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更新日:2021/08/03

目次

島津組top_revise(島津隆太社長(左から2人目)と実習生の皆さん。皆で宴会をすることもしばしば。)

東京都町田市でとび工事業を営む株式会社島津組。同社代表取締役の島津隆太氏は、自社でのベトナム人技能実習生の活用を成功させるだけでなく、実習生の技能検定支援や入国後講習施設の運営など、技能実習に関わるサポート事業に精力的に取り組まれている。

「他人と同じことをしていても仕方ない」と語る島津社長に、自社の取り組みや経験を基に、敬遠されがちな建設業での外国人材受け入れについてお話を伺った。

実習生受け入れも一番最初が肝心

ーーまず御社の事業内容について教えてください。

島津社長:とび工事をやっている会社です。新築の建造物や改修現場における足場の組み立てと解体がメインの業務です。マンションの新築工事や修繕工事など大規模な工事がほとんどですね。現在、職人は17名いて、その内、技能実習生は7名です。平均年齢は20歳台後半くらい。

ーーお若いですね!建設業では、職人さんの高齢化で悩まれている企業様が多い印象だったのですが。

島津社長:当社に関していうと、高齢化はないですね。会社設立して15年目なのですが、若い人材が活躍してくれています。

ーーもしかしたら、あまり人手不足でもないですか?

島津社長:いや人手は不足していますよ、当社も。もともと職人で30人程の体制だったので、またそれくらいまでに戻したいと思っているのですが。

ーー人手不足を意識するようになったのはいつくらいからですか?

島津社長:4年前くらいから顕著です。常に人の募集はしているのですが、あまり応募は来ません。なかなか定着もしないですしね。やっぱり、とび職は、きついところもあるので。朝早いし、帰りが遅くなることも多い。その割には給与もそこまで高くない、となったら人気はでないですよね。対策を取らないと人がどんどん離れていってしまう。

ーーそう考えると、技能実習で来て特定技能に切り替えてくれたら、長期で働いてもらえるから良いですよね。

島津社長:はい。もちろん、技能実習生は労働力ではないし、彼らへの技能移転が趣旨というのは理解していますが、実際問題、会社も助かっていますよね。

ーー実際に、初めて実習生の面接をされた時の印象は?

島津社長:とびの実技試験を見せてもらったのですが、正直、経験者の割には仕事のレベルが低いなと思いました。中身が薄過ぎるというか。なので、入社時は素人の方だと思っていた方が良いですね。当社の職人が数か月、ベトナムの学校に行って教えることができれば、レベルを上げられるかなと思ったりもしています。

ーー技術面で特に差がないとすると、どのような基準で選考されているのですか?

島津社長:年齢など偏りなく、満遍なくバランスが取れるようには考えています。

ーー実習生を受け入れて大変だったことはありますか?

島津社長:最初は大変でしたね。生活習慣が違うし、指示が通じないことも多くて。ただ、仕事はすごく真面目にやってくれるので素晴らしいと思いました。あと、1期生がすごく成長してくれて、2期生の指導や通訳なんかもやってくれるから助かっています。どの企業さんもそうだと思いますけど、やっぱり最初が大変です。実習生の受け入れだけでなく、会社起こすにしろ何にしろそうなのでしょうが、一番最初が肝心なんですよ。

ーー生活習慣の違いや指示が通じないという点で、具体的にはどのようなトラブルがあったのでしょうか?

