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    • 関根謙志郎

    IT業界に学ぶ成功するリモートワークの極意 後編

    目次

    前編では、

    そもそも、リモートワークに向いている仕事は何か?

    リモートワークに向けて個人が心掛けることは何か?

    について取り上げました。

    後編にあたる本記事では、人事評価、給与計算、チームワークについて焦点を当てて行きます。

    人事評価の方法

    リモートワークでよく議論になるのが、

    「オフィスに来ていないのに、どうやって評価すれば良いのか」

    というものです。結論から言うと、

    「最低限の時給を保証した上で、出来高払い。」

    がもっとも行っているようです。

    「オフィスに来ていないから働きぶりがわからない。サボってるかもしれないのに、時給を払うのか」

    という人もいるかもしれませんが、オフィスに来ていてもサボったり、ボーッとしたりする人はいますし、拘束時間で給料を発生させるとダラダラと生産性の低い仕事をし続けるインセンティブにもなります。支払った時給が無駄になるというリスクはオフィスワークでも、リモートワークでも同じです。

    最低限の時給を設定することで、

    「いいアイデアが浮かんだけど、それを実装しようしてできなかったら、給料が支払われないから止めておこう」

    ということを防ぐことができます。ただでさえ、リモートワークでは相手の顔色や、どのくらい忙しいのか、どの程度期待されているのかなど、人間的な交流が見えにくくなっています。藪蛇にならないように、余計なことをしないようにしようという心理が働きやすい環境です。そのために、リスクの報告を差し控えたり、短期的に無難な行動が多くなれば、後々技術的負債として残る可能性があります。

    出来高払いが効果的な理由は、シンプルによい仕事を推奨するためです。時給だけで計算すれば、せっかくの、

    「自分の好きな環境で作業ができるから、集中して仕事を完成させよう」

    というインセンティブが失われてしまいます。

    最低限の安心感と信頼されているという実感を持ちながら、チャレンジングなことをしたり、ネガティブな報告でも臆さず行える素地を作るには時給と出来高の両輪が最良の選択です。

    チームワーク

    「リモートワークではチームプレーができない」

    と思ってる方に、どうすればリモートワークでもチームワークができるのか、そのノウハウをご紹介します。視点は、

    「もし、自分がリモートワーカーになったら、どんなときに不満を持つか?」

    です。オフィスでの働き方を当たり前だと思わずに、リモートワーカーの立場になって考えてみましょう。

    ①決定事項や議論はテキストベースにして、社内ドキュメントを整備する

    決まったことを誰でも閲覧できるようにして、業務フローの風通しを良くすることがリモートワークを成功させる秘訣です。曖昧な暗黙知や、業務フローを排するために、テキストベースの社内ドキュメントを整備し、後から来た人でも今まで何をやっていたのかをすぐに把握できるようにしましょう。

    仕様書やデバッグ履歴をExcelでまとめているところがありますが、これは悪手です。というのも、Excelファイルは検索性が低く、ファイルが重くなりやすく、セルごとに短い言葉でまとめるため、いい加減な記述が増えがちだからです。WindowsとMacの互換性はあってないようなものなので、別々のOSで編集した結果、ファイルが壊れるということもあり得ます。

    何を記述するのかを明確にした社内Wikiなどを作成し、疑問に思ったらすぐに調べてみようと思えるような社内ドキュメントを整備しましょう。調べるのも、書くのも手間だと思わず、何か困ったことがあったら一次資料に当たろうと思えるのがよい社内ドキュメントです。粒度を細かくしたり、参考資料のURLをかんたんに追加できるようなものにするとよいでしょう。個人の書き手に任せずに、ガイドラインを決め、具体例を見える位置に置いておくだけで資料としての利便性が向上します。

    ②オフィスにいる人とリモートの人で情報や権限に格差をつけない

    「オフィスにいる人が大半で、ごく一部の人だけリモートワークにしたら上手くいかなくなった。優秀なエンジニアだと思ったからリモートワークにしたのに、やっぱりオフィスワークが一番だな」

    という声を聞きます。そこで、

    「リモートワークだから上手くいかないんだ」

    と判断するのは早計です。オフィスでは人的交流が多いため、そこで決まったことで今後の流れが決まりがちです。仮に、

    「リモートワークだから上手くいかないのではなく、リモートワーカーの割合が少ないから上手く行かないんだ」

    と考えてみましょう。リモートワーカーからすれば

    「こっちがやりたいことを頑張ってドキュメントにしても誰も読んでくれない」

    「頑張って企画書を書いても、結局はオフィスにいる人達の声が大きいから無駄になる」

    「権限持ってる人の根回しに時間を割いてるパワポ職人の案ばかり通る」

    「建前上はリモートワーカーも大事な社員だって言ってるけど、仕事の振り方を見てると外注先の一つぐらいにしか思っていないんだろうな。最近、この会社に対する帰属意識や当事者意識が薄れていくのを感じる」

