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    【事例に学ぶ新卒外国人エンジニアの採用と教育】〜株式会社NCネットワークチーフエンジニア芦田氏の挑戦〜

    外国人雇用は難しくない

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    ぜひ、外国人雇用の初めの一歩にご活用ください。

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    目次

    株式会社NCネットワーク

    芦田 真一

    要件定義から運用保守までを1人または少人数で対応する案件を多数担当。2008年から株式会社NCネットワークでエミダスの開発に従事。

    アリシア 

    2019年より株式会社NCネットワークのサービス開発部にプログラマとして新卒採用される。明るく積極的な性格で、入社直後から芦田氏とカット氏のブリッジとしても活躍中。

    カット 

    アリシア氏と同時期に同社のサービス開発部にプログラマとして新卒採用される。プログラミング理解力が高く、集中力を切らさず対応ができる。

    大山 奈央 

    2017年同社に新卒入社、広報・経営企画室に配属される。新卒採用、新人教育、社内外の各種イベントの取りまとめなどを担当。

    NCネットワーク①-1

    ↑左から株式会社NCネットワークの社内エンジニアである芦田氏、カット氏、アリシア氏


    「自社が求めるスキルの人材を探していたら、外国籍エンジニアを採用することに!」

    「突然外国籍エンジニアの採用が決まり、なんとその教育担当に任命された!」

    職場のグローバル化が進んで行く中で、上記のような体験をされる方が徐々に増加しています。

    今回ご紹介する株式会社NCネットワークの芦田氏は、2019年4月から人生で初めて新卒外国籍エンジニアの教育担当として業務に励んでらっしゃいます。

    「最初はやはり不安だった」とおっしゃる芦田氏ですが、「やるからにはできる限りいい結果になるように」と受け入れ体制を構築し、幸せな協働を進めています。

    読者の皆様には本事例で芦田氏のご経験を追体験し、来るべき外国籍エンジニアとの共創に向けてどんな点が課題になるのか、またどんな準備をすれば良いのか、具体的な働き方のイメージを持っていただければ幸いです。

    採用の決め手はスキルのマッチとモチベーションの明確さ

    Q. まずはじめに外国籍エンジニアの採用に至った経緯を教えてください。

    芦田氏:最初から採用ターゲットを外国籍の方に絞っていた訳ではなく、自社システムの開発ができる人材ならば、言語・国籍に関係なく採用したいと考えておりました。その結果、今回はフィリピン人エンジニア2名と日本人エンジニア1名の採用となりました。

    Q. 日本人エンジニアの採用は難しくなっているのでしょうか?

    芦田氏:それは確かにあります。いわゆる青田買いも増えてきていて、インターンも大手だったり、いろんな輝かしいベンチャーに行ってしまいます。システム開発をやっていてもなかなか望むような人材は来てくれないという課題はありました。

    Q. フィリピン人のお二人はどのような方法で採用されたのでしょうか?

    芦田氏:弊社代表の内原と縁のある方からフィリピン現地の大学の就労支援をしないかというオファーを頂いたのがきっかけです。フィリピンのバギオ空港からバスで6時間ぐらいの町に取締役の井上と私で面接会に行きました。大学職員の方に案内され面接会場に行くと30名の候補者が1つの教室にいて、一人一人自己PRをしてくれることになりました。かなり車酔いが激しい状態で30名を一気に面接することは非常に大変でしたね(笑)

    ーーなかなかないシチュエーションですね(笑)

    Q. 採用の決め手となったポイントはなんだったのでしょうか?

    芦田氏:採用の条件としては大きく2つで考えておりました。1点目はPHPなどの言語を専門に学んでいること2点目は日本で働きたい理由がしっかりしていることです。30名の候補者はネットワーク系を専門に学んでいた学生や、PHPなどの言語を専門に学んでいた学生が混在している状況でした。その中で彼女達はプログラミングを専門としていましたし、さらに日本に来たい理由として、「日本で一生懸命働いたお金で仕送りをして、家族を幸せにしたい。」と力強く語ってくれましたので、自信を持って採用することができました。

    受け入れにあたり一から開発環境を再構築

    NCネットワーク②-1

    Q. 実際に就労が始まる4月までにされていた準備はございますか?

    芦田氏:採用した二人には2018年の9月から現地の日本語学校で6ヶ月間の日本語研修を受けてもらいました。私がした準備としては業務フローの再構築です。

    Q. 業務フローの再構築とは具体的にどのような施策をされたのでしょうか?

    芦田氏:元々正社員のエンジニアが私のみで、あとは実力ある外部エンジニアが数名という状況でした。そのため仕事のやり取りは「こんな感じのこんなイメージでお願いします。」と口頭で行なっていました。しかし新卒エンジニア3名(日本人一人、フィリピン人二人)がチームに加わると従来のやり方では仕事が回せないと思いまして、まず「バックログ」という進行管理ツールを導入し、タスクの割り当て粒度を定めました。

