更新日:2021/04/13
目次
近年、地方の人手不足への対策として、外国人材の受け入れが注目されています。
しかし地方の企業様の中には、
「たしかに人手は足りないけれど、そもそも外国人材は地方に来てくれるのか?」
「どうやって人材募集をすればいいのかわからない」
と言った疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
そこで本記事では、地方の人手不足の現状を振り返った上で、実際に人材を確保するための方法を解説していきます。
地方の人手不足と外国人雇用
まず、地方の人手不足の現状と、その対策としての外国人材雇用について見ていきましょう。
近年、若者を中心に労働力が都市部へ流れる動きが加速しており、地方は深刻な労働力不足に陥っています。
下記は、2000年~2020年の間の就業者数の増減を、都道府県別に示したグラフです。
(総務省統計局「労働力調査(基本集計)都道府県別結果」をリフト株式会社で加工)
このグラフからも、いかに労働力が東京などの大都市圏に集中し、地方で減少しているかが分かるでしょう。
地方の企業は、これから若い労働力の確保がますます難しくなっていくことが予想されます。
このような人手不足を解消するために、今後重要になってくるのが外国人労働者の活用です。
日本での就職を希望する留学生や、技能実習生、また2019年に新設され単純労働に従事できる特定技能外国人などを雇用することで、若い労働力を確保し人手不足を解消することができます。
たしかに、人手不足とは言え、外国人材の採用に踏み切るには不安も多いかと思います。日本語で十分コミュニケーションがとれるのか、しっかり働いてくれるのか、自社の社員とトラブルにならないかなど、懸念は尽きないでしょう。
しかし、上記のような不安は、外国人材に定着してもらうための適切な取り組みを行うことで対処できます。
例えば日本語の問題に対しては、意識的にわかりやすい語を使って説明する、業務で使う専門用語を教える機会を設けるなどの取り組みが考えられます。学習意欲のある外国人材であれば、働いているうちにどんどん上達するでしょう。
日本人社員とは異なる配慮が必要で手間に感じることもあるかもしれませんが、外国人材が働きやすい環境を意識することで、将来的に企業にとって貴重な戦力になってくれるはずです。
外国人材にとって地方で働くことのメリットは?
ここまで、地方企業の人手不足解消に、外国人雇用をご提案いたしましたが、そもそも外国人材は地方に来てくれるのでしょうか?
たしかに外国人材は日本人同様、東京など大都市圏での就職を希望する傾向にあります。
外国人材は東京に対し、「憧れ」「先進的」「稼げる」などの良いイメージを持っており、地方企業で働く魅力を知らないまま東京に流れてしまうのです。
外国人材は東京以外の地域についてあまり知りません。
逆に言えば、外国人材に地方企業に就職する魅力を十分に伝えることができれば、地方に来てくれる可能性がでてくると言えます。
では、外国人材にとっての地方企業で働く魅力とは何でしょうか?
地方企業に就職する魅力
①家賃や生活費が安い
地方で働く魅力としてまず考えられるのが、家賃や生活費の安さです。
東京は賃金が高いから稼げると考え東京での就職を望む方は多いですが、実際に家賃や生活費を抜くと、手元に残るお金は東京と地方でほとんど差がない場合があります。
外国人材は日本で働いてお金を稼ぎ、母国の家族に仕送りをする方が多いです。
東京より賃金が安くても、家賃や生活費を抑えて仕送り額を増やせることが分かれば、地方での就労は魅力的に映るでしょう。
②競争を避けられる
次に、就活時の競争が避けられるという魅力があります。
先ほど東京での就職が人気と書きましたが、東京での就職は外国人材間の競争が激しく、就職したくてもできずに帰国してしまう方もいらっしゃいます。
東京での就活が上手くいかない人材や競争を避けたい人材にとって、地方での就職という選択肢が広がるのは魅力的です。
特にやりたいことが決まっている留学生などの場合、競争の激しい東京でなくてもその仕事に携われることが分かれば、地方に来てくれる可能性は大きいです。
③企業そのものの魅力
労働環境が良い、福利厚生が充実しているなど、企業そのものの魅力も重要です。
東京の企業と比べて、より良い待遇で働けたり、昇給や昇進の基準が明確であったりすることは、外国人材が地方企業を選ぶポイントになります。
地方での外国人材募集の方法は?
ここまで、外国人材にとっての地方で働く魅力について見ていきました。では、上記の魅力を外国人材に知ってもらうには、どのようにアプローチすれば良いのでしょうか。
ここからは、外国人材募集の方法をいくつかご紹介いたします。
①求人サイトに広告を掲載する
リクナビやindeed、また外国人材専用の求人サイトに広告を掲載する方法です。
外国人材にアプローチするポイントは、日本語だけでなく多言語で求人ページを作ること、そして募集要件を厳しくしすぎないことです。
英語や中国語、ベトナム語などで求人ページを作ることができれば、外国人材の目に留まりやすく、また積極的に採用する意思があることをアピールできます。
また、日本語要件などを厳しくしすぎると人材は集まりにくくなります。日本語力に関しては、学習意欲の高さや勉強習慣の有無によって大きく伸びる可能性があるので、要件を下げて人材を集め、面接時に伸びしろを確認することをおすすめいたします。
②SNSを活用する
外国人材は日本人と比べて、情報集めにFacebookやTwitterなど企業のSNSアカウントをチェックする方が多いです。
パーソルキャリア株式会社と株式会社パーソル総合研究所が行った調査では、外国人留学生の26.4%が、就活で情報源として企業のSNSアカウントをチェックしています(日本人は7.3%)。
企業のSNSの活用法は、求人情報を掲載したり、社員の働いている様子や社内イベントの様子を投稿したりと様々でしょうが、採用コストを抑えることができるので、外国人材を採用したい企業は積極的に活用しましょう。
③大学や自治体の説明会などに参加する
大都市圏と地方を比べると、地方では、外国人材の採用に大学や自治体、その他公的機関の支援を受ける企業が多いのが特徴です(参考:JETRO「2018 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」)。
外国人材を採用したい地方企業は、大学や自治体が外国人材向けに行う企業説明会に参加する、大学のキャリアセンターに求人を掲載してもらうなどして、地元の外国人材にアプローチしましょう。
④外国人専門の人材紹介サービスを使う
人材紹介サービスは、難易度によって紹介料が高くつく可能性があるものの、人材募集にかける工数を無料で丸投げできる点が魅力です。
求人広告を出しても人が集まらず広告費が無駄になってしまう、SNSをうまく活用できないなど、自社での採用活動が上手くいかない場合は、人材紹介サービスを利用するのも一つの手でしょう。
まとめ
ここまで、地方での外国人材雇用について解説いたしました。
今後、地方の人材不足はより深刻化することが予想されます。
採用に難しさを感じる地方企業様にとって、外国人雇用はより重要な選択肢となってくるはずです。
本記事を読んで、「外国人材についてもう少し知りたい」「外国人材の雇用が可能かどうか検討したい」と思われた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。