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ASEAN諸国で広くビジネスを手がける井上氏が語る、海外進出の考え方と、現地人材マネジメントポイント(後編)

目次

井上様①-1

↑快く取材を受けてくださった井上氏 

株式会社NCネットワーク井上氏の取材記事後編です!前編では同社海外事業の事業展開と、海外進出の考え方についてお伝えしました。今回は海外事業部を運営していく上で課題となる現地人材のマネジメントについてお伝えします!

まずは「現地の方の目線に合わせること」が大切

ーー現地での人材マネジメントについて意識しておくべきことを教えてください!

井上氏:まずは、現地の方と同じ目線で向き合うことがすごく大事です。日本人と欧米人の関係に置き換えて考えるとわかりやすいのですが、日本人って欧米人に弱い人が多いじゃないですか。もし仮に欧米の方が上司で、その方に横柄な態度を取られたら心は開けないですよね。おそらくそれと同じだと思うんですよ。日本人だって同じアジア人なのになんでそんなに偉そうなのと。考え方が横柄だと、表情や細かな行動に出てしまい信頼関係を築けません。実は私も中国に進出した最初の頃は無意識にそういった態度が出てしまい部下との関係がうまく行かないことがありました。しかし必死で中国語を勉強し、同じ目線で向き合うことを徹底した結果、関係がうまくいくようになりました

ーー有意識で「現地の方と同じ目線で向き合う」ことを徹底すべきなんですね。

ーー現地の方と目線を合わせる上で大切にされていたことはございますか?

井上氏:片言でも良いので現地語をできるだけ使うことです!現地語を話せるようになることは実はすごく大事だと思います。まずは挨拶とか、ちょっとした言葉を覚えることでみんな信頼してくれます。私は約2年間の中国語学習で商談は厳しいまでも、社内ミーティングができるようになりました。ぜひ現地語を学んでください。

ーー現地法人でのコミュニケーションはやはり現地語がメインなのですか?。

井上氏:中国拠点は社員の90%が中国人でコミュニケーションは日本語と中国語です。タイは、75%がタイ人ですが、言語に関してはマネジメントの人間によります。最近は社内でもタイ語を使える日本人が増えてきているため公用語がタイ語になりつつあります。当然ですが母国語で話しをする方がコミュニケーションミスが生まれにくいからです。お互い慣れない英語を使うより、できるだけミスなくコミュニケーションを取れる言葉に合わせていくことは重要ですよね。

ーー言語以外で「目線を合わせるためにとるべき施策」はございますか?

井上氏:家族への帰属意識が強いことを理解した行動をとることですね。アジア諸国には日本人の想像以上に家族を大切にする文化があります。月並みですが、家族を呼んで旅行に行ったりですとか、忘年会をするときには家族を呼んでもOKにしたりすることが大切です。「会社と家族みんなでイチゴ狩りに行きましょう」なんてこともありました(笑)そういうのはみんな好きなんですよ。

ーー「忘年会に家族参加」とは驚きました!

ーーその他に大切にされていたことはございますか?

井上氏:将来必ずこの中からリーダーを出すんだという気持ちも大切だと思います。日本企業が海外に進出する場合、様々な理由から日本人が現地でずっと陣頭指揮をとれない場合が多いです。現地人材にのちに事業を任せることを予め踏まえた上で信頼関係を作ることが大切です。

評価制度は「曖昧にしない」ことが大切

ーー次に評価制度について教えてください!

井上氏:まず何をやって欲しいかを明確に伝えることが大切です。その上で目標を達成するまでの分かりやすい道筋を一緒に作り上げていきます。日本人は明確な目標管理に慣れていないため、「とにかく頑張りましょう」みたいな大まかなアドバイスしかしない場合が多いです。しかしそうすると何が評価されるのかわからないので、「何を頑張ればいいんですか?」ということになるんですよね。仕事内容を具体的なステップに落とし込み、実際にそれをすれば必ず適正に評価される制度を構築すべきです。

ーー評価対象の明確化が大切なのですね。

井上氏:評価制度を曖昧にしてしまうのは日本人が特殊なのかもしれません。「日本の常識、世界の非常識」と言いますしね。中国にしてもタイにしても、優秀な人間は評価が明確で給料が高い外資に行きますから。進出を考える日本企業は優秀な人間は大体外資にいくということも覚えておいて欲しいですね。

採用は知人や社員からの紹介が効果的

ーー現地での採用はどのようにされているのですか?