島津社長:ゴミの捨て方や寮での換気の仕方などですね。特に、コロナ禍になって、寮の換気は頻繁にするようにお願いしていて、「分かりました」って言ってくれるんですけど、2、3日立つと忘れてしまうということがありますね。寮には、ベトナム語で注意事項を書いた紙を貼って対策をしているのですが。。

寮注意点(実習生寮の注意書き。コミュニケーションを図るため、ベトナム語で対応している)

ーー現場で指導される職人の方の反応はどうでしたか?大変なことも多いのではと思うのですが。

島津社長最初は大変って言っていましたね。喧嘩など色々問題もありましたし。「タバコを吸わないと言っていたのに吸っていた」とか「現場に行く途中にお酒を飲んだ・飲んでない」とか。真実は分からないんですけど。別にそれ自体は大したことではなくても、嘘をついたり都合の悪いことを隠したりっていうのは困りますよね。これは実習生に限ったことではないのですが。例えば、我々の仕事だと現場で物損事故が起きることもあるわけですよ。その時に、報告しなかったり隠されたりしてしまうのが一番良くない。間違い自体は誰にでもあるので、同じこと繰り返さないためにも、まずは過ちを認めるっていうことは意識してほしいですね。

ーーそのような問題が起きた時、どのように指導されていたのでしょうか?

島津社長:そこはもう、職長たちから常に注意していくことですね。問題が起きたらその都度、話し合いをして解決していくことが大切だと思います。

ーー日本語でのコミュニケーションに関してはどのように対策をされていましたか?「言葉の壁」は他の企業様でもよく聞く問題なのですが。

島津社長:やっぱり言葉は大変ですね。初めの頃は、「自分の名前も書けない」「簡単なやりとりもできない」「やっちゃダメだよって言ったこともやっちゃう」なんていう状態だったので。そこに対しては、翻訳アプリ使ったりジェスチャーでコミュニケーションを取ったりして現場レベルの努力をみんながしてくれていました。

ーーどれくらいである程度のコミュニケーションが取れるようになりましたか?

島津社長:半年〜1年経つと何となくコミュニケーション取れてきましたかね。ただ本当に個人差があって、3年経っても話せない人もいます。

ーーその差はどこで付くと思われますか?

島津社長:純粋に甘えなんじゃないでしょうか。一生懸命覚えようと思って努力する人間と、他の誰かが喋ってくれるから自分はそこそこで良いやと甘えてしまう人と。

実習生を受け入れてプラスの影響しかない

ーー続いて、受け入れ体制についてお聞きします。3号実習生の給与高いですよね。多い時では月40万円を超えているとか。

島津社長:そうですね。別に特別な受け入れ体制を意識したわけではなくて、実習生がそれだけの報酬をもらえるくらい頑張ってやってきた。会社としてもすごく助かった。だからそれに見合う対価を払った。それだけです。できるだけ実習生を安い賃金で働かせて儲けようみたいな汚い考え方の企業の話も聞きます。コストを削減したいという経営者の気持ちも分からなくはないけど、ただ、会社も助かっているわけですから。特に条件面の交渉もなく、それくらいは支払うのが当たり前という感覚です。

ーーそれ以外にも実習生雇用にあたっての環境づくりで意識されていたことはありますか?

島津社長:コミュニケーションの一環ですけど、ご飯食べに連れに行ったり、日々の食材として良いお肉やお米を買ってあげたりはしていました。自分の給与から実家に仕送りなんかをして異国の地で頑張っているので、少しでも支えになれば良いなと。

本当に、実習生を受け入れてプラスの影響しかないんですよ。確かに最初は大変でしたけど、特にマイナスはなかった。だから、実習が終わった後も特定技能として残ってほしいと思っています。そのための環境づくりの一環として昇給とかは当然ですね。

ーー社長は自社での実習生受け入れだけではなくて、技能検定の技術指導支援や別会社で実習生の入国後施設の運営に向けて動かれているとお聞きしました。

島津社長:はい。まず技能検定の支援についてですが、当社の実習生の技能検定基礎級、随時3級試験を受検してみて大変だったんですよ。検定用に資材準備したり練習したり。結局、当社は資材もトラックも買ったので、折角だから他の企業さんにも共有させていただいたらお互いにメリットがあるなと思ったのがきっかけです。足場業者さんでも自社で資材を持っていない会社さんも結構いらっしゃるんです。あと、検定用の練習ですよね。とびの会社でも技能検定のやり方で作業をやっている会社ばかりではないし、そもそも練習できる場所がなかったりするんですよ。本社の敷地内に練習を行うのに十分なスペースがあるので、そこで練習ができますし、経験を基に、こうやったら良いよっていうことも伝えられるので、必要があれば力になれたら良いなと思っています。

島津組置き場本社の敷地内にて技能検定の指導支援をしている様子

ーー別会社を立ち上げて実習生の入国後講習センターをやる計画もあるとか?

