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    25人中22人が外国籍エンジニアのWeb受託開発現場。マネジメントの秘訣とは?

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    目次

    プレイネクストラボ様取材記事草稿
    株式会社プレイネクストラボ

    システムインテグレーション事業部管掌 道場 弘圭 

    兵庫県出身 1994年大学卒業後、総合商社に入社。人事(採用・研修)、海外通信プロジェクト、モバイルコンテンツ事業に合計12年間従事し、その後、2006年にSI企業に転職。事業部長として、国際SMS事業や製品・開発PMに12年間携わり2018年5月にプレイネクストラボに入社。

    同年6月取締役に就任し、現在はSI事業部を管掌。多国籍エンジニアと共に奮闘する日々を過ごしている。趣味は、子育てとフラッグフットボール。

     

    TalentHub事業部 マネージャー 近藤 淳一 

    長野県出身。2013年に前身のプレイネクストジャパンにゲームプランナーとして参画。2016年のプレイネクストラボ立ち上げ時より、TalentHub事業に携わる。

    現在は自社のエンジニア採用とSI/SES事業、開発案件のPM、社内の総務までマルチに活躍している。

    趣味はバスケットボール。

    ↑左からプレイネクストラボ 株式会社の道場氏、近藤氏

    「外国籍エンジニアを採用しても、うまく活躍してもらうことができない。」

    「外国籍エンジニアを一度雇ったことがあるが、トラブルで辞めてしまったのでもう雇わない。。。」

    このように職場のダイバーシティ化に苦戦する日本のWeb開発現場が多い中、

    「外国籍だからという理由で大変だと思ったことは一度もない。」

    と、言い切るのは、SESや受託開発などで、企業のWebサービス開発を支援するプレイネクストラボ株式会社の道場弘圭取締役です。

    25人中22人が外国籍エンジニアである開発チームを統括する同氏に「外国籍エンジニアのマネジメントの秘訣について」伺いました。

    また、同社で外国籍エンジニアの採用を統括しているマネージャーの近藤淳一氏に「ミスマッチを防ぐために採用で気をつけていること」についても伺っています。

    ぜひご一読いただき、職場のダイバーシティ化にお役立てくださいませ!

    25人中22人が外国籍エンジニアの開発現場、なぜできた?

    ーー今回は取材をお引き受けいただきありがとうございます。貴社の受託開発チームは25人中22人が外国籍エンジニアとお聞きしました。早速ですが、なぜそのような外国籍比率になったのでしょうか?

    道場氏:結論からいうと、当社がもともと外国籍のエンジニアの就労を支援する会社としてスタートしたからです。当社の前身の会社はゲーム開発の会社だったのですが、2016年にそのゲーム事業を売却し、新たに『プレイネクストラボ株式会社』として『TalentHub』という優秀な外国籍エンジニアと日本企業をマッチングするビジネスを開始しました。当初から引き合いの多かったSES事業をはじめ、現在では、Webの受託開発と、自社の『食リーチ』という飲食業界向けの転職支援サービスの開発を外国籍のインハウスエンジニアを中心に進めています。

    ーー現在は総勢何名のエンジニアが在籍されているのですか?

    道場氏:SESとインハウスエンジニア含め、現在は45人のエンジニアが在籍しています。そのうち受託開発チームは25人のエンジニアが在籍しており、そのうちの22人が外国籍という状況です。

    ステップアップのための離職は仕方がないと割り切る。

    ーーそれだけ多くの外国籍エンジニアを集めるのは大変だった思います。採用活動はどのように進めたのですか?

    近藤氏:手法としてはどこの会社さんともあまり変わらないと思います。採用ターゲットであるエンジニアの方がよく見るサイトに求人を出したり、SNSでダイレクトスカウトを送ったり、自社サイトで集めたりです。

    ーー外国籍人材を採用する上で大変なのが、条件面の交渉だとよく言われていますが、その点はいかがですか?

    近藤氏日本と海外だと給与水準が異なるので、そこで合わないということはよくあります。やはりアメリカや中国の一部企業と比較すると、日本の給与水準は安いですから。

    ーーどのような対応をされているのですか?