井上氏:現地の人材紹介会社を利用したり社員や知人に紹介してもらったり様々な方法を使っています。

ーー人脈が重要なんですね!

井上氏:何かしらのご縁があって、取引先のご紹介や社員の親戚だとかで入社してもらいます。実はこれが一番定着率が高い採用手法になっています。海外でビジネスを行っていく上で、しっかりと背景を知っているメンバーがいるのは心強いですよ。

ーー基本的には定着が難しい状況なのでしょうか?

井上氏:一社に対する帰属意識は日本よりは薄いかもしれませんね。入社したら最後まで勤め上げるという文化ではないです。ただ、日本もそう変わっていっているので、そこまで大きな違いかというとそうではないですね。

ーー活躍する方に特徴はありますか?

 

↑アルベリー社の男女比率 単位(人)

井上氏:当社でいうと女性に活躍する方が多いですね。例えば、中国、ベトナムの代表は現地の女性ですし、タイのアルベリー社は30名の会社で、男性は2人だけです。性別で差別することは一切ありませんが、結果的に残る優秀な方は皆女性という現状があるんです。

海外戦略を担う、国際感覚豊かな社員を育てる方法は?

↑新卒フィリピン人エンジニアのお二人と、教育担当の芦田さま(詳細は次週)

ーー国際感覚豊かな社員を育てる秘訣を教えていただけますか?

井上氏:できるだけ海外の経験を積ませるために、人材育成の一環として海外出張を経験してもらっています。例えば弊社が主催する展示会に参加されるお客様のアテンドなどですね。また、これからは日本で採用したメンバーを海外に出向させ、海外で採用したメンバーを日本に出向させるという人材交流に取り組んでいきます。こういった交流が増えると、外国の方と国籍問わず仕事をするんだという意識が出て盛り上がりますよね。

ーー今年は新卒でフィリピンの方を採用されたとお聞きしました。

井上氏:そうですね。新卒でフィリピン人エンジニア2名を採用しました。今は社員同士英語と日本語のちゃんぽんで頑張って喋ってますよ(笑)(後日詳細記事を掲載します!)

ーーその他にもベトナム、中国出身の方など、日本法人で多くの外国籍人材が活躍されているようですね!

井上氏:日本の法人で外国人を採用すると、日本人社員にとっていい刺激になりますよ。例えば、うちにいる外国人は非常に優秀なんですよ。頭も切れるし、責任感もある。日本語が第二言語というハンディキャップを必死に乗り越えようとしていて、ハングリーさを感じます。すると日本人社員もぼーっとしていたらダメだなぁとなりますよね。外国籍社員のおかげで組織が非常に活性化していると感じています。

ーー非常に勉強になるお話をたくさんお聞かせいただき誠にありがとうございました!

今回取材させていただいた株式会社NCネットワークについて詳細は↓からNC network

同社海外事業サイトは↓からFNA Factory Network ASIA Group

Global HR Magazine編集部より

前編、後編と井上氏には非常に勉強になるお話をいただきました。特に「外国籍人材の採用は社内の活性化にも繋がっている」というお話は弊社でも実感しているところです。現在外国籍社員比率20%の弊社の組織体制につきましては、下記資料をご参照ください。外国籍人材との協働は今後間違いなくメインストリームとなります。下記事例が貴社のグローバル化に少しでもお役に立てれば幸いです。

↓外国籍人材雇用を成功させる組織体制について(自社事例)自社事例から紐解く外国籍社員との協働と共生

 
井上直樹氏

1992年大阪市立大学工学部情報工学科卒業し、日商岩井(現双日)に入社。鉄鋼本部に配属される。2003年、所属部署の事業合併に伴い、鉄鋼専門商社メタルワンへ移籍。同年、同社と三菱商事の出資による新会社NCネットワークチャイナ設立のため、中国に渡る。同国で製造業に特化したビジネスマッチングサイトの開設や会員誌の発行、商談会の開催など、事業基盤の確立に尽力。中国・タイでの事業を成長させ、約15年の海外滞在を経て日本へ帰国。NCグループの取締役に就任。