人として採用が決まったケースもありました。

また、各国の送り出し機関の方とお話すると、日本の登録支援機関から元技能自習生の方を紹介して欲しいという連絡が多数入っているようです。過去に日本での就業経験がある元技能実習生は、日本での生活にも慣れていますし、数万人単位で各国にいますので、今後の伸び代もまだあると思われます。

c 技能実習以外の日本在留者 

では、cの人材はどうでしょうか?技能実習以外で在留している外国人材は様々ですが、日本で既に就業している人材をまず考えてみると、国内仕事についている外国人材の昨年10月末の在留数は下記の通りになっています。

技人国

↑厚生労働省公表数字よりリフト株式会社で作成

 前提条件通り、技能実習を除いて考えて行くと、まず一番のボリュームゾーンである身分に基づく在留資格を持っている方はそもそも就業の制限がありませんので、新たに特定技能の資格に変更する必要がありません。

 また「専門的・技術的分野の在留資格」を持っている人材が、特定技能に変更することは客観的に考えると、メリットがあまりありません。特定技能1号との比較で考えると、更新(延長)出来る期限に限りがなく、家族の滞在が可能で、転職も比較的自由、容易に出来る在留資格から、それらが出来ないか難しい特定技能に変更するのは、「どうしても特定技能で許可される仕事に就きたい」というケースを除いて考えにくいと思います。

 その為、特定技能への移行候補としては、現在「資格外活動」で就業している人材がメインになるかと思います。資格外活動で就業している人材は85%が留学の在留資格を持っていますので、留学生で現在アルバイトをしており、引き続き日本で働きたい人材というイメージです。

 特に「外食」分野等は、留学生がアルバイトしており、そのまま特定技能の技能評価試験を合格して外食の特定技能外国人となる等のケースが想定されます。

 この留学生も更に細分化して考える必要があります。それは、現在の学歴で、技人国の在留資格が得られるかどうかによって外国人材の志望度が変わってくると考えられるからです。つまり、現在日本国内の大学や短期大学、卒業時に専門士の資格が得られる専門学校に所属している留学生は、卒業後に自分が勉強している内容に関連した仕事に従事する場合に技人国の在留資格が得られる可能性があり、特定技能の在留資格よりも優先順位が高くなります。

 特定技能1号資格は、最長で5年間しか更新が出来ず、更に家族の滞在も認められず、転職についても入管への申請が必要となり、ハードルが高いのが現実です。更新が可能で、家族滞在が認められ、転職についても容易な技人国の在留資格と比べると、出来れば技人国で日本に残って仕事をしたいと考えるのは自然です。

 私も、外食や宿泊の特定技能評価試験に合格した留学生の方と何名かお会いしましたが、技人国資格を取得できる学歴をお持ちの方は、特定技能は「滑り止め」のつもりで受験しており、技人国の在留資格が得られる仕事に内定したらそちらを優先したいという方ばかりでした。

 このことは実際に数字にも表れており、先ほども見て頂いた表で、国内の技能試験を今年の3月末までに合格した人材の数と、今年の6月末までに特定技能資格で在留している方に大きな開きがあります。

外食宿泊

↑法務省公表数字よりリフト株式会社で作成

 3月末までに試験に合格して在留資格の申請をして、まだ許可が下りていないケース等も考えられますし、また、外国人材側が就職したいにも関わらず、コロナウィルスの影響で求人が減少している分野でもありますが、とは言え、試験合格者のうち外食分野では13%、宿泊分野では3.4%しか在留資格を取得していないというのは衝撃的なデータです。

 一方、特定技能の試験を積極的に受けて特定技能資格を目指しているのは、主に日本語学校に留学している人材だという印象です。人材の母国での学歴にもよりますが、現地で大卒資格がなく、日本語学校に留学している留学生は、現在のところ、技人国の在留資格を取得することが出来ません。これまでは、日本語学校を卒業した後に、専門学校に入学するパターンがありましたが、新しく特定技能という選択肢が生まれたことは大きなチャンスに映るでしょうし、国内で特定技能外国人を確保することを考えると、この日本語学校に在籍している人材が一番の候補ゾーンとなるかと思います。

 特定活動で就業している人材は、特定活動の中でワーキングホリデーやインターン等、細かく分類されていますので、まとめての言及は難しく、ケースバイケースでの対応となるかと思います。

 まとめると、国内に既に在留している方の特定技能外国人としてのターゲット期待度を下記のようになるかと思います。

ターゲット

d 国外新規人材 

 最後にd、現在国外にいて過去に技能実習を経験していない外国人材にとって、特定技能在留資格はどのように見えるでしょうか?既に各国で技能評価試験も複数開催されており、本文をお読み頂いている方も、このカテゴリーの人材を採用することを想定される方が多いかと思います。

 ここに当てはまる人材を考える際に重要になるのは、現状、日本にブルーワーカーとして働きに行こうと考えた時、「技能実習」と「特定技能」の2つの制度が並列している以上、候補人材はこの2つの制度を比較して考えるであろうということです。

 彼らにとって、2つの制度の一番の違いとして映るのは、特定技能のハードルの高さでしょう。

 ご存知の通り、特定技能資格で新規に来日する為には、各技能評価試験と日本語能力試験N4相当の試験に合格する必要があります。これは、このカテゴリーの人材にとってはかなりのハードルになります。

 技能試験については、合否の前にまず、各国での開催が少ないというハードルがありますが、これはあくまで現状の話で、今後、試験実施数の増加や、何らかのテクノロジーを使って受験方法が簡易になるなど、改善の可能性は高いでしょう。

