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更新日:2020/09/24

目次

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外国人材を雇用している企業にとって、業務を円滑に進め、生産性を向上させるためにも外国人材の日本語力向上は必要不可欠な要素です。

また、企業での生産活動においてだけでなく、外国人材が日本社会で日々生活していく上でも、日本語力というのは有るに越したことはないスキルです。

日本で生活し、働く上では最優先事項とも思われる日本語力ですが、一方で、実際に日本語力を向上させるための明確なソリューションが確立されていないだけに、既に外国人材雇用をされている企業であっても、日本語による意思疎通が取れないことによるトラブルに日々頭を悩ましているのが実情です。

日本語教育の重要性に関しては、日本政府も認識をしており、令和元年6月に「日本語教育の推進に関する法律」(以下「日本語教育推進法とします)を施行、令和2年6月に「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果 的に推進するための基本的な方針」を策定するなどして、日本語教育に関する環境整備に努めています。

本記事では、外国人材雇用企業が押さえておくべき日本語教育推進法の内容を取り上げた後、採用戦略に大きな影響を及ぼす実際の日本語教育事情(海外メイン)について見ていきます。

日本語教育推進法に見る企業の役割

文化庁「令和元年度国内の日本語教育概要」によると、令和元年度において日本国内での日本語学習者数は277,857人となっています。また、海外における日本語学習者数は、国際交流基金「2018年度海外の日本語教育の現状」によると平成30年度において3,851,774人となっています。これは、教育機関や地方公共団体などを通して学習している人の数なので、個人的に学習をしている人も含めると、当然もっと多くの方が日本語教育の対象となってきます。

特に、平成31年に「特定技能」制度が運用が開始されたことを受け、日本国内においても海外においても日本語教育の需要は益々高まってくると考えられます(特定技能の在留資格を取得するにあたり日本語能力試験N4相当の日本語力が求められます)。

そういった日本語教育の必要性から「多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現・諸外国との交流の促進並びに友好関係の維持発展に寄与」を目的として作られたのが「日本語教育推進法」になります。

外国人材雇用企業の役割

日本語教育推進法においては、国や行政だけではなく、外国人材を雇用する企業に対しても、日本語教育の支援をすることを求めています

事業主は,日本語教育推進法に基づき,国又は地方公共団体が実施する日本語教育の推進に関する施策に協力するとともに,その雇用する外国人等及びその家族に対し,職務又は生活に必要な日本語を習得するための学習の機会の提供その他の日本語学習に関する支援に努めることが求められる。

出典:「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ 効果的に推進するための基本的な方針

法律で定められている云々に限らず、自社の外国人材の活用のためにも、日本語教育に対してはアンテナを張って、効果のあるそうな取り組みは積極的に取り入れていきましょう。

日本語教育に係る施策

では一体、日本語教育についてどのような施策が考えられているのでしょうか。

日本語教育推進法において挙げられている基本的施策は下記となります。

①国内における日本語教育の機会の拡充

a. 外国人等である幼児、児童、生徒等に対する日本語教育

b. 外国人留学生等に対する日本語教育

c. 外国人等の被用者等に対する日本語教育

d. 難民に対する日本語教育

e. 地域における日本語教育

f. 日本語教育についての国民の理解と関心の増進

②海外における日本語教育の機会の拡充

a. 海外における外国人等に対する日本語教育

b. 在留邦人の子等に対する日本語教育

③日本語教育の水準の維持向上等

④日本語教育に関する調査研究等

⑤地方公共団体の施策

出典:文化庁「日本語教育推進法 概要

今回は、外国人材を雇用している企業に関わりが深い、①-c.「外国人等の被用者等に対する日本語教育」と②-a.「海外における外国人等に対する日本語教育」について見ていきたいと思います(外国人材を直接海外から呼び寄せると考えた際、海外における日本語教育状況は採用戦略と密接に関わってきます)。

自社外国人材に対する日本語教育

外国人被用者、すなわち日本の会社に雇用されている外国人材への日本語教育についてですが、日本語教育推進法の施策例として挙げられているものをまとめると以下になります。

