• 大連芥末人力資源服務有限公司
  • 営業部
  • 梶 真寿美 氏

中国大手人材会社に学ぶ、中国人採用の過去・現在・未来

目次

中国大手人材会社に学ぶ 中国人採用の過去・現在・未来 (1)

中華圏からのインバウンド客対応ができる、中国語と日本語のバイリンガルスタッフを採用したいので、まずは中国人採用の現状について大筋を理解したい。

中華圏からの旅行客数が増えるにつれ上記のような情報ニーズを持つ企業様が増えています。

2018年末に発表された政府統計によると、日本に在留している外国人約273万人のうち中国出身の方が約76万人で最も多くなっています。

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↑2018年12月調査の国籍・地域別 在留資格別在留外国人の統計(e-stat)を加工。

また日本に在留する中国人はここ5年で急激に増えました。

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↑ 2012年〜2018年国籍・地域別 在留資格別在留外国人の統計(e-stat)を加工。

今回はこれほど増えた日本で働く中国人の採用事情について、大連芥末人力資源服務有限公司営業部の梶氏に素朴な疑問をぶつけ、日本で働く中国人の過去・現在・未来の姿を克明にして参ります。

本記事が今後中国人との協働を進めていく日本企業の皆様に少しでも力になれましたら幸いです。

日本に働きに来る中国人の変化

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↑空港の免税店への就職が決まった中国人候補者のみなさん。

Q:日本で働きたい中国人材の変遷を教えてください。

A:以前は高い教育を受けて知識やスキルがあり、日本語もできるようなハイスペック人材と、出稼ぎを目的とした肉体労働を担う人材という2パターンが多かったです。しかし最近ではその中間層も増えてきています。具体的には、中国で大学や短大までは卒業しているけれども、何か特別秀でたものがあるわけではない、もしくは日本語もそこまで上手ではない、という人材も、日本就職を希望するケースが増えて来ています。以前はこのような方々が日本で就職できる機会はあまりありませんでしたが、最近ではホテルのフロントスタッフや宿泊施設、リゾート施設、量販店や免税店の販売職、旅行ガイドなど、日本語ができなくてもこういった職種に就労出来る機会が増えてきました。日本で中国からのインバウンド客が増えたことが大きな要因でしょう。また、以前まで大連の大学生が日本語を学ぶ理由は、大連の日系企業で勤務するためという人が多かったのですが、最近の世代では大連で日本語を学び、大連で就職するのではなく直接日本に行って働きたいという学生が増えています。インターネットやSNSの発展により、海外就職自体への心理的なハードルが下がっているように感じます。以前は知ることのできなかった日本の生の生活情報にも簡単にアクセスできるため、「日本で働く」ということがリアルにイメージしやすくなっているのだと思います。

中国人が日本で働くモチベーション

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↑大連で日本企業への内定が決まり、出発日を迎えた中国籍のみなさん。

Q:中国人の日本で働くモチベーションを教えてください。

A:日本語を学んだことがある人もない人も、日本で働いて今より良い生活を手に入れたい、現状を変えたいと考えている人が多いです。さらに理由を突き詰めると、自身のスキルアップ、生活向上のためという人もいれば、家族のため、子どものためという人もいます。日本の文化や礼儀、人々の素養、気候、美しい四季の変化、清潔な街など、日本ならではの魅力は多くの中国人が感じていることです。日本の在留資格制度の変更等もあり、日本国内での就職の機会は海外に少しずつ開かれてきており、また、日本語ができなくても大手企業や優良企業、やりがいのある職種に就ける機会がどんどん増えているため、中国から日本へ就職を希望する若者はこれからも増えていくと考えます。

Q:日本で働きたい中国人の希望業界・職種を教えてください。

A:日本語、旅行観光系、経営経済等、文系専攻の人材が多いため、希望する職種も、事務職や販売職が多いです。IT関連の人材は、以前までは日本就職を希望する人も多かったのですが、大連には多くのITグローバル企業と大手中国IT企業があり、待遇も良いため、最近では日本に行ってまで就職するメリットをあまり感じられないようです。

日本で働く中国人の経済層・年齢層

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↑日本での就労が決まった日本語学校の生徒のみなさん

Q:中国から日本へ就職する方々の経済層を教えてください。

A:中国から日本へ就職する方々を経済層という観点で分けるのであれば、恵まれた環境の方からそうではない方まで全てですが、低い経済層の方々が比較的多いように思います。というのも、経済的に恵まれた家庭であれば、親は子どもを海外留学させるケースが中国ではかなり多いです。留学先は日本だけでなくアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、など世界中様々ですが、日本のケースで言えば、その方々は日本の大学や大学院を卒業した後、そのまま日本国内で就職活動をするというルートを取ることができます。また、留学経験と語学を活かして中国国内で比較的収入の良い仕事に就くこともできます。中途で日本就職を希望する方々というのは、現在の生活や収入に満足していない、留学したかったけれど経済的な事情でできなかった、日本で今より多く稼いで家族を養いたいなどの事情を抱える方も多いのです。