    という状況は良くありません。建前上は誰もが議論に参加して、誰でも業務改善やプロジェクト案を出せることになっていても、情報や影響力に格差ができると優秀なエンジニアほど不満を感じます。

    ここでの解決策はシンプルです。あくまで、社内の議論の中心をリモートワーカーと同じにして、パワポなどのポンチ絵ではなく、テキストベースで議論や企画立案を行えばいいのです。つまり、対面での雰囲気重視の意思決定から、理解度やアイデアの鋭さで、ロジカルに意思決定する社風にすれば解決します。

    ③リモートワークに入る前にコミュニケーションの機会を作り、社内の人間の雰囲気を掴む

    「社内の情報格差をなくそう」

    「システマチックに手間を減らして、属人的な仕事を減らそう」

    と号令を掛けても上手く行かないのが仕事というものです。ややこしくて、無駄な業務を減らしていくと

    「なぜ、俺はこんなに頑張ってるんだっけ?」

    と疑問に思う人も出てきます。その疑問は個人が考えることなので、本記事で答えを出すことはしません。ここでは、そのような疑問を考えてしまう人間の心理と環境に焦点を当ててみましょう。

    オフィスワークでは

    「あの人の面子を潰さないように根回しをしよう」

    「ライバルに先を越されないように頑張らないと」

    「隣の人が頑張ってるのに自分だけすぐに作業を中断するわけにはいかない」

    「この前、上司に噛み付いてしまったから結果を出して説得力を持たせないと」

    と常に上司や同僚などの隣人の存在を意識して行動しています。承認欲求、闘争心、帰属意識などの欲望や感情を喚起する刺激に溢れているため、その刺激に反応し続けることで、

    「なぜ、俺はこんなに頑張ってるんだっけ?」

    という考えが浮かんでくる時間を減らせます。

    一方、リモートワークではそのような外的刺激が減少するため、ふと、自分を見失ってしまう可能性があります。

    この解決策もシンプルで、人との交流が少なくて自分を見失ってしまっているなら、同僚や上司と話せば良いのです。15分でも同僚と話す時間を設けると、やる気は湧いてくるものです。なぜなら、人間は感情の生き物だからです。

    オフィスワークは集中力が散漫になりやすい一方で、リモートワークでは同僚との交流が過小なために、モチベーションの維持が難しくなります。半ば強制的に話す機会などを設ければ、そうしたモチベーションの低下を防ぐことができるでしょう。

    ④オンライン飲み会を開く

    新型コロナウイルスが流行ってからは、自宅でお酒を飲みながら他の人と通話する「オンライン飲み会」が市民権を得つつあります。孤独感を感じたときに開催してみるといいでしょう。飲み会の嫌な部分(高い出費、終電、時間の拘束など)に囚われずに、楽しく他人と交流できます。オンライン飲み会中は動画を見たり、ゲームをする片手間でもできますし、ゆったりした心理状態で他人と会話することで素の相手を知ることもできます。

    自分の時間を確保しつつ、面白い話題や人とだけ話すことができるオンライン飲み会は今後も増えていくと思われます。オンライン飲み会が普及すれば、

    「家事をしながら同僚と他愛のない会話をする」

    「同じ映画を同じタイミングで流しながら意見を言い合える」

    「趣味が合う人と小規模なオンライン飲み会を開けるようになり、特定の誰かと話したいのに他の人と話さないといけないというのが減る」

    など、人によってはよりストレスフリーな文化となっていくでしょう。

    ⑤社内で趣味の交流ができるようにする

    Nintendo Switchのゲームソフト『あつまれ どうぶつの森』が発売されるやいなや記録的なヒットを飛ばし、本記事執筆時点で品薄状態が続いています。その理由の一つに新型コロナウイルスによる巣篭もり需要があります。遠くにいる友達と通話しながら、『どうぶつの森』をプレイすることで、外出自粛によって失われた他人との交流を補填しているのです。

    外出して人と交流できないと、人は寂しさを感じます。普段リモートワークをしていない人からすれば

    「寂しさなんて、一部の軟弱な人だけが感じるものだ」

    「寂しさなんて、放っておいたら消えるものだ」

    と思うかもしれませんが、熟練のリモートワーカーは「寂しさ」が如何に厄介であるかをよく理解しています。もちろん、もともと孤独耐性が高くて寂しさを感じない人もいますが、そういう人は極々一部です。多くの人は人と話さないことによって寂しさを感じ、それによって徐々に頭が回らず、モチベーションが低下していきます。そうならないためにも、オンラインで趣味の交流ができるようにしましょう。

