• リフト株式会社
    • 取締役 / Founder
    • 中村大介

    国内IT人材不足の解決策は?外国人エンジニアという選択

    GHR 外国人雇用マニュアル

    外国人雇用の7ステップ毎の実務と注意点を弊社オリジナルEbookとしてまとめました!

    ・ハイスキルな人材を採用する方法

    ・ビザの申請方法

    ・外国人社員の人事労務管理

    など、全37ページに渡って詳細に解説しています。

    ぜひ、外国人雇用の初めの一歩にご活用ください。

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    目次

    2020年には36.9万人、2030年には78.9万人不足すると言われているIT人材。なぜこんなにも不足するのか、日本企業はどうすれば良いのかまとめました。

    日本のIT人材の不足状況

    IT人材不足1

    ↑IT人材の供給動向の予測。2015年を境に徐々に減っていく。

    出典:2010年国政調査結果データ

    IT人材不足2

    ↑IT人材の需給ギャップ IT需要の伸び率に関わらず、IT人材の不足は確実(経済産業省推計より作成)

    経済産業省が公表したデータによれば、IT人材の需要が今後拡大する一方で、日本のIT人材数は減少が見込まれ、IT人材の需給ギャップは2030年までに最大で約79万に拡大する可能性があると試算されています。また、近年では第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手として、AIやビッグデータを使いこなし、付加価値の創出や革新的な効率化により生産性向上に寄与できるIT人材の確保が課題となっています。

    企業が獲得するべきAI人材については↓の取材記事をご覧ください!

    AI人材の最前線企業に学ぶ令和時代に企業がとるべきAI人材獲得戦略!

    日本で深刻なIT人材の不足が生じている5つの理由

    なぜ日本では深刻なIT人材の不足が生じているのでしょうか?そこには5つの理由があると考えられます。

    理由1:市場規模の成長

    IT人材不足3

    ↑日本におけるIT支出規模予測(ガートナー社の公表データから作成)

    「働き方改革」を契機とした業務効率化システムや、ソフトウェア、ビジネスサービスなど今後もIT市場の拡大が見込まれます。実際に国内民間企業のIT市場規模は、2017年度が前年度比2.3%増の12兆1,530億円と推計されています。2018年度が前年度比2.9%増の12兆円5,050億円、2019年度は同2.2%の12兆7,800億円、2020年度は同1.6%増の12兆9,840億円と予測されています。IT市場の成長に対して、人材の育成・供給が間に合っておりません。

    理由2:技術の変化

    これまでの企業にとってのIT活用は、業務の効率化やコスト削減が目的でした。そのため、システム開発を請け負うIT企業は、開発すべきシステムの姿が見えておりウォーターフォール型で開発する「課題解決型」の案件が多かったのです。しかし現在、IT技術はビジネスを創出して、新しい価値を生み出す目的で活用されています。アジャイル型を採用する「価値創造型」のIT企業が活躍する時代を迎えているのです。

    理由3:培ったスキルが廃れるのが早い

    エンジニアの仕事は体力勝負で、常に新しいスキルを磨き続けていかなければいけません。IT業界の成長スピードは、他の業種と比較しても、とてもスピーディーです。日夜、新たな技術が開発され、それを用いた最先端のサービスが注目を集めます。それはすなわち、現在使用している技術がすぐに衰退することを示しています。このような業界事情もあり、IT業界では「35歳定年」という説もあります。

    理由4:給与に対する満足度が低い

    IT人材不足4

    ↑IT人材の平均年収と国内全産業の平均年収の比較(経済産業省 報告書より引用)

    日本と韓国のIT人材は他産業と比較して平均年収がそれほど高くないため、求められる時間と労力の投資に対するリターンが低いと感じられてしまいます。他国と比較すると、このグラフでは米国の次に平均年収が高くなっています。他国ほどエンジニアへのリスペクトが高くないのはこのあたりが原因になっていると考えられます。

    理由5:若者のIT業界に対する3Kイメージ

    以前から、IT業界はネガティブなイメージが持たれています。最近までは3Kと言われていました。それは「きつい」「給料が安い」「帰れない」です。このネガティブなイメージが払拭されていないため、日本人のエンジニアが増えない大きな要因となっています。「私定時で帰ります。」に象徴されるように、現在ワークライフバランスが取れる企業が増えていることは事実です。そのため、この3Kイメージの問題は今後解消されていくと考えられます。

    一つの解決方法は海外に目を向ける事!