Q:中国から日本へ就職する方々の年齢層を教えてください。

A:弊社が紹介する人材としては、新卒から第二新卒、仕事経験数年程度の若い方が大多数を占めますが、一般的には22から40歳まであらゆる年齢層の方がいらっしゃいます。

中国人が日本で就職する目的は人それぞれ

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↑大連の日本語学校の様子。

Q:中国人が日本で就職する目的を教えてください。

A:日本就職の目的は人それぞれです。日本語を勉強した学生は、日本語力や日本人とのコミュニケーションスキルの向上というのが大多数です。これまで学んできた日本語を実際に使える環境に行きたい、日本語を活かして仕事をしたい、日本が好きだからそこで暮らしたい、なども挙げられます。日本語ができない人でも、これから勉強したい、日本に憧れがあるという人もいます。また、今よりスキルアップしてもっと良い収入を得たいという金銭面の理由で行く人も少なくありません。35歳以上の人の場合は多くが、家族のため、子どもの教育費や進学のためです。日本ではあまり考えられないことかもしれませんが、中国では女性であっても、子どもや夫を国に残して単身日本へ赴く人たちがいます。収入を増やしたいという金銭面の理由も多いですが、中には若い頃に叶えられなかった海外就職の夢を今からでも実現させたいという強い志を持って希望する人もいます。また、将来子どもを日本に留学させるつもりなので、その前段階としてまず自ら日本就職をして日本の社会を自分の目で確かめようという熱心な人もいました。

中国人を採用する場合に抑えて起きたい雇用上の注意点

Portrait of a smiling businessman talking on the smartphone in front of colleagues

Q:中国人を採用する場合に抑えておきたい雇用上の注意点を教えてください。

A:同じ中国人であっても、性格や考え方は人によって異なりますので、会社とその人材「個人」とが合うかどうかを見極めるのは大事なポイントになるかと思います。日本語での面接でわかり得る事というのは、その候補者の日本語レベルに左右されてしまいます。また、日本語を流暢に話しているように見える候補者であっても、コミュニケーションを中国語に切り替えると、日本語の時とは全く別の印象を受けることが多くあります。業務上コミュニケーションを取れる日本語レベルかどうかテストするのも大事ではありますが、それとは別途で、その候補者の考え方や価値観、性格などを母国語で確認する方がその候補者をより見極めやすいです。

Q:他国出身者にはない中国人の良さを教えてください。

A:中国の経済成長に伴う人件費の高騰などを理由に、日本では業務や人材を東南アジアに移している傾向がありますが、中国はもともと日本と文化が似ていたり、漢字が共通していたりするので、仕事を覚えるのが早く、日本の生活にも適応しやすい傾向にあります。また、中国人は仕事に対して勤勉で、仕事の効率も非常に高いです。

Q:採用した中国人に長く働いてもらうための秘訣を教えてください。

A:外国人を採用する際に、その人がどのくらい働いてくれるかは心配されるところかと思いますので、当社では各候補者の家庭情況やお付き合いされている方はいるのかどうかなど人材の安定性に関わる事柄は、企業様が面接ではちょっと聞きづらいようなことでも、キャリアコンサルタントが少し踏み込んで確認を取っており、また、そういったありのままを話してもらえるような候補者との信頼関係構築を普段より心がけています。中国は大きいので、出身地域によっても差異が非常に大きいです。「中国人」とひとくくりにせず、候補者ひとりひとりを見て頂けたらと思います。

ーー大変勉強になるお話をいただきありがとうございました!

【圧縮】わさびオフィス

↑今回取材にご協力いただいたわさび海外就職さんのHPはこちらから

編集後記

今回は中国大手人材会社の梶氏にQ and A方式で、中国人材動向を教えていただきました!お話をお聞きする限り、今後はより多様な階層の中国人が日本で働くことになりそうです。また中国人材の心を掴むためには下記2点が重要であると考えられます。

①中国語だけではなく、ビジネス日本語を用いる場面や教育制度があること。

②その仕事をすることで、次のキャリアで待遇向上が望めるようなスキルや経験が積めること。

以上、本記事が貴社の中国人採用のお役に立てましたら幸いです。

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梶 真寿美 氏

大連芥末人力資源服務有限公司 営業担当

横浜出身。2008年から大連在住。

日系大手人材会社の大連拠点で営業とキャリアコンサルタントを5年、その後グローバルIT企業での営業を5年経験した後、この夏から中国系の人材サービス会社にて営業に従事。日本就職を希望する中国人人材により多くの就職機会を提供するべく、日本国内の外国人求人を求めて日々営業中。

 

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