    近藤氏入社後、どんなプロジェクトに参加でき、どんな経験を積めて、頑張った分をどのような形で還元していくのかということについて丁寧に説明するようにしています。そこできっちりと納得していただいた方に、入社してもらいます。

    ーー経験を積むことを求めて入社される方が多いのですか?

    道場氏:それは完全に二極化しているなと思います。報酬額を一番大切と考えているのか、自己の成長に繋がる経験が積めることが一番大切と考えているかのどちらかです。タイプがはっきりと別れるのは、日本人と比較して外国籍の方に特徴的なことかもしれません。日本人の場合には、自分の給与に関して明確に提示することは稀ですよね。外国籍の方は、自己の希望を明確に持っており、そこが折り合わなければどんなにその他の条件が良かったとしても「No」と言います。

    ーーどうしても欲しい人材はどのように説得するのでしょうか?

    道場氏あえて『説得』には注力をしないようにしています。どれだけエンジニアの方の希望に合わせる努力をしても本人の成長に会社が合わなくなった段階で離職は避けられないものだと考えているからです。条件に合わないのに無理に交渉して入社してもらい、採用後にはなんとか辞めないように努力をするというよりも、ご縁があって入社してもらった方と共に開発し、その方が成長して、ステップアップのために離職するのは、むしろしょうがないというくらいの余裕を持って対応しています。

    ーー日本では斬新な考え方ですね!そうすると、人材の入れ替わりは早いのでしょうか?

    道場氏:人によりけりな部分もありますし、統計をしっかりととった訳ではないですが、日本企業の平均よりは早いのかなと思います。日本企業では人材の入れ替わりが激しいことを悪だと捉えられてしまいがちですが、むしろ世界の潮流からすれば、日本は異質ですし、個人の選択が尊重されるということは健全なことだと考えています。

    外国籍エンジニアのチームをマネジメントする上で大切なことは?

    ーー道場様は以前日本人エンジニアが大半を占める開発現場で働いていたこともあると伺いました。その経験と比較して、外国籍エンジニアが大半を占める開発現場ならではの大変さはありますか?

    道場氏外国籍だから大変だということはないですね。日本人でも外国人でも変わらないくらい大変だという感じです。

    ーーコミュニケーションのトラブルが生じ、「もう外国籍エンジニアなんて雇わない」という企業もありますが、そういったトラブルが生じたことはありますか?

    道場氏:ないですね。ただ当社の場合、通常の日本企業の開発現場とは少し違うのかもしれないです。原則は「日本語でコミュニケーション」を社内ルールとしているのですが、細かいニュアンスなどがうまく伝わらない時には「英語」を使って上手にコミュニケーションを図れているためです。冗談で、

    勉強のためにもっと日本語を話したいよ

    なんてことを言う方もいるくらいですから(笑)

    ↑開発現場の様子。様々な国籍の方が英語でフランクにコミュニケーションをとりながら開発を進めている。

    ーー日本人エンジニアが大半を占める開発現場に外国籍エンジニアが常駐する場合等ではどうでしょうか?

    道場氏:日本語力がまだ上達していない外国籍エンジニアがお客様常駐で業務する際に、常駐先の日本人エンジニアとうまくコミュニケーションができず孤独感を感じてストレスだという相談を受けたことは確かにありました。

    ーー日本語力で言うと目安としてどのくらいだと大丈夫でしょうか?やはりN1レベルが必要でしょうか?(N1とは英語でいうと、英検1級レベル)

    道場氏:N1の人はほとんどいないです(笑)経験上、N3で喋るのが下手でも、話している内容が理解できてさえいれば、馴染んでいけていると思います。ただ「正しく聞けない」、「スピーキングも得意ではない」、だと厳しいですね。

    近藤氏:そのため当社では、面接の1次試験で日本語で話されている内容の正しい理解が可能かどうかと、人柄を重点的にチェックしています

    ーー人柄というとどういった面を見られるのですか?

    近藤氏:当社の開発現場は外国籍メンバーがマジョリティで、非常にフランクなコミュニケーションが図られるという特徴があるので、受け身にならず、自発的にコミュニケーションをとっていける人かどうかを見ています。

    「契約と違う!」を防ぐために

    ーー外国籍の方を雇用する上で、事前に約束していた専門以外の仕事もアサインしてしまって問題になるケースが多いです。「契約と違う!」というトラブルを防ぐために注意されているこはございますか?

