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IT業界に学ぶ、成功するリモートワークの極意 前編

目次

COVID-19の感染拡大に伴い、リモートワーク(テレワーク)導入する企業が増えています。

今までリモートワークを推進してきた企業は、リモートワークのメリットを強調しますが、実際に導入してみると

「対面で、同じ空間で仕事しないと効率が悪いよ。」

「テキストベースのコミュニケーションじゃ、チームワークが失われてしまう。」

「自宅では作業が捗らない。寂しいし、頭が回らないし、一日中家にいることは苦痛だったんだな。」

「社員がサボっているのか、頑張っているのかわからないから評価のしようがないよ。」

など、様々な課題が聞こえてきます。

IT業界では新型コロナウイルスが蔓延する前から、リモートワークに取り組み、多くの知見とノウハウの蓄積があります。シリーズ『IT業界に学ぶ、成功するリモートワークの極意』では、考えられるトラブルや効率の低下に焦点を絞り、それに対する具体的な対策を提示することでリモートワークを成功させる極意をご紹介します。

前編である本記事では、リモートワークに最適化しやすい仕事について触れた上で、個人の資質としてリモートワークで能力が発揮しやすい人に焦点を当てます。

後編では、リモートワークでも社員に不満を持たせずに能力を最大限発揮できる報酬の支払い方と人事評価の方法、リモートワークで最大限チームワークを発揮できるようになるためのノウハウを紹介します。

ぜひ、ご一読ください。

1. リモートワークに向いている仕事、向いていない仕事

そもそも、リモートワークが向いている仕事とは何でしょうか?

この問いに対する答えを考えるために、プログラマの間では、なぜリモートワークが一般的な働き方になったのかを考えてみましょう。

素朴に考えれば、

「プログラミングによる成果物はオンラインの共有に向いているから。」

ですが、それだけを理由にすると事務職のリモートワークが普及しないことが説明できません。

では、プログラミングとは、どういう作業で、どういう特性がある作業なのでしょうか?

プログラミングの作業は、

「要件やゴールを理解し、仕様に落とし込む」

「仕様をチームで共有する」

「技術書やネットで情報を調べながら実装する」

「できていることとできていないことを切り分けて、デバッグする」

「一通り実装できたら、本番環境に近い環境を作って動かしてみる」

「不具合を特定する」

など、細かく内容を理解し、言葉にする場面が何度も登場します。そして、その内容理解はソースコード、日本語、英語などの文字で表現できるものが多く、優秀な人同士では、対面よりもテキストでのコミュニケーションを好みます。テキストの方が厳密で、解釈違いを起こさないためです。もし、言語化できなければ、そこは理解が甘いとわかるので、プログラマは積極的に自分のやっていることを言語化し、他人に共有します。

未知の課題に対して解決策を提示し、自分の力で解法を考え、ソースコードに落とし込むという作業は、集中して一気に仕上げる必要があります。そのため、オフィスでの作業は途中で他人から声を掛けられて中断させられたり、電話のベルが鳴って意識がそっちに向いてしまったりなど、プログラミングに集中できない環境にあります。リモートワークなら、自宅、シェアオフィス、喫茶店など自分が一番集中できる場所、集中できる時間帯を自ら選ぶことができるため、自分の生産性を上げることができます。

以上のことから、

リモートワークに向いている仕事とは、

「成果物や進捗報告をオンラインで共有できる」

「集中して一気に仕上げる必要がある

「何をすべきかをテキストで表現でき、かつ、テキストでの表現の方が対面よりも効率がいい」

「一人一人が深いところまで理解し、形にする必要がある」

「属人的な作業工程が少なく、整合性のあるシステムを作ることを良しとする」

と推察できます。

 

逆に向いていない仕事とは、

「オフラインで物を運んだり、作ったりしなければならない」

「属人的な仕事の流れや、その場限りのルール、補填が多い」

「暗黙知が多く、言語化しにくい」

「やっている内容をテキストにしづらい」

「微妙なニュアンスを伝えたり、相手の感情を鼓舞する必要がある」

「複雑な人間関係の調整が必要」

などだと考えらえるでしょう。

先程上げた事務職の場合、社内の権限、暗黙知、業務フローなどが属人的でググっても最適解を調べることが難しいという理由でこれまでリモートワークが進んでこなかったのだと考えられます。キレイなデータと簡潔明瞭な業務フローなら、マニュアルに沿って作業すればいいですが、そうした作業は既に自動化されていることが多く、例外や属人的な判断が多いものをコンピュータではなく、人間が担当することが多くなっています。

