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更新日:2021/08/03

目次

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制度創設から丸2年が経過した「特定技能」制度ですが、ここに来て在留数の大きな伸びを見せています。

本記事は、法務省から3か月毎に発表されている特定技能在留外国人数の公表を元に、特定技能制度を統計的に考察、理解し、活用方法や今後の方向性のヒントを考えて行くことを目的にしています。

公表の最新数値である2021年3月末のデータを見ると、特定技能の在留資格で日本に在留している方は22,567人となっています。これは、前回発表となる2020年12月末から6,904人の増加となり、1年前の2020年3月末から566%の増加率となっています。

制度開始時の想定を下回ってはいるものの、この2年間で企業と、人材、また支援を担当する登録支援機関、また、行政機関当局の担当者それぞれで、制度の理解が進んだことがこの増加の大きな要因であると言えます。

少子高齢化が進み、生産労働人口が減少する一方の我が国において、特定技能制度の創設によって「労働力不足」を理由に外国人材の採用を可能にしたことを考えれば、少子高齢化問題に対する、国としての大きな方針を示したものと言えるでしょう。

その意味では、特定技能制度を上手く活用して行くことが出来るかどうかは、各企業様の採用問題の解決だけではなく、日本の今後の形を決める重要な問題であると私は考えています。

本記事が、皆様の特定技能制度の活用に少しでもお役立て頂ければ幸いです。

なお、記事の中で、特に注釈が無い場合は「特定技能在留外国人数の公表」で発表されている2021年3末の数字を根拠としています。また、特段の記載が無ければ、「特定技能」は「特定技能1号」を指しておりますので、あらかじめご了承ください。

特定技能概要について知りたい!という方は、下記記事もあわせてご確認ください。


▶︎特定技能制度について徹底解説

特定技能外国人の在留状況の推移と出身・地域分布

まずは、「特定技能」で在留している外国人材の人数を3か月毎の推移で見てみましょう。

        (法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

各分野で順調に増加していることがお分かり頂けると思います。 

グラフで見てみると、2020年9月から伸び率の角度が上がっていることが良くお分かり頂けると思います。年間増加率は、2020年3月末と2021年3月末の比較を取っていますが、全体では566%増つまり5,6倍に増加しています。分野毎で見ると、介護では約30倍、ビルクリーニングで10倍と伸び率が目立っていますが、実数値で見ると、飲食料品製造が6,702人で圧倒的に増えており、次いで、農業が2,673人、建設が1849人の増加で続いています。

特定技能外国人の出身国分布推移

続いて、特定技能で現在在留している人材の出身国を見てみましょう。

こちらも3か月毎の推移で見てみます。

上位7か国は昨年末から不変で、在留数1位のベトナムが更にシェアを伸ばしています。

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

また、特定技能人材へ資格変更する有力な候補となる、技能実習生と留学生についても出身国を併せて見てみましょう。こちらは、技能実習生と留学生は2020年6月末が公表の最新数値となっていますので、その点にご注意ください。

 (法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

特定技能と技能実習生では、出身国上位7か国は完全に一致しているのは、制度開始から変わりませんが、シェア率については、技能実習で18.2%のシェアがある中国が、特定技能ではシェアをほぼ半減させており、その分ベトナムがそのシェアを奪う形になっています。後述しますが、特定技能人材は約85%が技能実習からの変更(事実上の延長)となっていることを考えると、ベトナムは多くの技能実習生が特定技能での延長を希望するのに対し、中国は技能実習生から特定技能の延長を選ばないという傾向が、統計上見えてきます。これは、特定技能制度を考える上で非常に重要なファクターです。

一方で、留学生を見てみると、中国が1位、ベトナムが2位と、出身上位2か国は特定技能と同じですが、その他の国ではほとんど相関がありません。

ここで、考えるべきは、コロナウィルス感染拡大の影響による、技能実習生と留学生の在留数推移です。

こちらを前回の2019年末の数字と比較したのが下記の表です。

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

技能実習生、留学生共にこの半年で減少しているのは共通していますが、技能実習生が微減と言える一方で、留学生は、約6万5000人と、20%を超える大きな減少となっています。

現在は、リモート等で授業を行っている日本語学校もあるようですが、まだ、留学生が自由に入国できる状況でないことを考えれば、今後の留学生の方を特定技能人材の候補と考えられる企業様等は、意識しておくべきデータと言えるでしょう。

特定技能外国人の出身国別、分野別在留数

次に、出身国と分野別の分布を見てみます。

全体の在留数と比べて大きな差異が出ている部分をオレンジに塗っています。

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

まず、介護分野については、インドネシアやフィリピンが、全体のシェアよりも増加しています。

これは両国がEPA介護士の対象国であることから、そのルートからの変更で在留数を押し上げているものと思われます。

また、全体在留数トップのベトナムは、全体のシェアでは約62.7%となっていますが、分野毎にシェアが大きく異なっています。目立つところでは、建設や飲食料品製造業のシェアが75%を超え、この2つの分野では、特定技能で働く方のうち、4人に3人がベトナム人ということになります。