    道場氏:基本的に当社はエンジニアのチームなので、どういうことをやっていただくのか、また、働く場所が変更になることがあるかもしれない、そういったことは、きっちりと事前に説明をして、「それでも問題はない」と了解をとった上で入社してもらっています。その結果あまりミスマッチは生じていませんね。

    ーー事前に職務内容を説明し、約束した内容通りの仕事をお願いしているのですね。

    道場氏:基本的にはそうです。その方が本来やりたいこと、例えば「モバイルの開発がしたい。」「Webの開発がしたい。」とか、「新しいものに取り組みたい。」とかそういった希望は聞いた上で、「100%希望に応えることは難しいけれど、出来る限り希望が叶うように努力はする。」と伝えています。もし、事前の希望と異なることをお願いするような場合にはきっちりとコミュニケーションを取ることで理解を得ています。

    ーー逆に、採用する側からして、期待を裏切られるケースはありますか?

    道場氏:ありますね。やはり面接時の期待値よりも技術レベルが低いと大変です。採用前にインタビュー、コーディングテスト、場合によってはエンジニア同士やプロジェクトマネジャーとの面談も行うなど、最善を尽くしたのちに採用するのですが、それでも開発を実際に始めてみないとわからないことが多いです。

    ーー期待値より低い技術レベルの人材を雇ってしまう場合の共通点等はありますか?

    道場氏:一つ考えられるのは、「日本語が達者な人は技術も優れているのでは?という先入観が働いてしまうことです。例えば、*オフショア開発で、日本企業とベトナムの開発現場をつなぐ*ブリッジ人材の仕事をされてきた方などは、非常に日本語も上手でITの事も理解しています。こういった方の中には、実際にコーディングするとなると、想定よりもキャッチアップできないという方もいました。

    ※オフショア開発:日本企業が人件費が安く済むベトナムの開発会社にWeb開発を委託することが一時期流行っていた。

    ※ブリッジ人材:技術用語を理解し、日本企業と海外IT会社の間をとりもつ通訳人材のこと。

    ーーその場合は社内教育などでカバーされるのですか?

    道場氏:これはジレンマなのですが7,8割はOJTになっています。受託開発はその時やっている案件が忙しければ忙しいほど、社内教育の時間が少なくなります。逆に会社で新しい事を教える時間があるということは、事業としてうまくいっておらず、給与の還元もできないということなので如何ともしがたいところなんです。

    ーーなるほど。。。

    道場氏:ただ、外国籍エンジニアの多くは新しいスキルの活用や新しいチャレンジに対し非常に積極的です。日本人はどちらかというと、既に持っている知識や経験を生かして仕事をし、自分の最大のパフォーマンスを発揮したいと考えるため、スキルに自信がない状態に不安を感じやすい傾向にあるのですが、一方で海外の方は新しいことや、経験不足なことにむしろチャレンジしなければ、働いても成長につながらない!と考えるため、自分で調べながら主体的に開発を進めてくれることが多いです。

    ーー開発案件があまりスキルアップに繋がらない場合には、モチベーションの管理が難しいということでしょうか?

    道場氏:個々の希望に完璧に添えることはありえないのですが、エンジニアにとってあまり魅力的ではない仕事ばかりになってしまったら、それは面白くないということで大量離職されてしまうと思います。そういう意味では、自社で請け負う案件自体を選んでいくことは非常に重要です。エンジニアの方が面白いと感じ、かつ、ビジネスとして成立する仕事を多くとっていくということが、営業職、ビジネス職の役割です。単純に数字の売り上げがいくらではない、開発の中身を見ながらビジネスを作っていかなければなりません。

    ーー新しい技術での開発が受け入れられないクライアント企業も多いのではないでしょうか?

