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更新日:2021/04/27

目次

せとうち様サムネイル

岡山県瀬戸内市の専門学校「日本ITビジネスカレッジ」。2018年4月に開校した同校は、廃校となった小学校を再生利用し、留学生を中心とした人材の育成と地方創生を理念に掲げ、多方面にわたる活動をしている。運営母体であるアジアマーケティンググループでは、留学生への教育にとどまらず、卒業生の受け皿となるIT企業の経営や、日本語とビジネスマナーを学べる「日本就職成功アプリ」の開発など、育成した人材が活躍できる仕組み作りにも力を注いでいる。

「日本ITビジネスカレッジ、およびアジアマーケティンググループが目指す人材育成の形とはどういったものなのか?」「岡山県瀬戸内市という地域に留学生を惹きつける秘訣は何なのか?」アジアマーケティンググループ代表で学校法人せとうち理事長の田中旬一氏と日本ITビジネスカレッジ校長の橋口博州氏にお話を伺った。

岡山は地政学的に有利な土地

ーーまず、御校の概要について教えてください。

橋口氏:2013年に廃校になった瀬戸内市の玉津小学校の跡地利用公募に、田中が設立したアジアマーケティング株式会社が応募して、採択されたのが始まりです。2018年4月に専門学校として開校し、現在は中国やベトナム、バングラデシュなど11か国、140名の学生が在籍しています。

オーダーメイド教育(注文式教育)という形を取っていまして、学生のニーズに応じて、IT教育はIT企業の方に、貿易実務であれば貿易コンサルティング企業の方に授業をしていただいています。また、2年生から、優秀な学生には積極的にインターンシップにも行ってもらっています。

さらに、実践力を養うために、地域企業のwebサイト作成を学生に製作してもらうという取り組みもしています。webデザイン作品を提案し、コンペを勝ち抜いた学生が、実際にwebサイトを製作するのですが、コンペに優勝することで奨学金を獲得できる仕組みになっています。

ーー学んだことを活かせるというだけでなく、金銭的なメリットもあるのですね。

橋口氏:「稼ぐ力」というと語弊があるのですが、週28時間のアルバイトで年間70万円の学費を出すのは大変なので、いろいろな減免制度を設けています。

グローバル人材を日本に呼び込んで、我々の学校で即戦力となる教育をした上で、就職にまで結び付けたいと思っています。

ーー即戦力となるような人材を育成されている印象ですが、実際の就職率はいかがですか?

橋口氏:就職率は、1期生が12名だけなんですけど100%、2期生が45名いて70%です。通常の専門学校の留学生の就職率が30%程度なので、比較すると高い数値になっています。今は、コロナ禍で観光業が厳しくなっているので、大学進学コースにも力を入れるなどアプローチ方法を若干変えていっています。

さらに、アジアマーケティンググループとして日本ITシステム株式会社という法人を瀬戸内市に設立して、卒業生の採用もしています。瀬戸内市で勉強してくれた方が、そのまま瀬戸内市で就職してくれれば、地域の活性化にも繋がりますから。

ーーそもそも、なぜ瀬戸内市で専門学校を始めようと思われたのですか?

田中氏:瀬戸内市は僕の故郷なので、もちろん故郷を活性化させたいという想いもあったのですが、なんといっても岡山県は地政学的にとても有利な土地なんです。四国があるから台風や津波も上手く抜けてくれるし、地震のプレートも少ないと言われています。原発からも150km離れていて、安全なんですね。今後、日本も含め世界が抱える被災リスクが増大化していく中で、そういったリスクを回避できるというのは純粋にメリットだと思っています。

そして、コロナ禍で加速していますが、土地に縛られない働き方ができるようになったので、あまり地方だからというデメリットは感じていないです。

ーーとはいえ、留学生を地方に惹きつけるのは難しくないですか?東京など首都圏の方が人気があるイメージですが。

田中氏:東京か地方かというのは、あまりないですね。瀬戸内市でそのまま就職できる出口もありますし。アジアマーケティンググループの法人である日本ITシステムが、東京のIT企業からお仕事を受けて、インターンシップやアルバイトとして学生にも関わってもらうという仕組みもあるので、地方だから難しいというのは、あまり感じないです。そもそも、ここ2、3年東京の入国管理局が厳しくなって、経費支弁力のある富裕層であればともかく、それ以外の方は東京に留学に行き辛くなっているという背景もあります。

橋口氏:我々の生徒は、ほぼ日本の日本語学校で1年から1年半程度勉強した方です。今年はじめて、インドと中国からの直接留学が2名決まったのですが、コロナで入ってこれていない状況です。

ーーなるほど。今まで東京に暮らしていた方が、地方に馴染むのにハードルはありませんか?

田中氏:そもそも生まれ育った場所が、大都会という方は少ないので、あまり地方であることの抵抗感はないんじゃないでしょうか。

ーー先ほどのお話のように、地政学的に利点があって、魅力的な就職先もあれば、地方だからどうこうというのはないということですね。ちなみに、学生はどのように進学先を選んでいるのでしょうか?