そのため、

「この判子をもらうのに、部長の判断が必要だけど、部長は今の時間帯はミーティングだから」

「この話は係長に通しておかないと、プライドを傷付けられて難癖をつけられるぞ」

「業務フローが曖昧で、全体のことを把握してる人が限られてるし、その人に聞こうにも忙しくしててなかなか聞きづらい」

「言語化できないものを映像にする仕事をしているため、対面でのイメージや声のトーンがわからないと、上手く形にできない」

という声の多くは、パソコンで作業をしていないからオンライン化できないのではなく、今までの密林のような人間関係や業務フローのせいで、オフラインの社内調整や情報収集が不可欠になってしまっているからだと言えます。

2. リモートワークに向いている人とは

個人の資質としてリモートワークに向いている人と向いてない人がいます。その資質も既に固定化されたものではなく、努力次第でなんとかできることが多くあります。

ここからは、

「オフィスワークよりも高度なコミュニケーション能力が必要というけど、何に気を使えばいいの?」

「自己管理ができないとリモートワークができないと聞くけど、どうすればいいの?」

「やっぱり人と会えないのは不安。自分が何をやっているのか見失いそう。」

という疑問や不安に対して、具体的にどんな、資質を鍛えれば良いのか対策をお答えします。

1. テキストでのコミュニケーションが得意

言葉で自分の考えをまとめることや、テキストでのコミュニケーションが苦にならない人はリモートワークに向いています。自分の考えを瞬時に要約して、どうやって表現すれば相手に通じるか、相手の判断すべき論点を把握し、その論点に対して判断を下すための判断材料を適切に提示できると、リモートであっても非常に円滑に作業を進めることができます。

自分が何を理解して、何を理解していないのか。自分が何に不満を持ち、何に満足しているのか。そういったことを自覚しているため、社内の問題点を整理し、適切にマネジメントや、プロジェクトのスケールができます。

テキストでのコミュニケーションに苦手意識を持っている人は、わかりやすいなと思う人が何を書いているのかを参考にしてみましょう。例えば、何か問題が発生して上長に判断を仰ぎたいときは

1.最初に論点

2.それに対する選択肢とその理由

3.選択肢に対する自分の判断

4.迷っていることやわかっていないことについて補足

などの順番にすると、相手とのコミュニケーションが上手くいきます。テキストにまとめずに対面でのコミュニケーションに慣れている人ですと、いきなり4.から話し始めてしまう人がいます。確かに、今現在の懸念事項が最初に来て、それを解きほぐすために相手に話していくというのが対面では合理的なことが多いです。いきなり論点を要約されては、目の前の部下が本当に状況を把握しているのか、その判断や解釈が正しいのかを検証する必要があるため、端的に話さずに相手が困っているところから話し始めてくれる方が仕事を教えやすいと思う上司もいるかと思います。ですが、リモートワークでは、常日頃から要約して、自分の解釈の正しさに自信があるところと、自信がないところを自覚した上で、そこを論点として文章を書く癖をつける必要があります。

4.から始めるコミュニケーションは、話しながら根掘り葉掘り会話ができるからこそ合理的なコミュニケーションがとれるのであって、非同期コミュニケーションがメインで、通話してても相手の表情が読み取りづらくなるリモートワークでは悪手です。

「何に対して、ケリをつけることを目的としたメッセージなのか?

というのを明確にして、そこから内容を派生させる文章を書く癖を身に着けましょう。

2. 進捗報告をマメにする

相手との顔が見えないため、進捗報告が非常に重要になります。納期までに本当に間に合うのか、相手の仕事のスタイルはどうなのかを判断するための材料になります。リモートワークで上手くいっているIT企業は、

「毎日日報を書く」

「Slackのtimes文化が根付いているため、リアルタイムで他の人が何をやっているのか把握しやすい」

「細かくIssueを切って、何をやっているのか他人から見えるようにする」

などを徹底しているところが多いです。

細かいアウトプットで他の人から何をやっているのかを常に把握できるようにしましょう。

3. 自分の理解や能力の範囲を正確に把握している

リモートワークでは、周りの人から

「これ、できてるんだろうな?」

「俺はここまでやったけど、お前のところはどう?」

と言った仕事の話を振られることが非常に少なくなります。

それまでは他人との何気ない会話の中で、

「自分は今、こんな仕事をしているんだ」

「係長は、俺にこんな期待を掛けて、この仕事を任せてくれているんだ」

などを自覚することができますが、リモートワークでは、自分の仕事の理解度や意義を自分でチェックしなければなりません。

例えて言えば、オフィスワーカーは毎日小テストを受けて理解度チェックや進捗チェックを受けている予備校生であり、リモートワーカーは自分で自分の理解度や進捗やモチベーションを管理しなければならない宅浪生です。

自分で自分を律し、できることとできないことを正確に見極める力がなければ、リモートワークで自滅していまうでしょう。

これに対して苦手意識を持っている人の処方箋としては、今現在、自分が何をやっているのかを実況中継するということが挙げられます。自分のメモ帳でもいいですし、自分の作業を理解できる同僚や上司がいれば、timesの中で投稿するのもいいしょう。他人の目を気にして文章にすることで、理解が曖昧なところを炙り出すことができます。

