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更新日:2020/09/01

目次

現地面接の様子 インドネシア

↑技能実習生インドネシア現地面接会の様子

 何かと話題となることが多い技能実習制度ですが、イメージだけが先行してしまい、そもそもどんな制度かについて理解されていない方も多いのではないでしょうか?

本記事では技能実習制度とはそもそもどんな制度なのかについて詳しくお伝えしていきます!

技能実習制度とは?

制度の変遷と現状

技能実習制度とは、日本の企業などで外国人を受け入れ、働きながら習得した技術や知識を母国の発展に活かしてもらうという目的の制度です。制度を振り返る際に押さえておくべきターニングポイントとして、1993年、2009年、2017年、そして2019年が挙げられます。

 

まず、外国人研修・技能実習制度として開始されたのが1993年ですが、「研修」と付いていることからも窺えるように、現在よりも「教育」の要素が強い制度でした(1年目は完全に研修期間、そのうち1/3は座学とされていたため、現場での就労を禁止されていました)。技術移転という理念には沿っていたと言えるかもしれませんが、実際には労働をしているにも関わらず「研修生」だからという理由で労働基準法に抵触するような扱いが平然と行われていることが問題視されるようになりました。

 

こういった状況を大きく変えたのが、2009年の入管法改正です。在留資格「技能実習」が設けられ、従来の研修期間がなくなったことで、入国当初から「技能実習」が可能となりました。現在の技能実習制度の原型がこの2009年入管法改正によって作られと言えるでしょう。技能実習生も労働基準法の対象となり日本人労働者と同様に残業も認められるなど技能実習の「労働」の側面がクローズアップされたと言うこともできるかと思います。

 

次のターニングポイントが、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下「技能実習法」という)が施行された2017年です(成立は2016年11月)。この法律によって外国人技能実習機構が設立され、技能実習生の保護、適正な実習の実施のための体制が一層強化されました。技能実習計画の認定制、実習実施者の届出制、監理団体の許可制など厳格化された面もありますが、一方で、実習期間の延長(3年から5年)、対象職種の増加など、技能実習生自体を増やしていきたいという意図を見てとることもできます。

 

そして2019年4月施行の改正入管法により在留資格「特定技能」での受け入れが可能になったことで、技能実習制度がまた大きく変わっていくでしょう。技能実習法によって推進された技能実習生の保護や待遇の保証の強化はそのままに、「労働」の側面が薄れ、「研修・実習」という側面が再度押し出されるようになると予想されます。現に、技能実習の計画認定の審査では、残業時間の規制が厳格にチェックされるようになってきています。あくまで「技能実習」は「技能の修得」という目的に沿ったものとなり、労働者を受け入れたい場合は「特定技能」でというのが今後一般的になってくるのではないでしょうか。

 

では、現時点での実際の受け入れ状況はどうなっているのでしょうか?

今後「特定技能」への切り替えが想定されるとは言え、2019年10月末の統計ではまだ技能実習生として日本に滞在している外国人の方は約38万人と多く、数ある在留資格の中でも目立って増え続けています(技能実習生を労働力の補填として扱ってはならないことになっていますが、日本の労働力不足が背景にあることは間違いないでしょう)。二国間ん協定や試験体制の不整備などで「特定技能」が思うように進んでない現状では、技能実習としての受け入れから外国人材活用をスタートさせるというのも仕方がないのかもしれません。

在日技能実習生の推移

 

技能実習制度の理念と実情

上述のように、在留資格「技能実習」の理念は、発展途上国への技能移転により国際貢献することです。そのため技能実習法には下記のような記載があります。

「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」

技能実習法 第3条第2項

確かに、労働力確保の手段としか捉えていない経営者や、せっかく母国に帰って独立できるようにと情熱を持って教育をしても、成長意欲が低く、義務を果たさずに権利ばかりを主張する技能実習生が存在していることは事実です。

