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    • 田仲 順貴

    農業業界は特定技能1号をどう活用すればいい?

    目次

    「結局のところ、農業分野で特定技能外国人を雇用するにはどうしたらいいの?」

    そんな疑問にお答えするため、本記事では農業分野で特定技能外国人を雇用するため、本記事では背景情報から丁寧に解説していきます!

     本記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。

    1. 特定技能1号が成立した背景とは?

    それは、ひとえに農業業界が人手不足であることが原因と考えられます。

    農業分野では、有効求人倍率が他産業と比較してかなりの高水準で推移しており、さらに本年は新型コロナウイルスの影響で、日本産食品の需要が高まり、農業業界の人材の確保がますます重要事項になってきました。農業就業人口は平成22年に約260万人いましたが平成31年には約168万人と、約10年間で約100万人減少しています。令和になった現在も就業人数は減少の一途をたどっています。そんな中、外国人の雇用が重要視されてきているのです。

    1.1.有効求人倍率は?

    前述した通り、農業の生産現場では労働力不足が深刻化しているので農耕作業員の有効求人倍率は比較的高くなっています。2016年の数字で1.63倍となっています。

    出典:日本農業新聞

    1.2. 人手不足の要因は?

    大きく2つ、①人口減少に伴う少子高齢化による若手就業者の減少 ②経営規模の拡大 です。

    ①人口減少に伴う少子高齢化による若手就業者の減少

    日本全体の生産年齢人口は1955年の8716万人をピークに減少していき本年(2020年)は7341万人に2060年には4418万人まで落ち込むと予想されています。

    さらに、若者には農業に従事したくない理由があります。

    それは収入の不安定さです。現在の日本の若者は昔と比べて安定した仕事を求める傾向にあり農業のように天候や相場で価格が変動する仕事は敬遠されがちなのです。

    ②経営規模の拡大

    人手が足りず後継者が現れない農家は農地を廃棄するしかないので他の農家に農地を引き渡すことで更地にすることを防いでいます。経営規模を拡大し、アメリカのように農業の生産性を高めようとするムーブメントも一部で生じており、ますます人手が必要となっております。

    2. 特定技能1号外国人は農業のどんな業務に従事できるの?

    以上のように、ひどい需給ギャップに悩まされている農業ですが、特定技能1号外国人はその救世主になるのでしょうか? これまで外国人が正社員として就労できるのは基本的に通訳・翻訳やマーケティング、技術職などの知識労働に限られていました。しかし、この特定技能1号については単純労働が認められています。以下特定技能1号で具体的に認められる業務とそうでない業務について見ていきましょう。

    2.1. 認められる業務は?

    特定技能の分野別運用要領には、特定技能外国人は具体的に下記のように定義されています。

     
    また、特定技能では農業分野と漁業分野でのみ派遣雇用が認められています。

    2.2. できない業務・働けない場所は?

    日本人が通常従事することとなる関連業務(例:農畜産物の製造・加工、運搬、販売の作業、冬場の除雪作業等)に付随的に従事するこ とは差し支えないとされています。

    3. 外国人が農業分野の特定技能1号を取得するための要件とは?

    大きく日本語水準と技能水準を満たすことの2つが要件です。以下具体的に説明します。

    3.1 日本語レベルN4以上の試験に合格

    日本語の試験に合格すると日本語水準を満たしたことになります。具体的には、日本語能力試験JLPTのN4以上、もしくは国際交流基金日本語基礎テストに合格する必要があります。 詳細は下記の記事をご参照くださいませ。

    在留資格「特定技能」の「技能評価試験・日本語試験」とは?

    3.2 農業技能測定試験に合格

    2つ目が農業の技能測定試験に合格することです。

    農業分野における特定技能1号評価試験は、農林水産省が定めた農業技能測定試験(耕種農業全般、畜産農業全般)に合格する必要があります。

     

    よくある質問① テキストはどこで入手可能?

    下記URLより、ご確認いただけます。ご参照くださいませ。

    http://asat-nca.jp/textbook/

     

    よくある質問② 技能試験の実施日・実施場所は?

    現在、コロナウイルスの影響により五月に予定されていた試験は延期となりました。

    今後の試験の実施の日程は農業技能実習評価試験のHPよりご確認ください。

    よくある質問③ 海外試験の状況は?

    現在、海外でもコロナウイルスの影響により試験の目処が立っていない状況です。

    3.3 農業分野の2号技能実習を修了された方は無試験で特定技能1号に移行可能。

    農業分野の2号技能実習を修了された方の場合には、無試験で特定技能1号へ移行することが可能です。

    耕種農業全般の試験に合格した場合、業務区分「耕種農業全般」の特定技能1 号に移行できます。畜産農業全般の試験に合格した場合、業務区分「畜産農業全 般」の特定技能1号に移行できます。「耕種農業全般」の試験に合格した場合は畜 産農業に、「畜産農業全般」の試験に合格した場合は耕種農業に、基本的に従事す ることはできません。

    4. 農業法人が特定技能1号外国人を雇うための条件は?