 問題は、日本語能力試験です。技能実習、特定技能の希望人材は、日本語未学習の方が大半です。これは私の感覚になりますが、技能実習、特定技能を希望する人材がゼロから現地国で日本語を勉強して、N4相当の試験に合格する為には、試験の行われる頻度等も考えると、概ね1年程度は必要になると思います。

 N4の資格の難易度だけを考えた場合には、もっと早く合格する方もたくさんおられるでしょう。実際私の知人でも1年程度でN2まで合格した外国人の方もいますが、学生の方で日本語学習に集中できる環境の方でした。

 技能実習・特定技能の候補者は多くの場合、ほとんど日本語が話せず、学歴は高卒程度で、日本行きを検討する時点で仕事をしている、または、辞めていたとしても直ぐに仕事をしなければいけないという経済状態の方々です。

 そのような条件では、例えば現地大学の日本語学科に在籍して、日本語を勉強することに専念できる環境にあるような方と比べて、当然学習のスピードや習熟度は遅れることになります。仕事をしながら現地の日本語学校に通ったり、或いは、自学実習で日本語の勉強を初めた場合、N4の試験に合格する為には1年程度かかるというのが、平均的なスピード感かと思います。

 一方で、技能実習制度であれば、細かい部分で条件はあるものの、特定技能のような試験の合格要件がなく、面接に合格すれば来日準備に入ることが出来ます。特定技能と、技能実習は完全に同一の職種、作業をカバーしている訳ではないので、例えばどうしても外食業で働きたい場合等は、特定技能しか選択肢がないケースも考えられますが、このカテゴリーの人材は、「何がやりたいのか」ということよりも、「どれだけ稼げるのか?」ということが優先順位になるケースも多く、そこに関連して「早く稼ぎたい」という希望に繋がり、1年程度の学習が必要な特定技能よりも、結局まずは技能実習で来日して、そこからの期間延長を特定技能で考える方が希望に沿っているのではないでしょうか。

 長く日本で働きたいという希望がある場合には、技能実習から特定技能1号という変更パターンはあるものの、特定技能1号から技能実習という変更パターンは不可能ではなくとも考えにくく、多くの分野で特定技能2号が設定されていない現状では、技能実習で来日する方が長く働くことが可能です。

 技能評価試験、日本語能力試験というハードルを越えて特定技能資格を取得した際の、技能実習に対する明確なメリットとしては、転職が可能であることがありますので、ここにどれだけの価値を見出すかにはなりますが、特定技能の転職もハードルが低い訳ではないこと(入管への申請が必要になること)を考えると、決定的なものになりにくいと思います。

 技能実習と特定技能は勿論同じ資格ではありませんし、違いもたくさんありますが、日本人でも、技能実習と特定技能の違いを詳細に理解することは簡単ではありませんので、日本語が出来ない外国人の方では、より困難だと思われます。

 その一方で、資格を取得する前の入口のハードルの違いは明確なだけに、この状況が続けば、このカテゴリーの人材が初めに特定技能ではなく、技能実習を選択するケースがまだまだ多くなりそうに感じています。

最後に

 特定技能の隣接資格である技能実習制度は、前身である研修制度から考えると、開始から既に20年以上が経過し、その間に当然我が国の社会環境、経済環境は大きく変っています。当然、当初の制度主旨、目的と、現場の環境や人材側、企業側のニーズは乖離していました。

 その乖離を適切に修正する為の施策が特定技能制度の創設と言うことが言えると思います。

 当初の目論見では、特定技能制度がスタートすれば、技能実習の希望者が特定技能を活用し、自然に技能実習が減少し、特定技能が増加するということだったのかもしれません。

 しかし、技能実習制度が、約40万人が活用するという「一産業」になっており、それを専業にした国内外の組織が活動しており、制度活用に関する知見や前例が多くある一方で、特定技能制度は制度設立黎明期であるが故の使いにくさが企業側、人材側に残り、行政サイドが思った以上に、特定技能の活用が進まなかったのが実際と言えそうです。

 他方で、特定技能制度の活用を促す方向性の動きも出てきています。

 例えば、「宿泊」「外食」の他、製造業のエンジニア等の仕事でも、以前は技人国の申請が通っていたような業務内容で、不許可になるケースが出ており、行政サイドとして、特定技能を増やしたい思惑があり、特定技能と重なっているような仕事での技人国申請は難しくなっているのではないかという推測話が外国人人材に携わる業界ではなされています。

 また、特定技能の「飲食料品製造業」分野では、所管する農林水産省で「飲食料品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」が、制度活用が柔軟に出来る方向に複数回既に改訂されるなど、行政の各担当分野で、特定技能制度の活用促進に向けた動きが始まっています。

 冒頭で記載した通り、初年度目標というか活用の見通しに対して、大幅な未達と言うのが特定技能初年度の「成績」でしたが、行政サイドとしては巻き返しの為に、制度活用を促進する観点で今後も新たな変更や措置が発表される可能性が高いのではないでしょうか?

 言うまでもないことではありますが、特定技能に限らず、外国人人材を活用する為には、入管難民法以外にも各種法律や、ルールを遵守することが求められます。

 その一方で、法律の解釈や実際の運用は、各行政庁からの指導や通達により、変化して行くものでもあります。

 特定技能制度においては、各行政庁がどうやら制度の活用を促す方向で、運用を見直し、様々な措置変更を行って頂いている最中であると言えそうですので、制度を有効に活用して行く為には、行政書士の先生や、お付き合いの登録支援機関の方等に、最新状況をしっかりと確認していくことが重要であると思います。

 

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