4. 虚栄や過度な謙遜をしない

リモートワーカーの仕事を一番厳しくチェックするのは自分自身です。自分がどこまでやって、どこからできていないのかを正確に理解し、報告する必要があります。対面でのコミュニケーションなら、鷹揚に構えていても、不意に上司に詰められても当意即妙な返しができると

「お、こいつはできるやつだな」

と思わせることができるかもしれませんが、リモートワークではそういったごまかしを発揮する機会はぐっと減りますし、また、そうした機会を残すべきではありません。より正確に言えば、虚栄や過度な謙遜で他者からのふわふわとしたイメージで仕事を評価されるような社内環境を、リモートワークが主流になったあとも続けるべきではありません。

これに対する対処法は、社内コミュニケーションの多くをログが残るようにして、曖昧なところを減らすことで、雰囲気で評価を上げ下げする要因を減らとよいでしょう。細かくアウトプットが出るようにして、そのタイムスタンプを見ればどれくらい貢献しているのかを見えるようにします。雰囲気ではなく、成果物ベースで人事評価を行えるようにしましょう。

5. やる気アピールで誤魔化さない

虚栄をしないとも被る部分がありますが、能力が低い分をやる気アピールでカバーするのを止めたほうがいいです。結果を出せないのは何故かをロジカルに考えて、自分と向き合った結果をテキストで共有し、同僚と議論すべきところで、漠然としたやる気アピールで誤魔化すのを止めましょう。もちろん、体育会系のノリで最後まで仕事を仕上げることは重要ですが、できるできないの境界を曖昧にしたまま走り続けるのは地獄の始まりです。

「熱量さえあれば誰かが道を示してくれる」

というのはリモートワークでは甘えです。自分の道が正しいということを、自分の言葉で表現できるようになりましょう。自分のやっていることに対して自覚を持てば、自分で自分の道を見つけ出して、選択することができます。

6. 運動する習慣がある

運動の習慣がある人はリモートワーカーとして強いです。通勤がなくなると、運動する必然性がなくなるので、そのまま体力が低下したり、メンタルが弱まったり、モチベーションが低下したりします。そのような状態では頭が回らず、負のスパイラルに突入します。意識して運動する習慣を取り入れましょう。

7. 換気をする習慣がある

運動の他に盲点になりやすいのが、作業部屋の換気です。喫茶店やシェアオフィスなら他の人が定期的に換気を行ってくれるところもあるかと思いますが、自宅で作業していると忘れてしまいがちです。

部屋の中の空気が淀んでくると頭が痛くなったり、頭が回らなくなったりしてくるので、そういう自覚症状が出てきたら換気をしてみましょう。自分の生産性の低下に対して、いくつかの仮説を頭の中に描いて、調子が悪くなったら試してみるルーティンを決めておくよいです。

8. 作業環境の最適化

リモートワークでは、自分の作業を邪魔されることが減るので、長時間同じ姿勢になりやすく身体の無駄なところに力が入ったり、眼疲労や腱鞘炎に悩まされたりする人が多くなります。

「USBハブのあるモニター台を作業環境の中心に用意して、必要なデバイスの充電を忘れないようにする」

というような、ライフハックは比較的共有されていますが、

「キーボードをHHKBにする」

「イスをアーロンチェアにする」

「キーボードの前にパームレストを置く」

などの、体力でカバーできてしまう作業場所の快適化は忘れがちです。自分の身体を気遣うための作業環境の構築を意識してみましょう。

9. マッサージやストレッチをする習慣がある

作業環境の最適化や運動習慣の話にも通じますが、定期的に自分の身体をマッサージしたり、ストレッチする習慣のある人は長時間の作業に強いです。作業時間や集中力は加齢や運動不足の影響を受けやすいので、整骨院に通ったり、ストレッチの方法を学んだりして、自己管理をできるようにしましょう。休息も大事な自己投資です。新しい能力を取得することだけが自己研鑽ではありません。

3. まとめ

リモートワークは新型コロナウイルスの影響で今後も普及すると考えられる働き方です。

リモートワークを成功させるためには、属人的な作業を減らし、テキストベースでコミュニケーションがとれて、自己管理ができる人材が望まれます。雰囲気や気持ちで作業するのではなく、日々の細かいアウトプットで評価される人材になることで、来るリモートワーク時代を乗り切ることができます。

また、運動、マッサージ、換気など、個人で作業していると盲点になってしまうことも積極的に取り組んでみましょう。不調の原因は作業環境に見つけることができるかもしれません。

前編では個人の資質に焦点を当てましたが、後編では職場の人評価、人間関係、チームワークをに焦点を当てて行きます。

 
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マーケティング部

福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。現在はマーケティングを担当。