    雇用できる事業者には条件があります。雇用形態は「直接雇用」と「派遣形態雇用」の2種類あり、以下の条件が定められています。

    1.直接雇用

    ・「農業特定技能協議会」に入会し、協議会に必要な協力を行うこと

    ・過去5年以内に労働者を6カ月以上雇用した経験があること

    ・農業分野で外国人材を受け入れる場合に満たすべき基準を満たすことを誓約した文書である「誓約書」を作成し、最寄りの地方出入国在留管理局で受入れの手続を行う際に他の書類とあわせて提出すること。

    以上が必要になります。

    2.派遣形態雇用

    ・過去5年以内に労働者を6カ月以上雇用した経験があること

    ・派遣先責任者講習その他これに準ずる講習を受けた者を派遣先責任者に選任していること

    ・外国人材を派遣事業者から派遣してもらう場合、派遣事業者と労働者派遣契約を結ぶこと

    ・派遣先の満たすべき基準を満たすことを誓約した文書である「派遣先事業者誓約書」をあらかじめ派遣事業者に提出すること。

    以上が必要になります。

    5. 特定技能1号外国人が農業企業で働ける期間は?

    結論からいうと、現状のところ5年間です。 ただ、技能実習1号、2号、3号と併せれば最長10年間就労が可能となります。技能実習生は就労までに半年以上かかる場合が多いので、早めの動き出しをお勧めいたします。

    6. 特定技能1号外国人を企業が受け入れるための流れは?

    受け入れにあたっての流れは、大きく下記の4パターンあります。全てにおいて共通するのは、その外国人を適正な支援をするための準備と、協議会への加入です。前者については下記の記事をご覧ください。

    登録支援機関とは?支援は内製化すべき?それとも委託すべき?

    また、後者に関しては先述の通りです。

    それでは4パターンそれぞれについて簡単に説明します。

    6.1 試験に合格した留学生

    まずは技能試験と日本語試験に合格した留学生を雇用する場合です。 この場合は、本人の内定合意を得たのち、「在留資格変更許可申請」をして、在留許可が降りたら、無事就労開始になります。 在留資格変更許可申請については下記の記事をご参照ください。

    これだけ抑えれば大丈夫!「在留資格変更・在留期間更新」の手続き

    6.2 海外試験に合格した方

    海外試験に合格された方は現地の送り出し機関を通して来日されます。 その際「在留資格認定証明書交付申請」が必要です。

    6.3 短期滞在で試験に合格された方

    令和2年4月1日からは過去に中長期在留者として在留した経験がない方であっても受験を目的として「短期滞在」の在留資格により入国し、受験することが可能となります。 こちらは一度帰国して合格発表を待ってもらい、合格後に「在留資格認定証明書交付申請」を経ての来日となります。

    「そんな面倒なことしてまで来日してくれる人いるの?」

    私も最初はそう思ったのですが、実際、このスキームを利用して人材を紹介しようとしている各国の人材会社さんから問い合わせをいただいています。 チャンスがあれば来日したいという方はいらっしゃるようです。

    6.4 2号技能実習からの切り替え

    2号技能実習からの切り替えの場合、「在留資格変更許可申請」が必要となります。 留学ビザからの切り替えと違い、既に自社で働いている方の変更となりますので、申請のタイミングさえ間違えなければ、変更申請中も引き続き働くことが可能です。 技能実習2号が許可されたのが本年ですから早くとも2年後からはこの申請が頻繁に行われるようになると考えられます。

    7. 特定技能1号外国人を雇用する場合の費用相場は?

    特定技能1号外国人を雇用するルートによって、費用相場は異なりますが、給与に関しては同職種に従事する日本人と同等以上とされています。 更に、登録支援機関に支援を委託する場合には支援委託費用が一人あたり年間50万程かかります。 採用ルートによっても費用は異なりますので、詳しくは下記の記事をご参照くださいませ。

    特定技能外国人を雇用する場合の費用ってどうなってるの?

    8. 農業企業の特定技能1号の活用法とは?

    結論からいうと、2号技能実習からの切り替えがメインの活用法になるのではないかと思います。 理由は3つあります。

    ①海外試験の運用が未整備

    ②特定技能1号と技能実習では技能実習の方が候補者のハードルが低い

    ③留学生はオフィスワークへの就職を希望する

    当社代表の杉村が特定技能の現状(2020年2月)と活用法について詳細に解説した記事が、手前味噌ですが大変参考になるかと思います。

    『特定技能在留外国人数』の法務省公表数字から見る「特定技能」の現状

    9. 特定技能1号の求人はどこに出せば良い?

    基本的に登録支援機関や現地送り出し機関へ依頼する形になるかと思いますが、SNSや媒体を利用して直接候補者と繋がるという手もあります。 例えば、特定技能外国人とFacebookで直接繋がってダイレクトメッセージを送付したり、外国人と直接繋がれる基本料無料の求人媒体を利用したりする方法があります。 予算、時間、安全性の3つの評価指数によってどうするか決まると思いますので、自社にあった募集ルートを見つけたい方は下記の記事をご参照くださいませ。

    特定技能人材の4つの募集・採用ルートとは?

    10. まとめ

    本記事では農業における特定技能1号の活用法についてご紹介しました。 コロナウイルスの影響により、当面、海外からの雇用は難しいかもしれませんが、アフターコロナを万全の体制で迎えることに、少しでもお役に立てれば幸いです。

     
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    マーケティング部

    東京都の高校卒業後、ニュージーランドの大学へ進学。在学中はフットサルサークルに所属観光学を専攻卒業後、日本での外観国籍人材の活用を通じてるダイバーシティ 化を実は現すてるとかいうビジョンに共感し新卒でリフト株式会社に入社。