一方、造船・舶用工業や、自動車整備、宿泊と言った分野では、シェアが低い傾向にあります。

その他に目立つところでは、宿泊分野と外食分野で、全体在留数でトップ7に入らないその他の国のシェアが高くなっています。

この2つの分野は、事実上、技能実習生からの移行が無いことと、留学生の方が比較的希望しやすい分野であることから、このような傾向になっているものと思われます。

特定技能外国人の都道府県、地域区分分布推移

続いて、都道府県毎の在留数を見てみましょう。  

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

こちらは県ごとに見ると細かすぎるので、総務省統計局の規定する地域区分に沿って、地域毎の在留数と3か月毎の推移を見てみましょう。

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

前回から比較して、各地域区分の分布に大きな変化はありません。

企業数を考えると地域毎の在留数に差異が出るのは当然ですが、最近では、私の感覚として、東京など都市部の特定技能の人材募集に対して、現在地方で働いている技能実習生からの応募がかなり増えて来ています。

技能実習生として来日してから3年または5年がたち、日本語にも習熟して優秀な方は、JLPTのN2やN3に合格したり、2020年4月から受験資格を得た特定技能試験にも複数合格しています。そのような人材がより高給を求めて、都市部の特定技能求人に応募をして来るという構図になっています。

今後、海外からの試験合格者が入国できるようになるとこの傾向はまた変わってくるでしょうが、転職が制度上可能である特定技能制度の活用を考えると、地方で経営をされる企業様にとっては、既存の技能実習生や特定技能人材が、都市部の転職してしまうという傾向が強まってくる可能性もあり、いかに人材の定着を図るかを考えて行く必要があるでしょう。

特定技能外国人の資格取得ルートの分析

資格取得ルートのシェア推移

次に、特定技能外国人が特定技能資格を取得した際のルート推移を見てみましょう。

特定技能資格を取得する為の要件を満たすためには、現在5つのルートがありますが、大きく、「試験を合格するルート」「技能実習生から変更するルート」「その他ルート」に分けて推移を表したのが下記の図です。

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

1年前である2020年3月には技能実習ルートが90%を超えていましたが、現在は約84.6%が技能実習生からからの変更、試験を受けて変更が約14.9%となっています。

現在、海外から試験ルートの特定技能人材が事実上入国できないことを考えると、2021年はこれくらいの分布が続き、国外からの入国が可能になった後半年から1年くらいの期間を経て、試験ルート3割~4割、技能実習ルートが6割~7割程度のバランスになって行くのではないかと予測しています。

この推移を考える際に注意が必要なことは、技能実習ルートというのは元技能実習生が特定技能に変更した総数を表しているのではなく、試験ルートで資格を取得した方の中にも元技能実習生が含まれていることです。

「技能実習ルート」は、3年または5年間、技能実習を良好に修了した人材が、技能実習での職種や作業内容と、特定技能の職種が一致する場合に、試験を受けずに移行できるという制度を活用して、移行した方の在留数となっています。

2020年4月より、現役で実習中の技能実習生が、国内で特定技能の技能評価試験を受けられるように変更されましたが、例えば、建設業で実習していた技能実習生が、介護の特定技能評価試験に合格し、介護の特定技能に在留資格を変更した場合、「試験ルート」での在留となる訳です。

その為、試験ルート在留数の中にも一定数の元技能実習生が含まれているということになります。

実際に、弊社へ問い合わせを頂く外国人材の中にも、技能実習生で、今とは別の職種の特定技能試験に合格されている方が増えて来ており、人材の方の選択肢が広がっているという意味では歓迎すべきことですが、採用する側の企業としては、この傾向にも注意をして行く必要があります。

特定技能外国人 分野別資格取得ルート

次に、特定技能の分野別にどのようなルートで要件を満たして資格を取得したのかを見てみましょう。

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

資格取得ルートの傾向は、分野毎に大きく異なっているのが分かります。

その為、特定技能人材を活用しようとする際には、自社の仕事がどの分野に属するのかによって、どのように人材を確保して行くのかを検討して行く必要があるでしょう。

私の記事をお読み頂いている方には、何度かご覧頂いているかと思いますが、14分野の特定技能を大きく3つのグループに分類して考えるべきというのが、従来よりの私の意見です。

具体的には、下記の3つのグループです。

分類の詳細について簡単にご説明すると、「技能実習延長/代替グループ」は、技能実習生からの変更がメインになっているグループです。このグループは、まず技能実習生を自社で雇用して、その技能実習生の期間延長として特定技能制度を活用するという方法か、または、同じ業種・職種の他社で就労していた技能実習生を特定技能に変更するタイミングで採用するというのがメインの考え方になるでしょう。