    日本のIT業界は現在も今後もエンジニア不足であることに間違いはありません。この問題の一つの解決策が、外国人採用という方法です!以下、注目すべき国々を挙げていきます。

    東南アジア

    バングラデシュやベトナムでは、ITアウトソーシングで若者の雇用を創出するためにIT教育に力が注がれています。そのようなIT教育の影響もあり、毎年200社以上のスタートアップ企業が生まれています。特にベトナムは2014年頃から日本企業の最大のオフショア開発先になるなど、日本との関係が深まってきております。↓の表ではまだまだベトナムエンジニアと日本のエンジニアの年収ギャップが理解できます。

    IT人材不足5↑ベトナムのエンジニア年代別給与(経済産業省報告より引用)

    インド

    インドのエンジニア数は世界最大と言われています。インドは安定志向の考えを持っており、エンジニアも安定したキャリアと見なされています。子供を地方から都会の私立大学に進学させる親も増えているのです。そのため、インドでは10年で工科大学の数が1,500校から3,300校近くに倍増しています。しかし、それでもエンジニアとして就職できるのは一部の人材だけです。高い技術力を持っているけれど、就職先がないインド人のエンジニアを採用する方法も1つの方法です。↓のグラフでは突出した人材は破格の年収をもらっているものの、ボリュームゾーンは低い年収に止まっていることがわかります。

    IT人材不足6↑インドのエンジニア年代別平均年収(経済産業省報告より引用)

    ヨーロッパ

    ヨーロッパはITサービス輸出国としての躍進が目覚ましいです。とくに、ブロックチェーンやゲーム開発などで競争力があり、製品を開発するスタートアップ企業も増えています。起業も盛んでITシティ、ITパークも誕生しています。唯一の難点は日本にメリットを感じていない方が多いという事です。特に給与水準でいうと、優秀なエンジニアが満足のいく額ではない可能性があります。しかし、給与以外の面、例えば*西洋とは異なる無駄を省いたシンプルさなどを体現した独特な文化などが高い評価を得ています。イギリスのフューチャーブランド社が発表した国・地域の評判を基準とした「フューチャーブランド・カントリー指数」のランキングでは、日本が1位を獲得しました。こういった文化面など、日本で生活するメリットなどを今後は発信していく必要があります。

    ※引用元:https://www.jiji.com/jc/article?k=2019062900146&g=int

    外国人ITエンジニア採用のメリット・デメリット

    日本でのITエンジニア不足の問題の解決方法として外国人ITエンジニアの活用が効果的だと思われます。これまで外国人ITエンジニアの雇用には慎重で、できる限り生え抜きの人材を教育して新技術に対応しようとしてきた企業も、徐々に外国人ITエンジニアの採用に乗り出しはじめました。実際に雇用している企業の方が感じたメリット・デメリットをご紹介したいと思います。

    外国人ITエンジニアを採用するメリット

    外国人ITエンジニアを採用することの最大のメリットは、

    最先端の技術に乗り遅れなくなること

    です。

    IT分野というのは技術流行の変化が速い分野です。Webアプリケーションでフロントエンドのライブラリの使い方を覚えても3年も経てば覚えた知識が枯れた技術になっていることはザラにあります。

    逆に言えば、その技術が盛んな言語やコミュニティに精通しているエンジニアがいれば素早く流行の技術にキャッチアップすることができるということです。ITにとって情報収集のスピードは命です。

    中国のIT技術に対応できる

    技術の発展は英語圏だけではありません。

    特に隣国中国の発展には目を見張るものがあります。ATB、アリババ、テンセント、バイドゥの上位3社を筆頭として、5G、人工知能、クラウド、ビックデータなどのコア技術を絶えず作り出しています。2019年に中国のlTトップ100社が保有する発明による特許は6万件に近いとされています。

    その他下記のような中国語の情報サイトでも絶えず新サービスや新技術に関する情報がアップされています。

    ・中国版「Techcrunch

    ・中国版「engadhet

    ・「36Kr

    ・「TechOrange

    情報感度の高い日本人ITエンジニアの中には中国語を学んで、情報収集に努めている方がいらっしゃいますが、ビジネスサイドからすれば、慣れない中国語で情報収集するよりも英語での情報収集に専念してもらい、中国語の技術情報は中華圏出身の中国語を母語とするエンジニアを採用した方が効率的です。

    新しい技術が盛んに研究、開発、実装されている文化圏の言語を知っているかどうかは死活問題になります。既にスケールした技術を扱うなら、数年前に流行った技術の翻訳や、英語のリファレンスをゆっくりと読み込めばいいですが、他の企業よりも一足も二足も抜きん出るためには、多くの情報ソースに素早くアクセスするための、自然言語つまりは中国語を使いこなす力が必要です。

