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更新日:2021/09/16

目次

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山本 菜奈

NPO法人WELgee 就労伴走事業統括

1994年横浜生まれ。小中高を米日独で過ごし、17歳の頃ネパールで山岳民族の高校生たちと交流し、逆境の中で未来を切り拓こうとする熱意に衝撃を受ける。早稲田大学国際教養学部と留学先のカナダ・バンクーバーでは、エスニシティ・ジェンダー・セクシュアリティ・階級などによる差別や格差が絡み合う中で、人がどう自分らしく生き、社会も変わりうるかを学ぶ。北海道・下川町で一年間まちづくりに携わり、2017年夏からWELgeeにて「難民」の若者たちと日本企業の化学反応から、社会に新たな価値をもたらす「就労」の仕掛けづくりに奔走中。

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坂下 裕基

NPO法人WELgee 就労伴走事業キャリアコーディネーター

1987年東京生まれ。大学卒業後、劇団の運営や大学職員、広告代理店営業としての勤務を経験。2018年3月より、NPO法人WELgeeにスタッフとして参画。クライアントと求職者双方にとって最高の出逢いと最良の関係性を紡いでいくべく奔走中。2019年7月に㈱BONZUTTNER代表取締役として、シリア近隣地域に暮らすシリア人ITエンジニアと協力しながらITシステムの受託開発関連のビジネスを興す。

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武居 裕介

NPO法人WELgee 就労伴走事業キャリアコーディネーター

1980年生まれ。WELgee唯一のロストジェネレーション世代であり、国家資格キャリアコンサルタント。情報通信業界及びIT業界の上場企業の人事職、カナダでの貿易系および教育系ITのローカル企業での職務経験、人事コンサルのベンチャー企業でのマッチングシステム立ち上げ、北米一周・世界一周の1人旅の経験を経て、現在フリーランスのバイリンガルキャリアコンサルタントとして活躍。並行して、WELgee就労伴走事業「JobCopass」のキャリアコーディネーターとして2020年1月より参画。

WELgee表紙

日本に逃れて来た難民に対して、就労の機会を提供しているNPO法人WELgee

WELgeeの就労伴走事業部では、難民の就労を育成から定着まで一貫してサポートをされています。

今回は、就労伴走事業の現場で日々奔走している皆さんに、「日本における難民の状況」「日本企業と難民の関わり方」「日本社会における外国人材の受け入れ」などなど 幅広くお聞きしました。

「難民」の目指す先

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(左からNPO法人WELgee就労伴走事業部の坂下氏山本氏武居氏

ーーまず、就労伴走事業とは、どういったことをされているのでしょうか?

山本氏:JobCopassという人材紹介サービスをやっています。紛争や独裁政権から難民として日本に逃れて来たアフリカや中東の若者たちの育成から採用、そして定着までを一貫して伴走しながらサポートをするというサービスです。2017年の9月から1人目の就労伴走が始まり、今年で3年目になります。

JobCopassサービス詳細については、こちら

ーー難民が日本で就労するのは難しそうですが、どういうスキームでやられているんですか?

山本氏:就労許可が与えられている、「特定活動(就労可)」という在留資格を持って、難民認定申請の結果を待っている方に、各自のスキルを活かせる仕事を紹介して、就職後は行政書士の協力のもと、安定した「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に切り替えて、定着してもらうということをしています。

ーー「技術・人文知識・国際業務」の在留資格となると、現地の大学を卒業していないと資格取得が難しいと思うのですが、大学を卒業していない難民の方は少ないんでしょうか?

山本氏:大学を卒業していない方もいらっしゃいます。

ただWELgeeでは、突破口として、まずは、大学を卒業したキャリアのある人達への伴走からスタートしようと考えました。

一方で、今、彼らの背中を追う形で、紛争などで大学を卒業できず難民となった人達の中から、オンラインで大学の学位が取れるプログラムにジョインして勉強を始めている方も出てきています。

ーーロールモデルとなる難民の方がいて、そこに影響を受ける人が生まれるという流れが出来つつあるんですね。

山本氏:はい。目指す先が見えると、そこへの頑張り方も自ずと見えてくるのかなと。

ーー女性の難民の就労伴走というのはあるのでしょうか?