「技人国代替グループ」は、今まで「技術・人文知識・国際業務」(以下「技人国」)の在留資格を目指していた方の変更がメインになるグループです。宿泊や外食の仕事は、特定技能制度施行以前には、技人国の在留資格で就職するケースも多くあり入国管理局の許可も比較的下りていたのですが、実際には技人国の在留資格では想定されていない仕事内容を担当するケースもあったようで、特に特定技能制度がスタートしてからは、技人国在留資格での就労・雇用が難しくなっているケースが多いようです。

その為、技人国在留資格での就労・雇用の代わりに特定技能資格の活用が出来るという意味で、技人国代替グループという名前で呼んでいます。このグループの特徴は、2021年現在は、技能実習生から無試験で変更することが難しい為、基本的には試験ルートでの採用となるという部分です。(注 技能実習の宿泊から宿泊の特定技能への移行や、医療・福祉施設給食製造の技能実習から外食の特定技能に移行するルートがありますが、いずれも新しく追加された職種で、2021年現在は大きな母数となり得ません)

特定技能制度開始当初は、国内の特定技能試験では、留学生がメインの受験者になっていました。留学生の多くは、技人国在留資格を希望する為、試験に合格しても特定技能の仕事に就職しないというケースも多く見られましたが、技能実習生に国内での特定技能試験受験の門戸が開かれたことで、より活用の選択肢が広がったと言えます。今後、この技人国代替グループでは、違う仕事をしていた技能実習生が試験を受けて特定技能として転職して来るというケースが増えることが予想され、このケースを想定した採用戦略、教育戦略を考えて行かれるのが良いと感じます。

最後は、上記の2つに属さない「その他グループ」と言うことになります。

介護と航空分野で事情が全く異なりますが、介護は技能実習生からの移行が今後本格化してくることと同時に、国内国外問わずに特定技能試験が多く実施されており、合格者も多数いることから、技能実習ルート、試験ルート共に、増加して行くことが予想されます。

航空分野は、全体の母数も少なく、まだ傾向も掴めません。

特定技能外国人 地域区分別資格取得ルート

次に、地域区分別の資格取得ルートを見てみましょう。

こちらも総務省統計局の規定する地域区分で分類しています。

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

上記表を見て、目立つ数字をオレンジと黄色で縫っています。

オレンジ色の部分は、大都市東京や大阪を含む、南関東や近畿で、試験ルートで特定技能になった割合が多いことを示しています。

一方、黄色い部分は、北海道、東北、中国、四国、九州と言ったいわゆる地方では、9割以上が技能実習生からのルートで特定技能の資格を取得していることが分かります。

試験ルートで特定技能資格を取得した3,353人のうち、東京大阪名古屋が属する南関東、東海、近畿の3区分で2,396人、シェアにして約71%が在留しています。

ここから推測して行くと、コロナウィルス蔓延により海外での試験合格者が入国できず、試験合格者のうち多くは国内試験の合格者であることを考えれば、地方部の特定技能人材は、技能実習生から同じ企業様で就労延長した方が多くを占めており、努力して試験に合格した方は給与が高く、様々な施設が充実している都市部を目指すという傾向が浮かび上がってきます。

特定技能外国人 出身国別資格取得ルート

続いて、出身国別の資格取得ルートも見てみます。

(法務省公表数字を基にリフト株式会社で作成)

こちらも同様に目立つ数字を黄色く塗っています。

在留数上位のベトナム、中国、インドネシア、フィリピンは、全体の資格取得ルートのシェアと大きな差異は見当たりません。

目を引くのが、ミャンマーで、試験ルートのシェアが高くなっていることと、タイとカンボジアでは逆に試験ルートが一桁のシェアとなっており、ほとんどが技能実習ルートとなっていることです。

在留数が多いほど試験ルートのシェアが増える等の相関関係ではなく、何故ミャンマーだけ試験ルートが多く、逆にタイや、カンボジアは試験ルートが少ないのか、正直、私の力不足もあり、何故この傾向にあるのか、理由を推測出来ないのですが、文化的な傾向なのか、または、国毎に特定技能制度への認知度が違うのか、等、仮説を巡らせているところです。

今後、この傾向がどのようになって行くのか、個人的には大変興味深く見ています。

特定技能の試験合格者数の分析

特定技能技能評価試験受験者 合格者数

特定技能の技能評価試験には、どの程度の人材が評価試験を受験し、合格しているのかを見てみましょう。

各試験の受験者数、合格者数は、2019年4月から2021年5月に実施された試験のうち各試験実施団体から発表された内容を元にリフト株式会社が集計したものですので、実際の数値と異なる場合がありますことをご了承ください。

介護分野は「介護技能評価試験」の合格者をカウントしております。(「介護日本語評価試験」の合格者とはGAPがあります)

また、製造3分野は3分野合計の数値としています。

(各試験実施団体の公表を基にリフト株式会社で作成)

こちらを見ると、14分野全体で、累計70,041人が試験を受験し、実に44,885人が合格しています。

当然、1名が複数の分野を受験し、合格しているケースもありますので、あくまでも延べ人数ということにはなりますが、かなりインパクトのある数値です。特定技能全体の在留数が22,567人であることを考えると、在留数の倍近い人数が既に試験合格をしていることになります。