    したがって、中華圏のITエンジニアを採用することができれば、より素早く情報収集することが可能ということです。

    クローズドなエンジニアコミュニティから情報収集できる

    エンジニアはネット上での交流が盛んで、特定の技術についてLingrSlackなどのクローズドなチャットツールを使って情報共有を行っています。そこでは、既に見知ったエンジニア同士の知見共有なども行われており、マイナーな技術なら、そのチャットルームがどんな書籍よりも濃い情報のやりとりが行われているということが少なくありません。

    英語でググってドキュメントやStack Overflowを調べて終わり、という情報収集ばかりしていれば、そういったクローズドなコミュニティがあることすら意識しないかもしれません。それは恐ろしいことです。外国人ITエンジニアと一緒に働くことで、その外国人が母国で利用しているクローズドなチャットツールを使い、リアルタイムで更新される情報ソースに素早くアクセスし、社内で共有することが可能となります。結果として日本人だけの開発現場より非常に多くの情報リソースに圧倒的なスピードでリーチできるようになり、生産性が向上します。

    外国人ITエンジニアを採用するデメリット

    外国人ITエンジニアを採用することのデメリットは大きく分けて①言語手続き身の回りのサポート の3つが挙げられます。

    コミュニケーションに時間がかかる

    最初に考えられるのは、日本語能力が足りずに社内のコミュニケーションが上手く行かないことです。英語が使える職場であれば全く問題ないのですが、そんな職場はごく一部でしょう。開発言語で語るのにも、限界があるのは事実です。英語学習、日本語学習で共にインセンティブを与えるなど、言語能力向上のための施策や、Slack・Docbaseなどの情報共有ツールを活用し、できる限り文字化をして翻訳機能を用い伝えるなど、環境面を整える施策など、コミュニケーションに関する課題の解決に向け各社必死の取り組みをされています。ビジネスサイドの人間が長期的な視野を持って育成すれば、半年から一年後、言語の障壁が取り除かれてくると、チームの生産性が劇的に向上するでしょう。

    新卒フィリピン人ITエンジニアを採用した株式会社NCネットワーク様の事例がコミュニケーションの参考になるかと存じます。よろしければご参照ください。

    【事例に学ぶ新卒外国人エンジニアの採用と教育】〜株式会社NCネットワークチーフエンジニア芦田氏の挑戦〜

    手続きに時間がかかる

    外国人を雇用する場合には日本人を雇用する場合と異なり、「在留資格の管理」が必要になります。しかし、基本的にそれ以外の手続きは日本人社員と同じ扱いとなります。一度実際に採用すれば、

    「ちょっと工数が増えるけど、そんなに難しくないな。

    と実感していただけるかと存じます。ある程度まとまった人数を雇用されている場合は、クラウドサービスを利用することによって在留資格など外国人社員の情報を効率的に管理することも可能ですので、おすすめです。

    日本の生活に慣れるまではサポートが必要

    仮に海外からITエンジニアを招聘する場合、日本の生活に慣れるまでは、社員が電車の乗り方や生活用品を揃えるためのお店の紹介などを担っている企業様が多いです。多くの場合、異文化交流が好きな社員が自主的に行ってくれるようですので、さほど心配はいらないかと思いますが、会社としてそういった活動をサポートする奨励金などの仕組みがあっても良いでしょう。

    また、外国人ITエンジニアが一番日本で困るのは、住居をなかなか借りることが出来ないことです。理由は生活習慣の異なる外国人の入居を禁じている大家さんが多いからです。弊社も住居サポートの会社と提携しているため、企業様、候補者様のご希望に応じて紹介させていただいておりますが、できる限り、企業様で社宅を契約してあげると良いでしょう。

    まとめ

    日本国内の労働人口が減少の一途を辿る一方でIT市場は拡大しているため、IT企業は慢性的に人材不足に陥ると言われています。この問題を解決するために、将来への投資と思って初めての外国人ITエンジニアの雇用を視野に入れてみてもいいかもしれません。

     
     

    編集長

    1985年兵庫県生まれ。2008年に大学卒業後、新卒でフランチャイズ支援及び経営コンサルティング業を手がける東証一部上場企業に入社。新規事業開発に携わった後、ベンチャー企業に転じ執行役員としてセールスに従事。2015年、リフト株式会社を設立し取締役に就任。現在推進されている「CAREER PICKER」,「balance talent」,「DIVE」など、日本企業に外国人雇用を推進する様々なサービスを開発。また、経営企画や人材採用などCOOとして幅広く活動中。趣味は、海外旅行とサーフィン、ゴルフ。