山本氏:今、絶賛伴走中の方がいますけど、女性は少ないですね。サポートしている比率としても男性8割、女性2割くらいで。

ーー女性の方が難民として就労するのは、ハードルが高いんでしょうか?

坂下氏:顕在化はしてないけど、女性だからっていう課題はあるかもしれないですね。

山本氏:就労以前に、そもそも難民として日本に逃れくる女性が少ないんです。世界各地で女性だからこその生きづらさってあると思うんですけど、それを自分のせいだという風に解釈してしまうと、社会が生きづらさを生み出していて、その社会から逃げる選択肢があるっていう発想になかなかならない。

あと、そもそも、飛行機に乗って来れるだけの財力と主体性を女性が持っているという状況が少ないですね。

ーー女性に限らず、アフリカや中東にとって地理的に距離のある日本は来にくいのではないのかなと思うのですが、何故わざわざ日本を選択するのか気になっていました。

山本氏:主に3つあって、まず1つ目は、今すぐ母国から逃げないと身に危険が迫っている状況で、色々な国に短期滞在のビザを申請したら、一番最初に許可が下りたのが日本の観光ビザだったというケースです。2つ目として、宗教迫害が無いとか、戦争をしていない国っていうイメージですね。戦争があって、兵士が銃を持っていて、市民が虐殺されている国から逃れる時に、銃に怯えなくて済む安全な社会ということで日本を選ぶというのはあります。あと3つ目は、既に日本に親族がいたからというケースも多いですね。

難民認定を待つ中で「自分が自分でなくなる感覚」

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(初めて難民の方と会った時の衝撃を「目を開かれるような感覚」と話して下さった山本氏

ーー様々な支援の形がある中で、就労という側面にフォーカスをあてたのは何故ですか?

山本氏:いわゆる「難民」という言葉でイメージされる「脆弱」みたいな側面だけじゃない、「溢れる可能性」とか「熱意」というところに着目したのがきっかけです。

前提として、日本の難民の方々が置かれている状況があって。日本に逃れてきた、例えば紛争や独裁政権や迫害から逃れてきましたっていう人達の希望は、まず、難民として認められることなんです。

ただ、去年もそうなんですけど、1万人以上が難民申請をして、44名しか日本政府の難民認定を受けられていないんですよね。

元々は、若くて、スキルもあって、学歴もあって、経験もあって志もある、みたいな若者たちが、ただただ難民認定を待ち続ける中で、心も体もボロボロになっていく現状があります。そこの渦中にいる難民の若者たちが、「僕たちは、生き延びるだけじゃなくて、元々母国で培ってきた経験や想いを活かして日本社会に貢献できると思う」ということを言っていたんです。

ちなみに、私が初めて会ったアフリカ出身の難民の方も、大学を卒業してから起業して、地域のコミュニティーリーダーもやって、NGO職員もやって、といったカリスマ的存在の若者だったんすけど、日本に難民として来た後は、日本社会との繋がりもない、自分のスキルを活かせる仕事にも見つけられないという中で、自分が自分でなくなるような感覚があったようなんです。

そういう同年代の難民の方と話していく中で、彼らが日本で活躍する道筋を作っていくにはどういう仕掛けが必要かって考え始めて、就労という側面に行き着きました。

長い時間をかけて関係を築いてきたからこそできる「伴走」

ーーここからは、就労伴走事業JobCopassのプログラムについて、より具体的にお聞きしていきます。

この記事の動画版は↓↓から!

 

ーー難民の育成から、就職、組織への定着までを伴走してサポートされるということですが、企業に入社してからどれくらいの期間までサポートしていらっしゃるんですか?

山本氏:上限はないですね。

坂下氏:企業に入ってからも、最低でも1年は絶対伴走が必要だよね。

山本氏:JobCopassのプログラムだけの関係性っていう人は1人もいなくて、プログラム外で一緒にやれることを作戦会議したりご飯を食べたりしていますし、その難民の方と出会ってから、JobCopassに参加するまでも長い時間をかけて関係を育んできています。

ーーシステマティックに対応していくというよりも個々人の状況に寄り添ってサポートしていかれる感じなんですね。

ーー伴走の中での取り組む施策も担当者によって変わってくるんですか?

