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【はじめての外国人雇用】募集方法から労務手続きまで基礎知識と注意点を徹底解説!

目次

将来の海外進出に向け、優秀な外国人を雇用したいが、就労ビザの取得方法、入社後の雇用管理まで何から手をつけていいのか全くわからない。

外国人雇用の場合には日本人従業員とは全く違う面倒な手続き、税務、労務管理が必要なのではないか?

そんな疑問に対する答えは、

手続き自体は特別難しいことも無いし、日本人とそんなには変わらないが、内定後に自社に実際に来てもらうこと、来てもらった外国人にトラブルなく定着してもらうためには工夫が必要。

です。

とは言ってもやはり日本人を雇用する場合との違いや注意すべき点を網羅的に理解しておきたいとお考えになると思います。

そこで今回は、初めて「外国人を雇用しよう」と思い立った企業の人事担当者様に本記事を読んでいただき、そもそも外国人を雇用するメリットやデメリットはなんなのか、外国人の募集から入社後の雇用管理について具体的にどのようなことを行い、どんな点に注意すれば良いのか理解し、

日本人を採用するよりも工数はちょっと多くなるけれど、思ったより難しいことは無いんだな。

と安心していただくために本記事を作成いたしました。

ぜひ初めての外国人雇用にお役立てくださいませ。

外国人を雇用する4つのメリット

外国人雇用の基本業務に関する解説に入る前に、そもそもこれほど外国人雇用が必須と言われている理由は何故なのか、そして多くの企業がその必要性があるにも関わらず踏み出せない理由は何故なのか、そのメリットとデメリットをご紹介します。

①若い労働力の確保

ご存知の通り日本は超少子高齢化社会です。残念ながら今後もその傾向は悪化していきます。若者の有効求人倍率は非常に高く、仮に採用できたとしても、長期間定着してもらえる企業は非常に限られています。一方で日本で働きたい外国人に対して外国人向けの求人は未だにそう多くありません。特に日本語力の低い外国人が働ける企業は少ないと言えます。日本語の研修制度や、日本語力が低い方でも技術習得ができるようなシステムを作ることができれば、日本人を採用できない企業にも海外の若者を雇用するチャンスが得られます。

ただし注意が必要なのが、ほとんどの場合、日本人と同様に海外の若者も働きたいのは東京や大阪などの有名な都市です。地方の企業に就職したら、思い描いた日本の姿とはあまりにもギャップが大きく短期間の就労で退社してしまったというミスマッチも多く生じています。

労働力確保のために数年前から外国人雇用に取り組まれている「佐々木架設株式会社」様の取材記事を読むと人材獲得の厳しさと実際にベトナム人を受け入れてみてどうだったか体感していただけるかと存じます。

技能実習生にはお米を全支給!?「建設業界は変わらなくてはならない!」と語る鈴木社長のお話。

②海外進出の足がかりとなる

海外進出する企業には2パターンあります。海外事業戦略を練り、その戦略に基づいて必要な外国人を雇用する場合と、外国人を雇用したら、たまたまその外国人が強い人脈を持っており、気づいたら海外販路が切り拓かれていたという2つです。前者は大手企業や、明晰な参謀のいる企業に多いパターンで、後者については、割と中小企業によくあるパターンです。人手が足りず採用した外国人が非常に優秀で、自己の人脈を用いて積極的に海外市場を切り開いてくれたなんてことはよくあります。日本の市場が縮小していく中で海外に販路を持っているかどうかは企業の生き残りに非常に有効でしょう。

企業の海外進出を支援する「株式会社NCネットワーク」の井上取締役を取材記事は、海外進出をお考えの企業様に一読をおすすめいたします。

ASEAN諸国で広くビジネスを手がける井上氏が語る、海外進出の考え方と、現地人材マネジメントの基本

③インバウンド対策

日本の生き残り戦略を考えると、特に経済成長が著しいアジアの上流層、中流層の旅行客をいかに獲得できるかが重要になっていきます。ホテルや旅館などの観光ビジネスを営む企業様はインバウンド客に対応できるスタッフの継続的な採用が必要でしょう。実際に積極的な外国人雇用を進めている「岩手ホテルアンドリゾート」取り組みを取材したことがございますので、下の記事は観光ビジネスを営む企業様にぜひ一読いただきたいと思います。

日本の歴史からアジアの未来を読み、長期を見据えて投資する。岩手ホテルアンドリゾートの成長戦略とは?

④職場の活性化

外国人を雇用した多くの企業様が職場の活性化を実感しています。その要因は3つあります。1つ目は日本に働きにくる外国人は若い方が多いため、文字通り職場が若返ること。2つ目は言葉が通じにくい相手に分かりやすく仕事を教えるために、既存社員がより深く仕事について考えるようになること。3つ目は外国人の方は日本人よりも、明るく元気な方が多いため盛り上げ担当になってもらえるということです。実際にベトナム人技能実習生の受け入れにより職場が活性化されたと実感している金属機械加工業の「岩井工機株式会社」を取材した事がございますので、こちらの記事を合わせてご覧くださいませ。

株式会社岩井工機が一人の離脱者も出さない幸せな技能実習を行える秘訣とは?