しかし、よくニュースになっているような違法な時間外労働、賃金不払いや失踪といった問題ばかりかというと、当然そんなことはなく、技能実習生、企業双方にとって幸せな制度活用をしているケースも数多く見受けられます。そもそも制度的に、技能実習生の保護が重要視されており、実習実施者は受け入れのための環境整備が求められていますので、適正に実施されさえすれば技能実習生が犠牲になることはないはずなのです。

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技能実習制度概要

主要アクター

まずは、主要な技能実習制度の登場人物について簡単に確認です。

1. 技能実習生:技能を実習に来る外国人材です。18歳以上等の要件があります。

2. 実習実施者:技能実習生と雇用契約を結び、実習を行わせる日本の企業です。

3. 監理団体:技能実習計画の作成指導や実習実施者に対する監査業務を担う非営利法人です。

4. 送出機関:人材送出国で技能実習生の募集や推薦、事前教育を行う機関です。

*厳密に言うと、求職の申込を監理団体に取り次ぐ機関を「取次送出機関」、取次は行わず事前の教育や査証の手続きのみをする機関を「準備機関」と言います。

5. 外国人技能実習機構:技能実習制度の適正な実施を監督する法務省、厚労省が所管する認可法人です。

 

受け入れ方式

技能実習生の受け入れ方式には、企業単独型(2.8%)と団体監理型(97.2%)の2タイプがありますが、大多数が団体監理型となっています。

企業単独型:海外の現地法人や合併企業の職員を受け入れて技能実習を実施する方式

団体監理型:事業協同組合や商工会議所などの営利目的としない団体が技能実習生を受け入れて、事業実習を実施する方式。

参考:公益財団法人国際研修協力機構

技能実習生を受け入れる実習実施者において技能実習計画を作成し、その計画が適当であると認定を受けることによって技能実習生の受け入れが可能になります。また、受け入れ前に認定を受けたとしても、実習中に法令違反が認められた場合等は認定が取り消されますので、適正に実習を行えるよう常に環境を整備することが求められます。確かに面倒臭い点も多いですが、監理団体の力も借りて、組織体制の改善をする良いきっかけとしている実習実施者もいらっしゃいますので、ポジティブに捉えていきましょう。

▶︎技能実習生を受け入れ、建設業の組織体質改善を目指す佐々木架設株式会社様の取り組みはこちら

 

在留資格区分

技能実習制度は、入国後1年目の技能を修得する第1号技能実習と2、3年目の第2号技能実習、そして4、5年目の第3号技能実習とに分類されます。

在留資格でいうと、企業単独型が「技能実習1号~3号イ」、団体監理型が「技能実習1号~3号ロ」の合計6区分となります。

それぞれ1号から2号、2号から3号へ移行する際に、技能検定、技能実施評価試験を受験し、合格する必要があります。

技能実習制度の対象職種

実習の対象となる作業は、①同一の作業の反復のみによって修得できるものではないこと、②2号、3号へ移行する場合は下記対象職種・作業一覧に該当していることが基準となってきます。つまり、1号の1年間だけの実習の場合は同一作業の反復となるような単純作業でなければ、2年目以降も実習をさせたい場合は下記の職種・作業(2020年7月時点で82職種)に該当していれば、自社で技能実習生を受け入れることができるということです。

移行対象職種・作業一覧202007

出典:厚生労働省「技能実習制度移行対象職種・作業一覧」

受け入れ可能な人数

技能実習生の受け入れの基本人数枠は「常勤職員の人数」によって決まります。

技能実習生の受け入れ基本人数枠

優良な実習実施者の場合

技能等の修得等をさせる能力につき高い水準を満たすものとして主務省令(その法律の主管をする官庁が出す省令)で定める基準に適合している場合、外国人技能実習機構から優良認定を受けられます。