坂下氏:そうでうすね。伴走する難民の方によっても変わってきますね。自立していて会社さんと特段トラブルが起きてない場合は、あまり介入しないですし、ちょっとヤバそうだなと思ったら頻度多めにコミュニケーションをとりますし。

武居氏:敢えて担当を変えたりもしてるよね。

山本氏:担当者と難民の方の相性を見て。

ーー相性も考慮してるんですね!。1人の担当者で、何名くらいの難民の方の伴走を担当するんでしょうか?

山本氏:6名くらいですかね。

ーー思ったより少ない印象を受けますが、あまり多くの人数を担当するとフォローが追いつかなくなってしまうのでしょうか?

坂下氏:そうですね。同時に担当できるのは10名くらいかな。もちろん難民の方のフェーズによっても違いますけど、全員アクティブな段階だったら10名がギリギリですかね。普通の人材紹介や派遣だったら何十名、下手したら3桁とか担当するって普通にあると思うんですけど。

ーー相当手厚くフォローしてるということですよね?

坂下氏:さっきお話ししたように難民の方と関係構築っていうのはもちろん、雇用していただいていた企業さんに対しても、入社後、短くても半年間は、1ヶ月に1回のペースで面談しています。色々とお話しして、難民の方にもフィードバックするみたいな。

ーー外国人材の育成や定着支援というと日本語教育が一番最初に思いつくんですが、そこのサポートはされているんでしょうか?

山本氏:今までは、日本語を体系的に教えるというプログラムはなくて、他団体がやっている無料の教室を案内したりしていました。

ただ、日本語教師の方に系統立てて教えてもらうと、成果は出るので、今、実験的に、定年後の日本語教師の方がオンラインで日本語を教えるというセッションを始めています。

第3者として「難民」と「企業」の橋渡しをする

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(「様々なバックグラウンドを持った人材とクリエイティブできることがワクワクする」と語って下さった武居氏

ーー皆さん、具体的にどのような点を意識して伴走をされているのでしょうか?

武居氏:人間関係の構築ですね。いわゆる仕事とかキャリアとか、そういうとこ以外のプライベートでも関係を構築していく。まあ、言ってしまえば、友達になっちゃう。すぐに日本社会に適用するのが難しそうだったら、あえて時間を置いたり、突き放したりして成長を見守ることもやっています。

ーー人間関係の構築って全ての基礎だとは思うんですけど難しいですよね。コツとかあるんでしょうか?

武居氏:これは、テクニック的な話ではないなと思っているんですけども。ただ、WELgeeのメンバー全員海外経験者なんですよ。どっかの国に行ってたり住んでたりっていう経験があって、その経験が思いっきり信頼という部分につながっているなあと感じるんですよね。

僕ら自身が、いろんな景色、いろんな人たちと関わってきた。その経験があるからこそ、彼らが言っていることが言葉だけでなく実体験を持ってイメージが湧く、背景が分かる、というのがあって、コミュニケーションを取る中で、難民の方もそういうところを感じ取ってくれるんでしょうね。

僕らの中では、あまり人間関係構築に関しては課題感ってないよね?

山本氏:んー、色々大変な時期もありますけど、人なので。落ち込む時もあれば、イケイケの時もあるし。ただ、関わっているメンバー一人ひとりが、難民の方を「支援対象として、どうにかしたい」というより、「人として面白いな、良い人だな」って思っているのが相手にも伝わってるというのはあるかもしれないですね。

ーー伴走している中でトラブルはありますか?

山本氏:難民の方と雇用している日本の企業さんとのミスコミュニケーションの問題とかはあると思います。例えば、アフリカ各地の文化やマナーだったり前提だったりと日本の文化やマナーがが全然違う。しかも、どっちもハイコンテクストだったりするから難易度が増してしまう。お互い、慎ましく、多くをストレートに語らないところは同じだけど、実際に思っていることは全然違うみたいな。

表面上は笑顔で上手くいっているけど、ヒアリングしてみると、難民の方と企業担当者さんそれぞれ不安を抱えていて、しかも心配しているポイントがそもそも全然違ったりする。

だからこそ、私達が橋渡しする意味があると思っています。

ーーWELgeeさんが伴走することで、難民の方と雇用している企業さんとのミスコミュニケーションは改善されますか?