    道場氏:確かに、歴史ある企業の場合には、エンジニアの方からすると「今更?」というような技術を使って製作してくださいという指定を受ける事もあるのですが、なるべく新技術を利用した開発の方向に持って行くようにしています。そうした方がエンジニアもハッピーですし、クライアント企業にとってもメンテナンス費用や開発期間に関してメリットがあるからです。ただ新しい技術なので、途中試行錯誤が入り、開発期間にブレが生じる可能性については期待値の調整が必要となります。それが受託開発企業のビジネス職の役割として非常に重要な点だと思います。

    外国籍エンジニアの強みと弱み

    ↑新しいスキルを積極的に活用しようとするのが外国籍エンジニアの特徴。

    ーーその他、外国籍エンジニアならではの特徴はなんでしょうか?

    道場氏:一番はとにかくトラブルシューティングが早いことですね。日本に来ている外国籍の方のほとんどの方は英語ができます。新しい技術でエラーが発生した際に、日本語でググってもなかなか出てこない情報に、彼らは英語でパッとアクセスしてすぐに対処することができます。

    ーーイメージでいうと、どのくらい早いですか?

    道場氏日本人エンジニアだけの職場だと1週間たっても解決策が出てこないところが、ものの10分で「大丈夫、大丈夫、これ治るよ。」というスピード感です。それくらい違いますね。

    ーー全く違うんですね!その他強みはありますか?

    道場氏:パッとプロトタイプを作成することです。製作物のイメージについて日本の多くの現場ではパワポ資料をいくつも作成して検討しますが、外国籍の方だと、パッとプロトタイプを作って、「こんな感じ?」と確認してきます。百聞は一見にしかずとはよくいったもので、この職場に移ってから、プロトタイプの圧倒的な有用性を実感しましたね。

    ーー逆に外国籍エンジニアにとって難しいことはなんでしょうか?

    道場氏:どうしても上流工程、特に、お客さんとコミュニケーションをとりながら要件定義していく段階については、日本語の細かいニュアンスを汲み取る必要がありますので、外国籍の方ですと、中々できる人が少ないということはあります。そこはウィークポイントです。当社のプロジェクトマネージャーにはお客さんの要望を汲み取りつつ、外国籍エンジニアの気持ちも理解して調整する能力が求められますので、そこは外国籍エンジンアを中心とする開発チームが日本でビジネスをする際に難しい点ですね。

    ーーなるほど、最後にこれから外国籍エンジニアの雇用を考えている企業向けに失敗を避けるためのワンポイントアドバイスをお願いします!

    近藤氏:外国籍だからとか、そういうのはあまり考えない方がいいんじゃないかと思います。その時点でフィルターをかけてしまうと思いますので。あくまでフラットに個人の特徴を把握して採用、マネジメントするのが大切なのではないでしょうか。

    道場氏:エンジニアであれば、その会社でやろうとしていることに共感してくれる方を採用しようとして、それがたまたま外国籍でした、という流れでの採用であれば、そんなトラブルにはならないのではないかと思います。近藤の言うように、「よし一人、外国籍入れるぞ!」と意識しすぎると、ミスマッチが逆に生じると思います。

    ーーあくまでも自然な流れで採用することが大切なんですね。

    道場氏:そうですね。また、外国籍のかたが一人だけだと、非常に孤独を感じるということもあると思います。当社がトラブルも少なく開発を進められているのは、外国籍エンジニアの仲間がたくさん在籍しており、安心感を感じられるということも要因の一つだと思います。逆に日本人が孤独を感じるくらいの職場ですから(笑)。ですから、もし日本人だけの職場に外国籍エンジニアを雇うのであれば、孤独感を感じないような工夫が必要だと思いますね。

    ーー大変勉強になります!道場様、近藤様この度は誠にありがとうございました。

    編集後記

    今回は外国籍エンジニアを中心に日本でSES事業や受託開発事業を推進するプレイネクストラボ 株式会社 の道場氏と近藤氏を取材いたしました。「本人の成長に会社が合わなくなったら、離職はしょうがないくらいの広い気持ちで採用すること。「ただビジネスになるだけではなく、エンジニアが楽しんでできるような開発案件をできる限り開拓する。」これらの考え方は私にとって、非常に斬新なものでした。本記事をご覧になっている読者様の中にも、新たな考え方を得られた!と感じる方がいらっしゃいましたら至極幸いです。

     
     

    マーケティング部

    福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。