また、分野別を見てみると、介護の合格者が17,000人を超え、外食や、飲食料品製造業が続くということになっています。この数字は試験実施数にも左右されますので、この分野の仕事の人気が高いということに直結する訳ではありませんが、多くの方が試験を受けて合格している分野では、日本語試験の合格という別のハードルはあるにせよ、コロナ禍が終了して、新規人材の入国が再開された後には、海外から特定技能人材の雇用を考えることも、有力な選択肢となってくるでしょう。

特定技能技能評価試験合格者数からの資格取得率

更に、この合格者から一体どの程度の方が実際に特定技能資格を取得しているのかを見てみましょう。

(法務省並びに、各試験実施団体の公表を基にリフト株式会社で作成)

特定技能試験に合格した方は、全分野で44,885人、国内の試験合格者だけを見ると28,897人となっています。

一方、先ほどからデータを見ている通り、2021年3月末までに試験ルートで特定技能在留資格を取得した方は3,353人です。上記図のうち、赤枠で囲っているのが各分野毎の試験ルート合格者の数字です。

全体の試験合格者44,885人のうち、実際に特定技能の資格で在留している方は7.5%、国内試験合格者だけを考えても、11.6%となっています。

コロナ禍の影響で海外からの入国が制限されたことで、海外で試験に合格した方が入国できないという影響を考慮に入れても、これはなかなか考えさせられる数字です。

コロナの影響による入国制限がない国内試験の合格者から考えても、試験に合格したのに、実際に特定技能で働いている人は、約10人に1人という水準です。

試験に合格しても、資格取得率が低いことは、特定技能制度の活用を考える際には大きな課題となります。

この理由については幾つか考えられますが、

  1. 1人の人材が多くの分野で試験に合格しており、試験を受けている実数はもっと少ない
  2. 企業の内定が出ており現在申請中の為、GAPがある
  3. 試験に合格したものの、就職活動が上手く行かず企業が見つからない
  4. 試験に合格しても、特定技能資格の取得を希望しない

等で、1つの理由が原因ではなく、全てが影響して、結果的に試験合格者と資格を取得して在留している方の数字が乖離しているのだと思います。

上のうち、1と2の理由は解決するべき問題ではなく、3についても少しづつ特定技能の求人を扱ったWEBサイト等も増えて来ている為、徐々に改善して行く傾向が予想できます。

4については、特定技能の資格自体の魅力=更新回数の制限や、家族滞在の可否等の要素が大きい為、特定技能2号の運用開始等、行政を巻き込んだ対応が必要でしょう。

国外の特定技能技能評価試験受験者 合格者数

次に、海外で実施されている技能評価試験の受験者数と合格者数を試験実施国別に見てみましょう。

     (法務省並びに、各試験実施団体の公表を基にリフト株式会社で作成)

こちらは、受験者数、合格者数共に、圧倒的にインドネシアとフィリピンが多くなっています。

一方で、2国間協定の締結が遅れたベトナムや、そもそもまだ2国間協定が結ばれていない中国は、在留数のトップ2にも関わらず、ベトナムは建設のみ、中国は未実施と、現地での特定技能評価試験の実施が進んでいません。この2か国に限らず、今後の試験実施スケジュールがどうなって行くのかは、制度活用を考える際に注意が必要です。また、既に特定技能評価試験の合格者が積み上がっているインドネシアやフィリピンといった国は、ここ1~2年の特定技能人材の活用を考えて行く上で、重要な国であると言えます。

上述の通り、今後、国内に既に在留している技能実習生や、特定技能人材は、都市部に集まって行く可能性もあるだけに、特に地方で特定技能人材の活用を今後中期的に考えて行かれる中では、インドネシアやフィリピン現地での採用を検討して行くことが良いのではないでしょうか?

特定技能外国人活用のために考えるべきポイントは?

私どもの会社、リフト株式会社は、ブルーワーク分野の外国人材に注力をして外国人材の紹介や、定着支援を行っており、毎日数十人の外国人材の方とコンタクトを取り、コミュニケーションをしています。

特定技能制度について毎日のように向き合っていますが、その中で感じることは「特定技能資格」は外国人材の方のプロフィールや属性によって、見え方が全く異なっているということです。

そのことを皆様にご説明する為に、特定技能の候補となる外国人材を下記の3つの属性に分けています。

a 技能実習経験者   

b 国内新規人材     

c 国外新規人材    

それでは早速、それぞれの属性の人材毎に特定技能制度がどう見えるのかについて考えてみましょう。

a 技能実習経験者

現役の技能実習生や技能実習経験者にとっては、技能実習の期間を満了した後に、引き続き日本で働くことが出来るメリットがある制度に見えているようです。

 2020年9月に当社で現役で日本で就労している技能実習生相手に実施したアンケートでは、229名の有効回答中、80%を超える方が日本での就労を延長したいという回答となっています。