    Slackで趣味のチャンネルを作り、そこで『どうぶつの森』や『モンスターハンター』など、オンライン通信ができるゲームでメンバーを募ってもいいですし、自分のtimesで好きなことについて話していれば、興味を持った人が書き込みをしてくれるという環境を作るのもいいでしょう。そうした精神的なつながりがリモートワークでも愛社精神を育て

    「この人たちがいるから、会社のために頑張ろう」

    という気にさせてくれます。仕事上では直接業務連絡をするような間柄ではないものの、社内の趣味のつながりで他の社員の仲良くなるということが増えていけば、新しいプロジェクトのアイデアが生まれやすくなります。

    「別の部署の人と一狩り行ってるときに、最近独学してる技術の話になったんだけど、やろうとしてることが同じっぽいから、一緒にペアプロし始めたんだ」

    という、今の業務とは関係ないところからプロジェクトが発足することもあります。仕事と趣味の境界が曖昧になることで、自由に発想できるようになりますし、お金をもらわなくても勝手に進めてしまうようなモチベーションの高さから、クオリティの高いものや新規性のあるものが生まれやすくなります。

    「あの人は趣味の話ばかりしているから、仕事をしていない」

    と考えるのではなく、仕事を一生懸命に取り組むために、趣味も手を抜かないと考えてみましょう。それによって自由な発想の芽を摘んだり、寂しさから作業効率が落ちたりするのを防ぐことができます。

    ⑥Slackの有効活用

    リモートワークを成功させるためにはオンラインでのコミュニケーションを円滑にするのが必要不可欠です。オフィスなら働いているところを確認できますが、リモートワークだと部下や同僚が働いているのか、進捗が出ているのか、と不安に思う人が多くなります。だからといって

    「Slackがactiveになっているから働いている」

    「Slackをすぐに返してくれるから働いている」

    と考えるのはすぐに止めるべきです。

    集中して作業しなければならない場面では、Slackの通知や電話の通知なども切るべきです。せっかくリモートワークで自分が集中できる環境にいるのに、何かあったらすぐ反応できるようにしようと思っていると、そのせいで自分のワーキングメモリを使ってしまいますし、集中しないことの言い訳にもなってしまいます。

    そうなれば、Slackを開いているだけで仕事をしているような気になって、惰性で生産性の低いことをし続けてしまうというオフィスワークの悪癖が続いてしまいます。そのため、

    「すぐにSlackを返す人を有能扱いしない」

    という社内の空気を作ることが重要です。Slackをすぐに返してくれる人は最低限仕事をしてくれるのはわかりますし、安心感を与えてくれますが、それと長期的な生産性とは別の話です。社内全体の生産性を上げるために、各自が集中力を維持できる社風を作るべきです。

    しかし、すぐに返してほしいメッセージに1週間後に返されたりしては、仕事が進まないのも事実です。個人の心象以上の実害が出ます。だとすれば、社内全体のルールとして、返信の手間を減らす施策を打つべきです。

    たとえば、返信が遅くなる理由に

    「分量が難しくて最後まで読めていない」

    「内容は理解できたが判断に時間がかかる」

    「他の作業で手一杯で対応する余力がない」

    「デザインや文体など、特定の精神状態に持っていかないとアウトプットができない」

    「そもそも、メッセージを見落としている」

    など、既読無視、未読無視には複数のケースがあります。

    それぞれの状況に応じて、社内でスタンプやアクションを決めておくとスムーズにコミュニケーションが取れます。Slackには、カスタム絵文字と言われる機能が備わっているので、自分の好きな画像を読み込んでスタンプにすることができます。ある会社では

    「身内ノリの強い、ややふざけたスタンプ」

    「フォーマルな業務連絡で使えるスタンプ」

    「最後まで読んだけど、判断に迷ってるスタンプ」

    「今は他のことで手一杯だから三日後にリマインドしてほしいことを伝えるスタンプ」

    など、よくあるシーンに対してスタンプを用意することで、

    「ちょっと返信が遅くてイライラしてしまったけど、そういう状況ならしょうがないね」

    「文面を考えていたら、今頭の中にある実装を忘れてしまいそうだ。でも、そっけない返信をしたら後々面倒だし、さくっと状況を理解してもらうためにスタンプにしよう」

    と返信に対して前向きに、面倒ではないものとして捉えることができるようになります。これによって、今現在やっている作業を邪魔したり、物事の優先順位を無理にずらしたりせずに業務を続行できます。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?

    今回はリモートワークのノウハウが蓄積されているIT企業の成功施策についてご紹介しました。

    業界・業種によってはそのまま利用することが難しいかもしれませんが、部分的にでも、試してみてはいかがでしょうか。

     
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    マーケティング部

    福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。現在はマーケティングを担当。

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