①企業においてコミュニケーションを取る上でのポイントの調査、学び方の検討

日本の雇用慣行や企業文化等コミュニケーション上必要になる知識の研修

専門分野における日本語学習機会の提供

外国人材が自律的に学習するための教材開発

⑤ICTを活用した遠隔教育等の先進的取り組みの支援

まだ具体的に措置が講じられているわけではありませんが、今後、色々と取り組みがされていくはずですので、企業としても協力して取り組んでいくのが望ましいです。

海外における日本語教育の機会の拡充

一見、海外にいる外国人材に関しては企業の活動とは関係ないように思えるかもしれませんが、特定技能外国人にしろ高度人材にしろ日本に働きに来る外国人材の数を増やすためには、海外現地における日本語教育機会の拡充が不可欠です。

具体的な施策としては、国際交流基金を通じた日本語教師の養成、教材の開発、日本に興味を持ってもらうための文化発信・交流のための取り組みが挙げられています。

実際に海外における取り組みで、外国人材を雇用している企業が協力できる点は少ないかもしれませんが、自社における外国人材採用を考える際に、その人材の出身国でどれくらい日本語教育が盛んなのかは把握しておくことをお薦めします。

海外における日本語教育事情

では、実際に海外での日本語教育はどうなっているのでしょうか?

日本語学習者数

前述の通り、国際交流基金2018年度調査にて確認できた日本語学習者(短期的な日本語体験学習や教育機関を通さない独学者は除く)は、3,851,774人となっています(142の国・地域)。

ここでは、国ごとの学習者数および2015年度調査と比較した増減率についてまとめました。

海外学習者数 (1)

(国際交流基金「2018年度 海外日本語教育機関調査」より作成)

中国、インドネシア など人口の多いアジアの国での学習者数はやはり多くなっていますが、ここで特筆すべきは、ベトナムの増加率です。これは、技能実習制度よる日本での就労機会の増大が影響していることは間違いなく、同じく技能実習生が増えてきているミャンマーでも学習者数対2015年比で215%の増加率を記録しています(2018年学習者数は35,600人)。

なお、技能実習生の送出国でもあるインドネシアでは増加率がマイナスとなっているのは、2013年に従来必須科目であった第二外国語が選択制になり日本語クラスの開講が取りやめになったことが理由とされています(2018年度は、2015年度調査に比べて減少幅は小さくなっています)。

日本語学習者の目的は?

次に、学習目的について同じく国際交流基金2018年度調査を見ていきましょう。

海外日本語学習意図

(国際交流基金「2018年度 海外日本語教育機関調査」より作成)

対象国・地域全体では、

1位が「マンガ・アニメ・ファッ ション等への興味」で66.0%を占めています。

2位の「日本語そのものへの興味」が61.4%、3位「歴史・文学・芸術等への関心」が52.4%となっている一方、「将来の仕事・就職」を目的で学習している方は41.1%のみです。

また、日本における留学生数、就労者数で上位を占めている中国、ベトナムを擁する東アジア、東南アジアを切り取ってみても、全体と似たような目的で学習している方が多く、「将来の仕事・就職」目的は、東アジアで32.8%東南アジアで50.3%の方しかいません。

ちなみに、東南アジアでは3位の目的に入っている「留学」に関してですが、令和元年5月1日時点の留学生数は、中国が1位で124,436人、2位ベトナムが73,389人です。続いてラオス が3位で26,308人、韓国が4位、台湾が5位となっていますが、上位5地域のうち3つを占めている東アジアでも「日本への留学」目的で日本語学習している方が37.8%しかいないのは示唆的です(「将来の仕事・就職」目的にいたっては32.8%)。

現在、日本との給与格差がまだ大きく、留学生(出稼ぎ目的も結構います)、就労者が多い東南アジアにおいても、経済発展に伴い、それらを目的で日本語を学習する割合は少なくなっていくはずです。

今現在においても既に「日本語学習者数が多い≠就労希望者を確保しやすい」ですが、今後益々日本で就労する外国人材の確保が困難になっていくことを覚悟しておいた方が良いでしょう。

海外日本語学習者の日本語レベル

続いて、海外の日本語学習者のレベルがどれくらいなのか、海外における「日本語能力試験」の受験者数から国ごとの特徴を見ていきます。

日本語能力試験

(日本語能力試験HP「過去の試験のデータ」より作成)

日本語能力試験は、2018年には日本国内および海外85の国・地域で実施されており、国内外で100万人以上の受験者数がいる、現時点で日本語能力を測る最もポピュラーな試験になります。

レベルはN1からN5まであり、N1が最も難易度の高い試験となります。「技術・人文知識・国際業務」と言われる在留資格ではN2以上の日本語力を要求されることが多く、在留資格「特定技能」においてはN4相当の日本語力が必須となります。