    Q. 「タスクの割り当て粒度を定める」とはどういうことでしょうか?

    芦田氏:僕らはある程度経験を積んでいるので、この規模感だとこれくらいの作業ステップだと感覚的に分かりますが、経験が浅いとはその感覚がなく、あらかじお願いする作業を細かいステップに分けて進捗を管理する必要があります。例えば、「プログラムを書く。」「確認をする。」「上長に報告をする。」「終わったら最後検証環境にリリースをする。」という感じです。その辺の環境構築を三月からやり始めて約2ヶ月で仕上げました。

    backlog

    ↑実際に使用しているバックログのスクリーンショット

    Q. 開発環境の抜本的な改善がスムーズな新卒の受け入れに繋がったのですね。

    芦田氏:進行管理ツールがないと彼女たちもどこでつまずいて何ができなかったかが中々理解できないと思います。さらに最近はバックログのテンプレート機能を用いての作業報告を導入しました。仕事を通じて理解したこと、疑問に思ったことは普段なかなか伝えられないと思います。文書データにしてそれを管理すれば、現在自分が担当していない場面での知見も溜まってくると思います。ですから新卒に関しては必ず各タスクが終わった段階で作業報告を書いてもらって私が報告の中に追記する形で疑問点の解消をしております。

    オフタイムのケアも重要

    ↑英語力を生かし、日頃の業務から生活全般に到るまでのサポートをされている大山氏

    Q. 意思疎通はどのように図られたのでしょうか?

    芦田氏:私は英語は苦手ですがプログラマーなのでコードで語ります!例えば

    「このOutputでこのプログラムなんだけど、じゃあ、ここのコードはもっとこうした方が良いよね。」

    という感じです。ただ、やはりコードで伝えきれない部分もあります(笑)例えば、

    「もっとこうした方が良くなるよ。」

    軽く指摘しているつもりなのに、「否定」の部分だけが強く相手に残ってしまうということがあります。ですから一通り注意点を話した後に、Slack(ビジネスチャットツール)で、

    「強く否定している訳ではないんだよ。」

    と別途文章のメッセージを送ることもあります。

    Q. そこは表情などを見てのご対応なんでしょうか?

    芦田氏:リアクションを見ていると何を考えているのか、どういう受けとめ方をしているかというのがわかってきます。努力の甲斐あってか、最近では僕に突っ込みを入れてくるくらいには打ち解けられています(笑)

    ーー特別に英語力がなくともなんとか仕事は進められるのですね。

    芦田氏:細かいニュアンスですとか、日常生活のサポートなどは私一人ではできない部分もありました。大山さんを中心としたオフタイムでのサポートがないと彼女たちもメンタルが落ち込む部分もあるんじゃないかなと思いますね。

    Q. 大山さんはどのようなサポートをされたのですか?

    大山氏:空港で出迎え、その日家に送り届けることからサポートを開始しました。全く知らない国での生活で、電車に乗るのもほぼ初めてとのことでしたので、生活全般が問題なくできるようになるまで土日になったら社員の誰かがお出かけに連れて行くなどのサポートをしていました。最近も雰囲気がくらい時などはお出かけに誘っています。

    ーー素晴らしいサポート体制ですね!

    文化を頭に入れつつも、一番は個々人を見ること。

    Q. 当初の想定とのギャップはございましたか?

    芦田氏:正直最初に外国人採用するよと言われた時は不安でした。意思疎通等々含めて大丈夫かなと。しかし彼女たちも日本で働きたいという思いがあって、僕たちの話すことを一生懸命理解しようという姿勢ですので、こちらも彼女たちが何を言いたいのか理解するように歩み寄っていけば特に何も問題は起きないのではないかと思っております。

    ーー 芦田様と同様に新卒の外国籍エンジニアの採用・教育を担当することになった方に向けたメッセージをお願いします!

    芦田氏:その国その国の文化を理解した上で、紋切りの対応するのではなく一人一人を見て対応することが大切です。例えば家族を大切にする文化であれば、家族をないがしろにするような発言にはこれまで以上に注意したり、文化を押さえた上で、目の前の部下がどう感じているのか考えを汲み取りながら合わせていくということが大切だと思います。

    Q. 新卒の外国籍エンジニアを雇用したい日本企業に伝えたい事はございますか?

    芦田氏:日本人の新卒と業務習熟速度に差があることはあらかじめ理解してもらいたいと思います。言語のハンディキャップがある分、当然日本人と同じ速度で習熟することは難しいです。弊社の場合は

    「最初は元気にやってくれていたら良い。」

    というくらいの温かい空気で仕事をさせていただいているので、彼女たちに合わせた仕事の配分が出来てます。新卒で外国籍の方を雇用する場合にはそこの理解があるといいと思いますね。

    ーー大変勉強になるお話をいただきありがとうございました!

    編集後記

    今回ご紹介した株式会社NCネットワークのみなさまの取り組みは、今後新卒で外国籍ITエンジニアを採用する企業の教育担当のみなさまにとって非常に勇気づけられる内容だったのではないでしょうか?

    外国人雇用のはじめ方についてはこちらの記事をご参照くださいませ!

     
     

    福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。