坂下氏:すると思います。そもそも情報自体が伝わっていないというレベルからコミットできることもありますし、お互いの背景にあるコンテクストが分かっていない状況を整理してあげるということもあります。

話し合う議題だと思っていないけど、実はボトルネックになっていたとか、話し合っている土台に誤解がある、とかね。文化的な背景を、まだ分かっている僕たちが、そこを意訳というか通訳をしてあげる。「こういう背景、こういう人で、こういうことを言っているから、こういう風にしたらどうでしょう」って伝えるようにしています。

それで誤解やわだかまりが解けるということはあります。

武居氏:客観的、第3者の立場がすごく大事ですよね。主観同士だと、すれ違いがいっぱいある。そこを整理してあげたり、本質を抽出してあげたりというのが、第3者である我々の役割ですね。

世界に通用する企業になるために、「難民」を活用する

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(小学生時代に「社会正義」を意識し、ビジネス的な発想で社会に良いインパクトを与えたいと奮闘されている坂下氏

ーー次に、難民の方を雇用している企業さんについて聞かせてください。

ーー業種職種に偏りはあるんでしょうか?

山本氏:業態や職種は幅広いですかね。

ーー雇用している企業さんは、どういう目的で難民の方を受け入れているんでしょうか?

武居氏:海外進出をしている、これから海外進出しようなんていう企業さんが多いですかね。アフリカ出身の難民の方が多いので、そっち方面にビジネスを展開したいとか、フランス語やアラビア語を話せる人材、現地コミュニティーと繋がりを持っている人材が欲しいという企業さんには興味を持ってもらえてます。商社さんとか。

坂下氏:SDGsを意識しているとか、CSVとかマーケティング的な観点から受け入れをしているという企業さんもいますね。

山本氏:アーリーステージのベンチャーさんにも興味を持っていただくことが多いです。

ーーエンジニアですか?

山本氏:エンジニアに限らずですね。元々母国で困難な環境下で、0→1を創り出してきた経験がある難民の方が多いので、茨の道の中で想いを形にしていく新規事業、スタートアップの不確定要素しかない中で何か作っていくっていうステージに向いているのかもしれません。

武居氏:あと、社内改革のために受け入れるって言うよね。日本人社員を叩き上げて意識を改革したいって思っている経営者の方が積極的にってケースがあります。

山本氏:そういう声を頂くことありますね。世界的に成功しようと思っている会社だからこそ、全ての社会インフラが整っていて、安定して中学・高校・大学を卒業して平和しか知らないっていう人だけじゃなくて、そもそも社会インフラがない中でサービス提供しなくちゃいけない経験を持った人とか、例えばサイバーセキュリティーひとつとっても、精度が信頼の問題ではなく命の問題にかかわる、、みたいな社会的背景を持っている人が同じチームにいることで、本当の意味で世界と戦える事業が作れると思うという声を聞いたこともあります。

ーー先進的というか、強い想いのある会社が多いんですね。安く使える労働者という感じではなく。

山本氏:初めの頃はあったんですよ。「働き手が足りないから、難民の人でも良いよ」っていう感じの。今は、そういうところは少なくなってます。

武居氏:どちらかと言うと、尖っている人、面白い人と会いたい」とか、「今まで会ったことのないバックグラウンドやキャラクターを持っている人が欲しいっていう要望が多いよね。

ーー経営者の人が熱い想いを持って受け入れを推進していても、実際に一緒に働く現場の社員からは反発が出たりしないのでしょうか?