在留資格「特定技能」の創設に伴って、より実際のコミュニケーション力を測ることできる「日本語基礎テスト」という試験が作られましたが、現時点では、日本語能力試験を基準にしている企業が多いと思いますので、こちらのデータで各国の日本語学習者のレベルを確認していきます。

受験者数が圧倒的に多い中国をはじめとした東アジアでは、N1、N2といった高度なレベルを受験しており、技能実習制度や特定技能制度の活用が見込まれるミャンマーやインドネシア など東南アジアにおいてはN4相当の受験者が多いくなっています。技能実習生も留学生も共に多いベトナムはN2~N4が比較的均等に受験されていることが確認できます。その他、学習者数の多いはずのインドネシアの受験者数が少ない点は気になるところです。

「日本に在留する目的」、「日本語を学習する目的」でそれぞれレベル感に差が出てくることが分かるデータですので、興味のある方は、日本語能力試験HP「過去の試験のデータ」ページをご参照ください。

まとめ~外国人材雇用企業が意識すべきポイント~

色々と取り上げて論点がぶれてしまいましたが、外国人材を雇用しているor雇用することを検討している企業の担当者様に意識していただきたいのは下記3つのポイントです。

①自社で雇用している外国人材の日本語力向上に積極的に関与していく

多文化共生社会の実現に向けて日本政府も日本語教育推進法を制定するなど日本語教育の充実に力を入れています。外国人材雇用企業にも協力が求められていますし、何より自社において外国人材に組織の一員として活躍してもらうためにも企業文化や専門知識まで含めた教育は必要不可欠です。

②どれくらいの日本語力の人材が必要かを明確にしておく

自社の業務に必要なのは、N2レベルなのかN4レベルなのか。入社当初はN4レベルで十分なのであれば、N2レベルの人材に絞って採用活動をするよりも難易度は圧倒的に下がりますので、無理して高いレベルの人材を採用する必要はありません。一方、業務内容や社内体制を考えて最初からN2レベルが必要なのに妥協をしてN3レベルを採用してしまうと組織の生産性が低下し、企業にとっても人材にとっても不幸な結果になってしまいます。まず第一に「業務内容、社内の支援体制を考慮した上で、自社で受け入れることのできる日本語力のレベル」を設定しましょう。あとは、それぞれの国において、どのレベルの学習者が多いかを調べて、アプローチしていくだけです。

③今後の外国人材確保のために、各国における日本語教育事情を把握しておく

採用戦略において、海外から外国人材を呼び寄せることを考えた際に、その国における日本語教育の状況は押さえておきたい要素の一つです。「どれくらい日本語学習者がいて、その内どれくらいが日本での就労を希望しているのか、どれくらいのレベルの層が多いのか」etc.

当然、就労を希望している学習者が多い国ほど、日本語力の高い人材の採用はしやすくなります。学習者数の推移を考慮しながら将来的な採用計画を立てていきましょう。そもそも、前述のように「日本での就職」を目的とした学習者は全体としては決して多くはない現状があり、今後、東南アジア諸国においても減少していくことが予想されます。日本での就職を希望していない日本語学習者に自社で働くことに興味を持ってもらえるようアピールしていくという視点も必要かと思われます。

とはいえ、学習者数や目的、レベルについては外的要因も多くコントロールするのが難しいというのも事実です。

では、どうすれば良いのでしょうか?

答えは、①の「日本語力向上に関与できる社内体制」を確立することにあります。

日本での就労を希望する外国人材が減り、就労目的の日本語学習者母数も少なくなると、高い日本語力を持った人材を獲得するのは、より困難になります。そんな時、もし社内の日本語教育体制が整っていれば、少し日本語力の低い人材でも雇用可能となり、採用の間口が広がります。また、日本語も含めた教育体制の充実度をアピールしていけば、元々日本の雇用環境が原因で日本での就労を忌避していた人材が興味を持ってくる可能性も出てきます。

ここまで主に海外での事情を見てきましたが、日本国内にいる外国人材の雇用を考えた場合でも、「日本語教育体制の確立」は、もちろん効果的です。どのような業界、どのような規模、どのような採用戦略を持った企業であっても、日本語教育体制が整っていることに越したことはありません。

今後の外国人材の採用・雇用を成功させるためにも、自社における日本語教育体制を早めに構築していきましょう。

 

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