田中氏:今までは、日本語学校などを通じて情報を得るのが主流だったと思いますが、昨今は、SNSやwebサイトの情報が重視されています。デジタルに寄ってきていますね。もちろん、日本語学校の先生からの情報は大事なのですが、それだけで判断はしない。みんな必ず自分でもSNSとかネットで情報収集をしています。なので、B to Cというか、学生にダイレクトに届くような情報発信の仕方が求められていますね。

オーダーメイド教育でグローバル人材を育てる

ーー続いて、教育方法について詳しくお聞きします。オーダーメイド教育で、しかもIT教育をメインにしようと思われた経緯を教えてください。

田中氏:専門学校に関していうと、日本では戦後、簿記とか服飾とかを専門的に学ぶという意図でたくさん設立されたのですが、それから50、60年経って、今では大学に入れなかった子が入る学校という地位にまで落ちてしまっています。一方、大学はどうかというと、「ただ学歴や単位が取れれば良いや」という意識で通っている人が増えている。企業側の目線でいうと、どう考えても、グローバルに戦える人材の輩出がこの何十年かで落ち込んでしまっているんです。シンガポール、マレーシア、インドネシア、もちろん中国も伸びている中で、日本だけ圧倒的に停滞していて、何やってるか分からない状況になってしまっているんです。

僕は、この現状を危惧していて、グローバルな場で活躍するのに必要なスキルを身に付けるための教育が重要だと大真面目に考えています。そのためのオーダーメイド教育ですね。特にITスキルを持った人材であれば、世界で戦っていけるのではないかと思い、IT教育に力を入れています。

オーダメイド教育って、そもそも専門学校の趣旨であるはずなんですよ。でも生徒募集のための謳い文句というか表面的なところに終始してしまっている学校さんが多いという印象がありますね、残念ながら。

ーーオーダーメイド教育の成果か、御校の就職状況はかなり高いですよね?

田中氏:そうですね。先ほど橋口がお話ししたように1期生は100%、2期生は70%と、専門学校の留学生の就職率の日本全国平均である30%を遥かに超えているのは有難いです。ただ、「IT専攻者はIT企業に就職」というのを成し遂げたいのですが、現状は、例えば、ホテルの中のITセクションには就職できても、バリバリのプログラマーのようなITに特化したレベルに到達できる学生はまだ少ないです。もう少しスキルを上げて、レベルの高いIT企業への就職っていうのを実現していきたいです。

ーーちなみに、ITエンジニアでも日本語力は求められることが多いのでしょうか?

田中氏:はい、日本語も大事です。日本の企業は外国人慣れしていないから、日本語はまだ重要ですね。学生はみんな、日本語に興味があるようです。頑張って勉強して、N1を目指していますよ。

ーー日本語というハードルもある中で、なぜ日本を選ぶのでしょうか?ITの技術的にも魅力ある国は他にたくさんある気がします。

田中氏:ITでなぜ日本なのか?確かに、アメリカや中国、インドといったIT大国に投資能力や技術開発では追いつかないでしょう。その中で、日本が勝負できるのは何なのかというと、最終的な成果物のクオリティーです。要は、「指示書以上のレベルで納品する」ということですね。ITだけでなく、車にしても電化製品にしても同じでしょう。日本の強みとして「丁寧に完成度の高い納品ができる」というのはあります。そこをアピールしていく、そして実際に教えていくことが大事だと思いますね。

地域住民からの理解を得るために

ーー「留学生」だから、「外国人」だから大変なところはありますか?

田中氏:ゴミ出しの分別ができてないとか、就職説明会の時の服装やマナーが不十分とかはあります。そもそも知らないからというのもあるのでしょうが、そこの教育は、恥ずかしながら、まだ解決できていない課題ですね。

ーーゴミ出しなどルールが守れていないと、地域住民の方との摩擦が起きてしまいそうですが?

田中氏:学校設立する際に「学校法人作って留学生も誘致する予定です」って地域説明会をやったんです。そうしたら「外国人は泥棒だから連れてこないで」という意見も出て、猛反対の方もいたんです。それで何回か説明会をして、今ようやく少しずつ地域の方の理解も得れてきた段階です。今でも僕は、散歩とかして、地域の方とコミュニケーションをとっています。

この間も、地域の方に挨拶しがてら散歩していたら、「田中くんちょと来て、ここゴミの分別おかしいよ」と言われてしまって。でも、そういうふうに言ってくれるってことは、逆に期待してくれているということでもあるんです。だからこそ、ちょっとずつでも確実に解決していかないといけない。

ーーゴミ出しなどの生活ルールはどのように教育されているのですか?

田中氏:オリエンテーションもしていますが、それに加えてデジタル化を進めています。アジアマーケティンググループの外国人キャリア教材研究所という一般社団法人で「日本就職成功アプリ」という日本語学習アプリを開発しまして、そこで、日本でのマナーも学べるようにしています。法的な問題とかゴミ出しとか、僕らが抱えている問題を全てこのアプリの内容に盛り込んでいます。もちろん、教育はデジタルだけでは解決しないので、やはりコミットすることも重要です。

ーー自社グループで開発までされるのは凄いですね。

田中氏:学生がアルバイトやインターンシップで協力もしてくれています。学校で学んだアプリの作り方を実践できるというメリットもあります。

ーー地域の方と留学生が実際に関わる機会はあるのでしょうか?

田中氏:岡山県の1000年くらい続く加茂大祭や学校の近くの地域の祭りに出させてもらったり、玉津の市という海産物、農水産物を販売する場を設けて地域創生の活動を一緒にしたりしていたのですが、今は、コロナ禍で全部できていない状態ですね。

ーー地道にコミュニケーションを取っていくことで、地域社会への外国人包摂を促進されているのですね。最後に、今までの経験を基に、外国人材の定着に課題を抱えている企業へアドバイスをお願いします。

田中氏:何よりも、「外国人の視点に立とうする」ことです。分かりやすいところでいったら、多言語化するということでしょうか。webサイトを多言語化するなどですね。言葉が難しければ、一緒にご飯食べたりでも良いんですよ。母国のことや家族のことまで気にかけてあげたりね。とにかく、少しでも彼らの視点で考えてみることが大事です。そういう理解がある会社には外国人も進んで行ってくれるはずです。

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