外国人を雇用する4つのデメリット

①文化・職場慣習の違いによる日本人社員との衝突

異なる文化的背景を持つ外国人を雇用する訳ですから当然既存の日本社員との衝突は生じてしまう可能性があります。しかし多くの企業の外国人雇用を見てきて思うのは、

問題は起こるが解決できない問題は生じない

という事です。まず理解に徹し、その後に理解されるように務める事で、多くの企業が良好な関係を築く事ができています。タイの人材送り出しビジネスを営んでおられる佐保氏に、ダイバーシティ&インクルージョンを実現する仕組み作りについて取材しましたので、こちらの記事と動画も併せて参考にしていただければと存じます。

覚悟なき企業には技能実習生を送り出しできません!タイ人送り出し機関を営む佐保氏のお話。

②日本語力・英語力不足によるコミュニケーション不足

言語の問題は、外国人雇用を考える際に必ず課題となるポイントです。現在生じているミスマッチの原因の多くが日本企業が求める日本語レベルと就労を希望する外国人の日本語能力にギャップがあることです。ほとんどの日本企業は日本語でのコミュニケーションを絶対条件として外国人雇用を進めようとします。しかしながらビジネスのコミュニケーションを円滑に行えるレベルの日本語力いわゆるN1以上のレベルの人材は、企業に求める待遇も高く、中々マッチングしない状況にあります。以前取材させていただいた北欧の出身のピーターさんは、

日本はもっと英語で仕事ができるような職場を増やさないと、外国人のWorkforceを効果的に得られないよ。」

とおっしゃっていました。もちろん自社で日本語の研修制度を定めるなどの施策も良いですが、徐々に英語でのビジネスコミュニケーションを標準化していくことも大切でしょう。

ピーターさんの取材記事は下記になりますのでよろしければご覧ください。

優秀なバイリンガルスタッフを採用できる企業は何が違うのか?

③手続きの煩雑さ

外国人を雇用するためには、下でご紹介するいくつかの申請が必要になります。申請では日本で働く外国人の人権を守るため、信用度の低い企業ほど慎重にに審査されるため、就労までに時間がかかってしまう場合があります。手続きをできる限りシンプルにするために一番大切なのは、「実績」を作ることです。コンプライアンスを守り、適正な利潤を潤沢に得ている企業であればあるほど、入国管理局からの信頼度が高まり、より簡単なプロセスで外国人を雇用できるようになります。

④安くて簡単に雇える労働力だと思うと痛い目に遭う

これは本当に勘違いしていただきたくないポイントです。当たり前ですが、外国人は安くて簡単に雇える労働力ではありません。適正な給与を与えていない、コンプライアンスが守られていない企業は、法令で外国人を雇用できないようになっています。さらにSNSのコミュニティが非常に発達しているために、待遇の悪い企業には求職者が集まらなくなってきています。雇用した外国人に、この会社に来てよかった!日本はいい国だな!と思ってもらえるように雇用した外国人従業員を大切にしましょう。

外国人雇用の7ステップと注意点

前置きが長くなり過ぎましたが、ここからは募集から就労までの7つのステップについて解説していきます。

①募集

外国人の採用を思い立ったら、まずはいかに採用のための母集団を形成するかを考えます。ここでは代表的な7つの募集方法と募集時の禁止事項をご紹介します。

1.ハローワークなどの公的職業安定サービスを活用する。

外国人も当然ですが、日本人と同様にハローワークなどの公的職業安定サービスを利用します。ただし外国人を採用したいのであれば求人表を多言語で作成されることをオススメします。日本語を話せるけど読むのは苦手という方もいらっしゃるからです。ハローワークを利用するメリットは「無料」であるということです。ただし応募者が実際にハローワークに通って良い求人を探すために、他のwebサービスと比較して、リーチできる求職者が少ないという難点があります。

2.タウンワークやリクナビ、Indeedなどの求人掲載サイトに広告を出す。

今や鉄板の方法ですが、有効求人倍率の高まりに伴い、

求人広告を出しても、広告費がかかるだけでなんの問い合わせもこない!

というお悩みをもつ方が増えています。実はサービス利用者の増加に伴い広告単価が上昇し、求人表に記載する内容や募集タイトルの工夫などの、いわゆる採用マーケティング戦略も各社高度化しています。自社に専門でPDCAを回せる担当や、求人倍率の低い魅力的な仕事がないのであれば、コスパ良く求職者を集めることができないため、専任の人事担当者がいない企業様にはオススメできない手法です。

3.外国人専門の求人サイトに広告を出す。

Nippon仕事.com」や「NINJA」などの外国人を雇用したい企業と、日本企業で言語力を生かして働きたい外国人のマッチングサイトに求人広告を出すという方法です。語学力を生かした、翻訳やカスタマーサポートなどの仕事や、アルバイト・派遣の仕事で求職者を集めたい場合にはオススメです。