島津社長:監理団体や送出機関のも知り合いの方から、コロナ禍で入国が大変、入国後の宿舎がないという話を聞いていたので、成田空港近くで物件を購入して支援できたらと思ったんです。もちろん空港の送迎なんかもして。まずはベトナム人夫婦を寮長としてコロナ対策用の宿泊施設を作って、ゆくゆくは入国後講習センターとして教育にも関わっていきたいです。

ーーなぜ、自社での受け入れからそこまで発展させようと思われたのですか?

島津社長:僕の持論なんですけど「他人と同じことしていても仕方ない」と思っていて。せっかく実習生と縁があったので、そこで関わりを持った方々のお役に立つことができたら良いという想いですね。

実習生が「自分のために頑張る」、それで良い

ーー自社の組織体制という観点では、今後どのような展望を描いていますか?

島津社長:先程お話ししたように職人で30人くらいの体制にしたいと思っているので、外国人、日本人問わずに良い人材をどんどん採用していきたいです。

ーー技能実習生、ベトナムからのインドネシアやミャンマーに切り替える企業が多くなっている印象がありますが、送出し国の多様化は検討されていますか?

島津社長:ベトナム人実習生が増えすぎて、そういう動きがあるのは把握しています。様々な国の人材がいた方が、日本語という共通言語でコミュニケーションを取らざるをえないので日本語力が上達するという意見も聞いていましたし。

ただ、私としては切り替えはしたくないんですよね。言葉も生活習慣もバラバラになりすぎると共同生活している本人たちもストレスフルになってトラブルも増えると思っているので、当分ベトナムから変えるつもりはありません。

ーーこれから採用していきたい「良い人材」とは、どのような特徴を持っている方ですか?

島津社長:長く続けてくれる人。遅刻しないで真面目に頑張る人。人間関係うまくできる人。これに尽きます。仕事できないのは素人であれば当たり前ですし。

「自分のために頑張る」、それで良いんですよ。「会社のためにやっている」なんてことは言ってほしくない。自分のために頑張ることが、自然と会社のためになっていますから。

ーー技能実習制度に関して、巷では暴力など受け入れ企業による問題行為が話題になっています。最後に、自社のみならず技能実習制度全体のことを考えられている島津社長から、受け入れ企業へのメッセージをお願いします。

島津社長:確かに昔は、職人業界では、怒られても殴られても付いていくが本物の職人だなんて言われていました。でも、今そんなことやったら訴えられちゃいますよね。実習生だけでなく日本人でも同じです。嫌だと思う人がいるのであれば、変えていかないといけません。変えていくために何が大切かというと、社長など経営陣がしっかりと身をもって伝えることです。従業員に「暴力はダメだ」と言っても、普段から社長がそういうのを許容する姿勢だったら示しが付きませんから。何よりもマネジメント層の意識改革が大事だと思います。

ーーありがとうございました!

自社での雇用にとどまらず、建設業全体における技能実習制度の適正な活用に力を入れられている島津社長。基本的に仕事も依頼も断りませんと力強く仰ってくださった。技能検定や実習生の入国施設など、技能実習生受け入れに悩みを持たれている建設業の方は、ぜひ一度島津社長に相談してみてはいかがだろうか?

株式会社島津組

HP:http://shimadzugumi.co.jp/company/company.html

所在地:東京都町田市図師町615-1

電話番号:042-814-0079

 

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