(リフト株式会社が2020年9月に現役技能実習生に行ったアンケート結果より集計)

国内の現役技能実習生は、2020年4月より国内の特定技能評価試験を受験できるようになった為、技能実習期間が満了した後の転職を見越して、優秀な技能実習生程、特定技能試験を受験しています。

また、時限的な措置ではありますが、コロナウィルスの影響で実施されている、新型コロナウイルス感染症の影響により実習が継続困難となった技能実習生等に対する雇用維持支援を使うことで、実習を満了した技能実習生は、技能評価試験に合格していなくても特定活動として1年間、事実上特定技能資格と同じように就労することが可能なことから、転職についてもかなり多くの選択肢を持つようになっています。

また、帰国した元技能実習生の方にとっては、一度きりだった技能実習制度をもう一度使えるチャンスとなっています。元技能実習生は、日本語試験N4の取得が免除されていることも大きなポイントです。

現状、レジデンストラックを使っての入国が必要ですが、この制限が緩和された後は、より多くの元技能実習生が特定技能外国人の候補となってくるでしょう。

この技能実習経験者層にとっては、特定技能制度は選択肢の増加、又は、働ける期間の延長として、大きなメリットのある制度に見えているものと思います。

実際に、私どもが募集している特定技能求人にも技能実習生が多く応募して来ています。

中でも、多いパターンは、地方で働いている現役技能実習生(帰国困難の特定活動を含む)が、首都圏の特定技能外国人募集に応募してくるケースです。同じ仕事をしていても、地方部と都市部で賃金に差があるケースが多く、人材側から見れば当然の行動ですが、これは、今後特定技能外国人の活用を考える上で非常に重要な流れだと感じています。

特定技能の求人情報は、WEBやSNS等を通じて、地域に関係なくアクセスが容易になって来ています。地方で技能実習生を雇用する企業様にとっては、延長を期待している自社の技能実習生の延長が困難になるなども予想されます。優秀な人材程、積極的に転職を考えるでしょう。自社で延長して働いて貰う為には、定着の為の工夫や努力が求めれて行くでしょう。

外国人材の雇用を考える上で、これは非常に健全な流れです。

外国人材が気持ちよく働くことが出来る企業様には人材が集まり、そうでない企業様からは残念ながら人材が去ることによって、外国人材の定着や育成に前向きに取り組む企業様が増えることが、日本全体の今後の外国人材獲得を考えれば非常に大切なことだと思います。

b 国内新規人材    

では、現在技能実習生以外の国内に在留している外国人にとってはどうでしょうか?

この層は様々な可能性がありますが、多くの場合留学生となります。

国内の留学生は多くの場合、技人国の在留資格を目指していて、特定技能は「滑り止め」という位置づけになっているケースが多いようです。

上述の通り、弊社のクライアントの特定技能求人に応募し内定を得た人材の中でも、留学生の方だと、技人国の在留資格を目指すという理由で内定辞退となるケースが散見されています。これは、上述のように、国内で特定技能試験に合格しても実際に資格取得する方が約11%という結果にも影響を与えているでしょう。

「更新回数に制限がない」「家族の滞在が可能」「(比較的)転職が容易」という在留資格制度上の優位性比較で、特定技能よりも技人国資格を優先的に考えている方が多い印象です。

また、「留学生として学んだことを活かす」という観点で仕事を選ぶケースも多く、これも、特定技能求人の内定を辞退する理由になっています。

そもそも、「求人に応募しなければいいのでは?」とお考えになる方もいらっしゃるでしょうが、一方で、今般のコロナウィルス感染拡大の影響を受け、技術人文知識国際業務の在留資格を必要としている求人が減少していることも考えなければいけません。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、国内全国の有効求人倍率が、2020年3月1.40⇒2021年3月1.10と激減しており、その結果として、国内の留学生のうち、特に専門学校等に通う人材がなかなか面接にすらたどり着けず、「仕方なく」「滑り止めの気持ちで」特定技能の試験を受け、面接を受けるという方が多くなっているようです。ただ、やはり本来の希望とは異なるため、いざ内定となっても辞退となるという流れです。

これは勿論仕方ないことではありますが、自社で採用する場合でも、クライアントに斡旋する場合でも、工数と費用をかけて採用活動を行ったにも関わらず、実際の就労に繋がらないことになりますので、どのように対応して行くのか、事前に対策を考えるべき問題と言えるでしょう。

特定技能14分野でいち早く特定技能2号の制度が整備されるとこの状況は大きく変りそうですが、とは言え、外国人材を斡旋、紹介する立場や、雇用する企業様の立場では、それを待つ訳には行かず、この層にどのように仕事の魅力やメリットを訴求するのか、理解して頂くのかを考えて行くことが重要です。

c 国外新規人材   

最後に、現在国外にいて過去に技能実習を経験していない外国人材にとって、特定技能在留資格はどのように見えるでしょうか?