優良認定を受けると、受け入れ人数を増やすことができます。

ちなみに、第3号技能実習生を受け入れる場合は、実習実施者と監理団体ともに優良認定を受けている必要があります。

団体監理型の場合の受け入れ可能人数計算表

団体管理型の受け入れ可能人数

(例)

1. 実習実施者の常勤の職員が30人以下の場合:1年目は3人、2年目3年目は6人

2. 実習実施者の常勤の職員が30人以下の優良な実習実施者に該当する場合:1年目は6人、2年目3年目は12人、4年目5年目は18人

イメージ図↓(受け入れ年数の経過に伴い受け入れできる人数が増える。)

実習生増加イメージ

なお、団体監理型技能実習生の受け入れ数には上限が定められています。団体管理技能実習生の受け入れ人数上限

技能実習生が業務に従事するまでの流れ

以下では、企業が技能実習生を受け入れるまでの流れについて「団体監理型」のケースで見ていきます。

技能実習生受け入れまでのフロー

面接してすぐに入国できるわけではなく、以下のような手続きを経る必要があります。また、この申請の許可が下りるのを待っている間に海外現地で日本語等の事前教育を受けることとなります。

1. 外国人技能実習機構に実習計画認定の申請を行い、

2. 出入国在留管理庁に在留資格認定証明書交付申請の許可を得てから

3. 査証(ビザ)を取得して入国

技能実習生 入国後のフロー

※目安として面接日から半年ほどで入国し、1ヶ月間の研修を経てから就労になることを特に覚えて置くと良いでしょう。

技能実習制度の課題

技能実習制度は発展途上国の経済発展を担う国際貢献のための制度であり、受け入れ年数や人数、対象職種の制限があります。硬直した制度という面もある一方で、監理団体や行政によるチェックも厳しいので、適正に運用されれば、日本・送出国・人材3者にとって利のある制度となる可能性も秘めています。にも関わらずトラブルが盛んに取り沙汰されるのは何故なのか?私たちは、関係アクターそれぞれに問題があり、それぞれが少しずつ行動を変えていくことで、より良い制度にしていくことができると考えます。

1. 制度自体の問題

国連やアメリカ国務省による奴隷制度だとの指摘はともかく、やはり制度自体が完璧なものとは言えないでしょう。特に、労働基準法の対象としながらも技能実習生が3年間原則転職ができないのは問題です。確かに、決まった実習実施者、監理団体の下、3年間実習をしてもらっていた方が、国としても人の管理はしやすくなりますが、正当に転職ができないことで失踪が増え地下に潜る外国人材が増加している現状を考えると本末転倒でしょう。また、「特定技能」への切り替えが可能になった時点で、「母国に帰って技能移転をする」という本来の建前が意味を持たなくなってしまったのも残念です。

 

2. 監理団体の問題

2020年7月時点で3,000強の監理団体があります。こちらもよくニュースで取り上げられてますが、海外に面接に行った際に接待を強要したり送出機関にキックバックを当然のように要求したりする論外な監理団体も多いです。日頃の監査業務や技能実習生へのフォローは、監理団体によってというより担当者によって質が変わってくる面も多いと思いますので、どの監理団体とパートナーシップを組むかを決めるのは難しいかもしれませんが、まずは外国人技能実習機構のHPで、お付き合いを検討している監理団体が「一般」か「特定」かを確認しましょう。「一般監理事業」を行える団体が一定の要件を満たした優良な監理団体とされています。実際問題「一般」だからと言って良い監理団体とは全く限りませんが、そもそも「特定監理事業」しか扱えない監理団体ですと第3号技能実習を行わせることができませんので注意が必要です。

 