坂下氏:あると思いますね。外国人や難民に限らず、障がい者の雇用とか元受刑者の雇用とかでもそうだと思うんですけど。そこは、経営者の方が、いかに自分の言葉と行動で巻き込んで、現場にも理解してもらう努力をし続けることが凄い大切だなと思っていて。

僕の担当しているお客さんでも、まず社長が興味を持って採用をしていただいた先があって、もちろん社長も社員の方もみんな素晴らしい方なんですが。それでも、初めて全然違うカルチャーから来た人、言い方は悪いですけど「異質物」が入ってくる戸惑いはありますよね。

でも、そこの社長が、ちゃんと自分の言葉で「何でやっているのか、どんな意義があって、どういうベネフィットがあるのか」を社内のミーティングや日々の業務の中で、しつこいくらいに伝えていたんです。そうしたらやっぱり、少しずつ現場の方の意識も変わってくるんですよ。もちろん難民の方自身の力や現場の方の受け入れる努力も大事ですけど、社長や経営者が、どういう風に周りを巻き込んでいくかが凄い大切だと思います。

「支援対象者」ではなく「共に社会を築いていく仲間」として

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ーー難民の方や外国人材を雇用していく上で、日本の企業は、どういうことを意識していくべきでしょうか?

武居氏:日本と海外でキャリアの捉え方が全然違うというポイントがあって。日本って仕事中心ですよね。一方、海外だと、仕事以外のプライベート、趣味とか家庭のこととか全部ひっくるめて人生設計している。

日本の企業には、外国籍や難民の社員だけでなく、日本人社員に対しても、人生という部分にフォーカスを当てていって欲しなと。今まで日本人のキャリアって言うと、仕事がメインで他の部分は犠牲にしてください、というニュアンスがありましたよね。だいぶ変わって来ましたたけど、まだ足りないなと思います。「人生を豊かにするための一つのツールとして仕事がありますよ」っていう捉え方をして欲しい。

坂下氏:違いを見る方が簡単ですし、分かりやすい。ただ、分かりやすいことに正解はないな、と思っていて。見たくない部分とか恐れいている部分に真実があったりすると思うので。特に、経営者はそういう部分を見ていった方が良いかなと思います。いずれ外国人がどうこうっていうのを議論するのがナンセンスな時代が来るでしょうし。今、見たくない部分と向き合えるかどうかで、今後の会社の規模とか会社が社会に与えるインパクトも変わってくるでしょうし、そういうスケールで外国人材の雇用についても捉えていった方が良いと思います。僕たちも、そういう企業さんと一緒にやっていきたいですしね。

ーーこういった想いに反する企業さんから「安い労働力が欲しいから」みたいな問い合わせがあったとしたら。。

坂下氏:菜奈ちゃんが断ります(笑)。

山本氏:もう1回、考え直してくださいって。

坂下氏:スキルセットがあったとしても、どう考えても問題になるだろうし。本当にしませんね。

武居氏:辞めちゃいますよね、結局、そういう企業に入っても。外国籍の方だけでなく、日本人でも同じだと思いますよ。

山本氏:最後に、難民という文脈で言いたいのは、難民の方を、社会の重荷である支援対象者という捉え方をするのではなく、一緒に社会を作っていくアクターとして見ていこうとする世界的な潮流があるということです。

世界的に難民の母数って7,000万人くらいなんですね。その内、学歴や特定のスキル、経験のある人が1%だとしても70万人いるんですよ。カナダやオーストラリアやドイツ色々な国で、そういった難民の方を社会を担う人材として見ていこうという動きが始まっていて。少子高齢化を迎えている日本社会でも、難民の方に活躍してもらわない手はないと思うんですね。

なのでこれからは、難民の方々を、「企業さんが積極的に活かしていける隠れた才能の宝箱」という見方をしていくことで、支援対象という重荷から社会の強みに変えていけるかもしれない。安全、平和な国ということで日本に逃れて来た難民の方達と、これからの日本をどう盛り上げて行こうかって考えた時に、企業さんが果たせる役割ってすごく大きいんです。

「難民」としてではなく、「社会を担う人材」として共に働くという形が企業さんの手で作り上げられていく可能性を、WELgeeは、日本において実現させたいなと思っています。

編集後記

今回お話をお伺いする中で、「難民」を「多様なタレントを持った人材」「社会を共に築いていく仲間」として迎え入れることが、日本社会や企業の持続的な成長にとっても欠かすことのできない視点なのではないかと考えさせられました。

外国人材の受け入れを検討されている企業様は、組織を成長させる仲間として「難民」の方の活用もぜひ視野に入れてみてください。

受け入れに際して不安があるという担当者様は、熱い想いを持ったメンバーによる伴走サービスが受けられるJobCopassがおすすめです!

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