国外だけでも、特定技能制度開始から約16,000人が各分野の技能評価試験に合格しており、制度への関心が伺えます。

ここに当てはまる人材を考える際に重要になるのは、現状、「技能実習生」と「特定技能」の2つの制度が並列している以上、日本にブルーワーカーとして働きに行こうという人材は、この2つの制度を比較して考えるであろうということです。

特定技能資格で新規に来日する為には、各技能評価試験と日本語能力試験N4相当の資格に合格することが条件で、それを満たして且つ、企業の求人に応募して合格することが必要です。一方で、技能実習生としての来日は、基本的には企業の求人に合格すれば来日することが出来る為、資格取得のハードルと言う点では技能実習生を選ぶ方が良さそうに思えます。

また、日本で在留できる期間を考えると、特定技能2号を無視すれば、技能実習生から入国すれば、技能実習で最大5年、無試験で特定技能(1号)に変更して5年の、合計10年の在留が可能である一方、特定技能から来日すると、5年間は特定技能で在留が可能ですが、そこから技能実習に変更することは出来ず、一度帰国して技能実習生として再度来日することは制度上可能であるにしても、心理的にも物理的にも、金銭的にもハードルが高くなり、こちらも技能実習生を選ぶ方が良いと思われます。

賃金については、「初めて日本に来日してブルーワークに従事する人材」という観点では、技能実習でも特定技能でも変わらない為、多くの企業様では、技能実習を選んでも特定技能を選んでも、賃金に大きな差はないのが現状です。

特定技能の技能実習に対する明確なメリットとしては、転職が可能であることがあります。人材が、ここにどれだけの価値を見出すかにはなりますが、特定技能の転職もハードルが低い訳ではないこと(入国管理局への申請が必要になること)もあり、また、海外から日本に初めて働きに行こうという人材が転職が可能であることをどれだけ具体的なメリットと感じるかも少し疑問があります。

このように人材側の立場に立って考えてみると、特定技能と技能実習の2つの制度が並列に存在する以上、技能実習より特定技能を選ぶ方がそれほど多くなるようには思えないというのが私の感想になります。

特に地方の企業様の求人では、国内で特定技能人材を集めることが難しくなっており、海外からの採用を検討されるケースも多くあると思います。コロナウィルスの影響が沈静化した後は、海外からブルーワークで就労する外国人人材を求めるケースは益々増えて行くでしょう。

その際、在留資格は特定技能で募集するのか、技能実習で募集するのか、採用する企業様にとってもしっかりと違いを理解した上で、戦略を考えて行く必要があります。

特定技能を分野毎に考えてみる

最後に、企業側にとって特定技能資格はどのような存在になっているのでしょうか。

ご存知の通り、特定技能には現在14の分野が存在していますが、その分野毎に、採用する側である企業の求める人材像が異なり、また、求人に応募する人材層も異なり、結果として現状の特定技能在留資格の活用度合いも大きく差異が出てきており、また、特定技能についての見え方や評価も全然違ったものになってきます。

私は、上述の通り、特定技能14分野を3つのグループに分けて考えています。

1つ目は、「技能実習延長/代替グループ」です。このグループには、「外食」「宿泊」「介護」「航空」以外の10分野が入ります。次に、「技人国代替グループ」で、ここには「外食」と「宿泊」の分野が入ります。最後が、「その他グループ」で、「介護」「航空」分野が入ります。例外的で傾向がまだ読めないという位置づけです。

それぞれのグループ毎に、在留数と、資格を取得したルート、また、特定技能試験に合格した方の数を並べたのが下記の表になります。傾向がお分かり頂けるものと思います。

(法務省統計、各試験実施団体の公表を基にリフト株式会社で作成)

それぞれのグループの分野毎にどのような活用が有効なのかを考えてみます。

a 「技能実習延長/代替グループ」

 まず「技能実習延長グループ」ですが、名前と現状の実績が示す通り、このグループに属する分野は約97%が技能実習生ルートで資格取得となっています。

一方で、このグループでも試験合格者が2021年5月発表分までで全体で約14,101人いますが、実際に試験ルートで資格取得した方は514名となっています。差し引き約12,500名の方が潜在的な特定技能外国人候補となっており、企業様とこの人材候補を繋ぐルートが整備されれば、このグループでも試験ルートでの活用が拡大する可能性があります。

このグループは海外から人材を採用するのか、国内から人材を採用するのかに分かれ、海外から採用する場合には、上述の通り、特定技能として採用するのか、技能実習生として採用するのかを検討する必要があります。

また、国内からの採用を考える場合は、試験に合格した人材か、または他社で技能実習生として働いている人材を満了タイミングで採用することになりますが、いずれにしてもいかに人材にアプローチするのかが課題となります。

求人媒体を通じて募集することも可能ですが、日本語での求人になるとピンポイントで人材に求人情報を届けられるかには疑問があるでしょう。

自社で外国人材を既に雇用している場合には、その友人などの紹介で採用に成功したケースもありますので、まずはリファラル採用として自社の人材のネットワークを活かして探してみるのが良いかもしれません。

