更新日:2021/08/03
目次
(左からミャンマー出身のイさんとワーさん、トライ企画城南営業所所長の濱井氏)
「事業所に技能実習生が入ってくることになったけど、どうコミュニケーションをとっていいか分からない」
「他社ではどのように定期面談をしているのだろうか?」
そんなお悩みをお持ちの担当者様にイメージを掴んでいただくべく、ビルメンテナンス職で19名もの技能実習生を受け入れていらっしゃる株式会社トライ企画城南営業所所長の濱井氏と監理団体職員の山本氏による技能実習生との定期面談現場をお届けします。
通訳を交えた実習生との定期面談風景
*以下の面談は、ミャンマー語通訳立ち合いのもと行われています。
濱井氏:それではみなさんよろしくお願いします!早速ですが、日本語はどのくらい伝わっていますか?
イさんとワーさん(以下「実習生」):分からない時もたまにあります。分からない時は聞くようにしています。
濱井氏:掃除の作業内容は責任者からちゃんと教わっていますか?
実習生:最初は丁寧に教えていただきましたが、最近は教えていただく場面が減っています。
濱井氏:指導担当者とのコミュニケーションは取れていますか?
実習生:あまり取れていません。
濱井氏:自分から積極的に話しかけるようにね。指導担当者からは二人の積極性が少し足りないと報告を受けています。具体的には、分からないことがあれば積極的に質問して欲しいそうです。
実習生:仕事中は喋っていけないと思っていました。あとは、日本語を間違えてしまうのが心配です。
濱井氏:間違えても大丈夫だからどんどん喋って行こうね。その方が日本語覚えるよ。
実習生:はい。どんどん質問するようにします。
濱井氏:もう一つ指導担当者から話が出ていましたが、二人は仕事にもっと出たいのか、それとも休みがもっと欲しいのかどっちですか?
実習生:もっと仕事に出たいです!
濱井氏:分かりました。可能な範囲でシフトを増やしていきます。
濱井氏:二人は今心配なことありますか?
実習生:技能試験に受かるかどうかです。。。
濱井氏:動画を見て勉強すれば大丈夫。全体で講習会もあるからそこで一生懸命勉強してね。
実習生:分かりました。頑張ります!
濱井氏:他に何か心配なことありますか?
実習生:私たちは仕事間違えてませんか。心配です。
濱井氏:もう少し積極性さえあれば、大丈夫だよ。他には何かあったら、直接でもLINEでもどっちでも大丈夫だから相談してね。
実習生:はい。
濱井氏:食べ物は買えてるの?
実習生:お母さんがミャンマーから送ってくれています。
濱井氏:そうだったんだね。おやすみはどこかに遊びに行きましたか?
実習生:鎌倉に行きました! Googleマップで行けました。
濱井氏:だいぶ慣れてきたみたいだね。
(写真右端は監理団体の山本氏)
山本氏:この前の日本語試験はどうでしたか?
実習生:試験会場に辿り着けませんでした。市役所の前まで行ったんだけど、中の会場の場所がわからなかったから。
濱井氏:えーっ。連絡してくれればよかったのに!
実習生:休みの日に連絡するのが申し訳ないから聞けませんでした。
濱井氏:遠慮しないで!山本さん次の試験っていつでしたっけ?
山本氏:次は12月です。スケジュール共有しておきます!
濱井氏:次は会場まで案内してあげるからね。
実習生:ありがとうございます。日本語勉強頑張ります。
山本氏:日本語は日本のドラマで覚えるのがおすすめだよ。部屋のテレビで日本のテレビは見てますか?
実習生:テレビは見てません。スマホでアニメやフィギアスケートを見てます。
山本氏:ドラマは見ないの?おすすめだよ。
実習生:見てません。ニュースばっかりだから見なくなってしまいました。
濱井氏:山崎賢人と広瀬すず見れてなかったんだ!
山本氏:山崎賢人と広瀬すず好きなんですか?
実習生:「ちはやふる」を見て、広瀬すずのファンになりました。
濱井氏:そういうのも知りたかったら聞いてね。「広瀬すずのドラマは何時からですか?」って。
実習生:所長は忙しいと思って遠慮していました。
濱井氏:LINEでもなんでも使って聞いて大丈夫だからね。
実習生:ありがとうございます。これからは聞くようにします!
面談後濱井氏に単独取材させていただきました!
ーー今回は取材のご協力ありがとうございました。早速ですが、濱井様が実習生と関わるようになった経緯を教えてください。
濱井氏:2016年、最初の実習生受け入れが決まった際に、
「まず、お前のところに入れるぞ」
と社長から通達を受けました。正直最初は不安でしたね。果たしてうまく馴染めるのかなと。
ーー実際に取り組んでみていかがでしたか?
濱井氏:実際にコミュニケーションをとってみると、とってもいい子たちだなということが分かりました。素直に話を聞いてくれて、先ほど積極性がないという話をしましたが、1期生は非常に積極性がありました。仕事を学ぶ姿勢もそうですし、日本にどんどん馴染みたいという姿勢がすごかったですね。
ーー日本の生活に馴染む姿勢というのはどういったところなんでしょうか?
濱井氏:これはベトナムの子達ですが、茨城とか栃木とかにいる実習生仲間と個人的に会いに行ったり、会社内でも1〜3期生が集まって自主的にバーベキューしたりと非常にフットワークが軽いんですよね。特にベトナム出身の実習生はカインというリーダー格がいて、その子がうまく実習生の統率をとってまとめてくれているので助かっています。11月末でその子が帰ってしまうので今後はどうなっていくのかなと心配ですね。2期生はみんなリーダーというよりは真面目で大人しい感じの子が多いですから。
ーー代によって雰囲気が異なるのですか?
濱井氏:全く違いますね。おそらく送り出し機関の違いもありますが、経済成長による変化だろうと思っています。特に2期生(2017年)以降は日本の若い子とあまり変わらないですね。IT機器への習熟度も高く、凄まじいスピードで変化しているなと感じます。
ーー技能実習制度を利用してこれまでで一番大変だったことを教えてください!
濱井氏:一番大変であり、乗り越えなくてはならないのはやはりコミュニケーションだと思いますね。生活の指導であったり、仕事のルールを覚えてもらうことだったり、全てにおいて粘り強くコミュニケーションをしていかないければならないと思います。
ーー最後に濱井さんと同じように初めて技能実習生を受け入れることとなる方に向けてアドバイスをお願いします!
濱井氏:不安なのは実習生達も同じです。ですから彼らと同じ目線で一度考えた上で、考え方やルールなどこちらから伝えなくてはならないこと伝えることと、実習生からの意見もしっかり聞くという姿勢が大事なんじゃないかなと思います。やはりコミュニケーションを取れないことには何も始まりません。仕事から人間関係の悩みまで、出身国は違えど人間はやっぱり同じなんでね。
ーー貴重なお話ありがとうございました!