3. 送出機関の問題

候補者となる技能実習生から法外な手数料の徴収、偽求人での人材募集、履歴書の書き換え(母国での同業種の経験を求める制度にも原因がありますが)、低レベルな事前教育など、こちらも問題に事欠きません。人材の募集、教育という根幹になる部分で掛け違いがあると入国後に必ずトラブルになります。とはいっても、これらの問題は送出機関だけというより監理団体とグルになって行われてたり、監理団体がフォローを怠っていたりで生じるケースも多いので、実習実施者としては、まず信頼できる監理団体を見つけることが何より大事だと思います(まともな監理団体はまともな送出機関と提携する努力をしているものです)。監理団体担当者が提携している送出機関についてどれくらい把握しているか確認してみれば、なんとなくでも担当者の質が掴めるはずです。

 

4. 実習実施者の問題

暴力、賃金の不払い、計画以外の実習に従事させるなどニュースで取り上げられるようなあからさまに酷い企業でなくても、従来のやり方に固執してしまい外国人材に適切な教育・研修をできていない企業が多いです。「言葉ではなく背中を見て覚えろ」といって説明を怠る、相手の日本語のレベルを考えず一方的に説明してしまうなどがよく見受けられる例です。確かに、言われなくても先輩の仕事振りを見て覚えるというのは素晴らしい姿勢ですし個人的には共感もするのですが、日本人の若者に通用しなくなっているのと同様に技能実習生にも通用しにくいです。「言葉も通じないのにどうやって指導するの?」という方もいらっしゃると思いますが、今は行政も様々なサポートツールを作ってくれています。これらを活用して自社オリジナルの指導方法を編み出しましょう。それがゆくゆくは自社の採用におけるアピールポイントにもなるはずです。

また、賃金の不払いはないにしても日本人従業員と比較してあからさまに給与が安い企業も見受けられます。「日本人と技能レベルの差があるから」、「そもそも受け入れるための諸経費が色々と掛かっているから」といった理由も理解はできますが、日本人がやりたがらない仕事を安い賃金で外国人がやってくれるという時代ではもうありませんアジア諸国の賃金水準上昇率を見ればはっきりと分かることです。技能実習生修了後も特定技能としても雇用をし続けたいのであれば尚更、評価制度を導入するなどしてキャリアパスを明確に描ける制度を確立することは必須です。

 

5. 技能実習生の問題

送出機関や監理団体、実習実施者がいくら懇切にフォローをしても響かない技能実習生も存在します。そもそも失踪目的で来日したり、日本語や技能の修得に全く意欲を示さなかったり、喧嘩っ早く上手く共同生活が送れないという技能実習生も散見されます。私の知っている技能実習生でも「自分は留学生ではないから勉強はする必要がない」と言っている方がいました。。こういった技能実習生を減らすためにも、人材の選抜、教育に力を入れる必要があります。人に関わることですから、どれだけやっても100%になることは絶対にないですが、外国人材受け入れに関わる以上、向き合い続ける必要があるでしょう(外国人材に限った話ではないですが)。

まとめ

技能実習生に関して、極端なニュースや悲劇的なニュースほど好まれ、かなりのスピードで拡散していきます。制度自体に瑕疵があることは間違いないですし、制度そのものを変えていこうとする努力はしていくべきでしょう。ただ、この制度を活用して素晴らしい成果を出しているケースがあるのも事実です。送出機関、監理団体、実習実施者の各担当者が日々の業務レベルでも改善できることは相当あるはずです。

課題とそれに対する取り組み、外国人材雇用の悪い面と良い面、当メディアではこれからも様々な角度から外国人材に係る情報を取り上げ、協働の道を模索していきます。

リフト株式会社からのお知らせ

本記事でも触れましたが、在留資格「特定技能」創設により、「労働」は特定技能、技能実習制度は「研修・実習」といった棲み分けがなされることが想定されます(残業時間の規制強化など)。今後も、労働者として外国人材を雇用し続けたいと考えている企業様は「特定技能」への対応が急務となるかと思います。

弊社も登録支援機関として特定技能人材の受け入れサポートサービスを提供しておりますので、「特定技能について詳しく知りたい!」という方は、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

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