弊社のような外国人材採用を専門に支援している企業では、自社のメディアやネットワーク等、独自の人材獲得ルートを持っていますので、相談されるのも良いでしょう。

また、各国の送り出し機関が自社が送り出した技能実習生の情報を持っているケースも多く、繋がりがある場合は問い合わせをされてみるのも良いでしょう。

b 「技人国代替グループ」

続いて、「外食」「宿泊」という現在の所、技能実習生からの無試験での移行が実質無いという分野が属するグループになります。(特定技能「外食」は、技能実習「医療・福祉施設求職製造」職種からの移行が可能です。また、技能実習には令和2年2月に「宿泊」職種が追加されています。)

「外食」「宿泊」の仕事は、以前から「技人国」在留資格で、外国人材が就業している例が多くありました。勿論、「技人国」在留資格が目的としている業務と、特定技能の「外食」「宿泊」が目的としている業務は違うのですが、近年の外国人観光客の増加も背景にあり、外国人観光客向けの通訳人材として、サービス業の店舗スタッフとして技人国の在留資格申請が入国管理局で許可されるという経緯がありました。しかし、近年では様々な理由から、この分野の技人国在留資格申請がこの数年間で厳格化され、数年前には在留資格が許可されたが、同じ企業、同じ申請で不許可になった、また、技人国での在留資格更新が許可されないという事例が相次ぐようになっていました。

そこで、「外食」「宿泊」分野においては、これまで技人国で働いてた、または採用していた外国人材を特定技能で採用することが増加するであろうことから、「技人国代替グループ」というグループ名にしています。

ただし、前述の通り、この分野の試験合格者からの特定技能資格取得は現状多いとは言えない状況があります。

試験合格者からの在留資格取得割合は、宿泊分野では合格者2,623人に対して、資格取得83人で資格取得率3.2%、外食分野では合格者10,618人に対して、資格取得1,150人で、資格取得率10.8%となっています。(試験は2021年5月発表までの数値 資格取得は2021年3月末までの数字)

資格取得率が上がっていない大きな原因は、やはりコロナウィルス感染拡大の影響によって、そもそも「宿泊」「外食」の分野で求人自体が減っていることでしょう。

コロナウィルス感染が収束し、需要が回復した後は、試験合格者が多くいることから、この分野で大きく資格取得者が増えて行く可能性がありそうです。

また、2020年4月より国内に在留している技能実習生にも、特定技能試験の受験資格が認められたことも後押しになりそうです。

2020年3月までは、特定技能試験の受験者の多くは留学生だったことが推測されます。

上述の通り、留学生は多くの場合技人国資格の取得を希望し、特定技能の取得にはネガティブでした。

しかし、現在技能実習生として就労している人材にとっては、在留資格の満了後であったとしても日本での就労を延長できる、または、自分のやりたい分野の仕事に転職出来るメリットのある資格に見えているはずです。

技能実習生でも優秀で、日本で長期間の就労を希望している人材は、日本語の上達を望むケースが多く、日本語を使う機会が多い外食や宿泊の仕事は人気があります。

弊社でも求人をお預かりした外食の特定技能求人に多くの現役技能実習生が応募して来ており、特定技能制度開始前を考えると、隔世の感があります。彼らは留学生よりもハングリーさを感じる人材が多く、企業様にも高評価になりがちです。

このグループで特定技能外国人を活用する際に、昨年度までは選択肢になかった、現在技能実習生として就労している人材を考えて行くのはかなりお勧めです。

但し、この場合でも技能実習生人材にどのようにアプローチしていくのかは考えるべき課題となりますので、技能実習延長/代替グループの場合と同様に作戦を考えて行く必要はあります。

c 「その他グループ」

 最後にその他グループとして、「介護」と「航空」についてです。

このグループは少し意味合いが違うため、個別に見て行きます。

まず航空は、2021年3月末で在留者が16名とまだまだ在留者が伸びていません。

採用する側の企業もそれほど多くないであろう特殊な分野ですし、コロナウイルス拡大の影響を大きく受けていることが予想される為、これからもそんなに活用が進まないことが予想されます。

次に介護分野ですが、この分野は、試験ルートと技能実習ルート以外にも資格取得が可能で、「養成施設修了ルート」と「EPA候補者ルート」があります。

簡単にご説明をすると「養成施設ルート」は、介護福祉士の養成学校(専門学校、大学、短期大学等)を修了した人材、「EPA候補者ルート」は我が国と経済連携協定を結んでいるインドネシア、フィリピン、ベトナムで条件を満たした方を、国内で条件を満たした施設が受け入れ、働きながら4年間(1年の延長が可能)の間に介護福祉士の試験合格を目指し、合格した場合には引き続き介護福祉士として働くことが出来るという制度で、その制度を利用して4年間適切に従事していた人材は、それぞれ技能試験及び日本語試験を免除され、特定技能資格を取得できるというルートです。更に時限的ではありますが帰国困難者の特定活動ルートもあり、多彩な採用ルートを検討するが可能です。

更に、キャリアパスが特定技能2号以外にあることも特徴で、特定技能で働いている介護人材が介護福祉士の国家資格を取得した場合には、在留資格「介護」(※ 特定技能の介護分野とは違います)に在留資格変更が可能です。在留資格「介護」は、「専門的・技術的分野の在留資格」に属しますので、特定技能1号のデメリットとしてあった家族滞在が可能や、更新が無制限、転職も介護施設間であれば容易に出来る等がメリットとして挙げられます。このキャリアパスがある点は、他の分野にはない大きな特徴です。

一方で、介護保険制度上、他分野に比べて賃金面では見劣りする求人になっているケースが多く、特に地方の介護企業様に求人情報を頂いても、国内で特定技能介護の候補者獲得にかなり苦労するケースがあるのが現状です。

少子高齢化が進む日本では、介護分野は今後20年程度成長が見込まれ、介護保険法上、効率化をしても一定以上の人員を配置することが必要な仕事の為、当然外国人材活用にも大きな期待が掛かっているものと思います。

上述の通り、介護分野は特定技能試験の実施回数が最も多く、また、合格者が多数いる為、今後、一定数、資格を取得する方は増えそうですが、在留資格「介護」変更の為に必要な、介護福祉士取得の為の支援等、定着の為には工夫が必要になるでしょう。

また、介護分野では、海外でも多くの試験合格者がいるので、これから外国人材の雇用を考えられるという介護企業様がいらっしゃれば、海外から特定技能評価試験の合格者の雇用も視野に入れてご検討されることで、試験に合格した意欲が高い人材を獲得出来るチャンスになるかと思います。

最後に

特定技能制度について日々向き合い、制度の活性化を考える上で、2021年度の制度の最初の見直しがどのようになるのかは最大の関心事です。

私の関心は、

  1. 特定技能2号がどの程度進捗するのか?⇒実際の試験がスタートするのか?他分野にも広がるのか?
  2. 新たな分野の追加はあるのか?⇒噂されている幾つかの分野が追加されるのか?
  3. コロナウィルス特例が恒常的な措置となるのか?⇒他資格(特に技能実習)から、特定技能を目指す人材に1年間の特定活動を与える措置がいつまで運用されるのか?また、恒常化されるのか?

といったところです。

これまで、技能実習生として来日した外国人材が在日中に他の在留資格へ変更することは、日本人と結婚した場合等の例外を除き、非常に困難でした。技能実習の歴史や設立背景は、労働力の確保ではなく、あくまでも技能移転による国際貢献であることから考えると、3の特例は、これまでの流れを大きく変えかねないインパクトがある内容です。

本文中でも繰り返し記載している通り、特定技能資格にとって、技能実習資格は切っても切り離せない隣接資格であり、前身資格です。この2つの資格の関係性がどう変化するのか、行政がどのように考えているのかは、制度の活用を考えて行く上で、非常に大きなポイントです。

技能実習制度が国際貢献を目的としていることは誰もが承知していることではありますが、一方で、従業員確保が難しい業界、企業様にとって国際貢献の目的に賛同しつつも、何割かは労働力としての期待があって活用されている制度であることは、隠然たる事実です。また、人材側にとっても技能習得の目的の他に、母国では得られない賃金獲得が目的となっていることも現実です。

制度の主旨とそれを規定する法律、通達、前例を守りながら、一方で、その制度主旨とは違った動機で、約40万人という多くの人材が就業しているのが技能実習制度です。

技能実習制度の前身である研修制度がスタートして既に20年以上が経過し、その間に当然我が国の社会環境、経済環境が変わり、当初の制度主旨、目的と、現場の環境とそれに基づくニーズが乖離してしまっている中で、その乖離を適切に修正する為の施策が特定技能制度の創設と言うことでしょう。

本来、日本国内で習得した技能を、帰国後に母国で活用するというのが、技能制度の根幹の主旨であったことを考えると、帰国せずに日本で働き続けることが出来るルートが増えて行くということは、本来の技能実習の主旨と現実の乖離を行政サイドがある意味「認知」して頂いていると言えるのかもしれません。

 ご存知の通り、我が国の少子高齢化は加速し、生産労働人口の減少とともに、内需を支える消費者も減少して行きます。

それを考えれば、外国人材にいかに活躍して頂くかは、国家的な命題であり、その中でも「特定技能」は、第2の開国とも言うべき大きな変化です。

特定技能制度にはまだまだ課題点も多いようですが、2021年度には初回制度見直しがあり、制度創設からの約2年間でもかなり多くの制度改正が行われています。

いわば、これまでの特定技能はver0であり、今後のバージョンアップに大きな期待が掛かります。

特定技能の受け入れを検討している!という方は、是非下記より弊社サービスサイトをご確認ください。

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