4.外国人専門の紹介・派遣会社に依頼する。

外国人専門の紹介・派遣会社の最大のメリットは、契約にもよりますが、募集にかける工数を無料で丸投げできるということです。逆にデメリットとしては難易度によっては成功報酬が高くつく可能性があることです。ただ、求人広告の単価が高止まりしている現在であれば費用の問題もどっこいどっこいか、むしろ紹介・派遣の方が安くなる可能性もあります。自社で採用が上手くいっていないのであれば、専門家に頼るのも一つの手でしょう。

5.自社従業員、取引先、学校からの紹介

いわゆる「リファラル採用」という採用手法です。以前営業中に、

一人外国人を採用したら、その方の知り合いに日本で働きたい方がたくさんいて、今では一切採用にお金をかける必要がなくなった。

というお話をお聞きしました。もし採用した外国人に自社を好きになってもらえたら、それ以上の採用手法はございません。なぜなら、日本人よりも外国人の方がSNSのコミュニティを職探しに活用しており、一人社員のポジティブキャンペーンが非常に強い募集手段となるからです。「まず隗より始めよ!」ではないですが、受け入れた外国人の満足度に投資をすることで結果的に採用経費の削減に繋がります。

6.SNSで求人を出す。

「Wantedly」などの仕事探しに特化したSNSだけではなく、最近では「Twitter」などを効果的に活用して、採用を進めている企業があります。この手法のメリットは採用経費を圧倒的に安く抑えることができることです。しかしデメリットとしては、問い合わせを得るために、自社を良く魅せるセンスが必要になり、そのセンスがなければ時間をかけてもかけても一人も集まらない可能性があることです。自社に「映え」のスペシャリストがいる場合にはチャレンジしてみるのも面白いでしょう。

7.ダイレクト・リクルーティング

ダイレクト・リクルーティングとはヘッドハンティングに近い形で、採用したい方に直接アプローチする採用手法です。プラットフォームとしては「Linked in」や「ビズリーチ」などのハイエンド人材向けが有名です。メリットは不特定多数の母集団ではなく、あらかじめ定義した必要な能力を持つ人材にアプローチし、無駄なく採用ができることです。一方でこちらも担当者の営業力が非常に必要になってくるため、比較的難易度は高いと言わざるを得ません。

禁止事項

求人を出す際には、外国人のみを対象にしたり、特定の国籍の人材のみを対象にしたりすることはできせん。差別と解釈されるためです。希望する人材を募集するためには「国籍」ではなくスキルや能力を条件として求人を出す必要がありますので、この点ご注意ください。

②面接

母集団が集まったら次は面接です。各社さま面接の際に注視するポイントは異なるかと存じますが、日本語力についてはしっかりと確認する必要がございます。日本語力検定試験のN1を持っている方でも実際に会ってみると仕事での意思疎通が難しそうだったり、逆にそういった資格を有していない方でも非常に流暢に話せる場合があります。ただし、日本人と「普通に」コミュニケーションが取れる方はほとんどいない優秀な人材です。たどたどしい日本語であっても、日本語の学習が好きで、学習方法が確立されている、あるいは習慣化されている方は、入社後にぐんぐん日本語力が伸びる場合がありますので、「学習方法」についても確認し、採用候補を幅広くすることをオススメいたします。

③履歴書・職務経歴書・在留資格の精査

なぜ情報の精査が必要なのか?

それは日本で働くことが許可されている外国人のみ雇用可能だからです。外国人は「出入国管理及び難民認定法」通称「入管法」で定められている「在留資格」の範囲内での就労活動が認められています。そのため雇用の際には、その外国人の「在留カード」を見て、日本での就労が認められているか確認する必要があります。※在留カードとは外国人が日本でできる活動が記載されているカードのことです。

また、海外から招聘する場合や、在留資格の変更が必要な場合には、採用する方の経歴や職歴が自社で担っていただきたい仕事内容と合致しているか、出入国管理国の審査を突破する必要があります。あらかじめこの審査に突破できそうかどうかふるいにかけておかなければ、その他の工数が無駄に終わる可能性があります。

「在留資格」の確認方法

先述した在留カード見ると、在留資格が確認できます。確認するポイントは3点です。1つは在留資格の種類、2つ目は在留資格の更新期日、3つ目は雇用がアルバイトの場合は資格外活動の有無です。

まず1つ目の在留資格の種類についてです。在留資格には大きく下記の4つ存在しています。

1.就労目的で在留が認められている資格(いわゆる就労ビザ)

 

教授、芸術、宗教、報道、高度専門職1号・2号、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能1号・2号

 

2.身分に基づき在留しているために、日本における活動制限がない外国人

永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者

3.その他の在留資格

技能実習特定活動

4.就労活動が認められていない在留資格

留学、家族滞在、文化活動、短期滞在、研修

↑それぞれ青字をクリックすると解説記事をご覧になれます。

2つ目の在留資格の期日についてですが、仮に、期日が3ヶ月以内に迫っているなら、更新申請が必要になります。

3つ目の資格外活動許可についてですが、上記4.の就労活動が認められていない在留資格であっても「資格外活動許可」を取得すれば、週20〜28時間以内のアルバイトが可能です。詳しくは下の記事をご参照ください。

外国人がアルバイトする際に必要な「資格外活動許可」とは?

仮に在留資格に定められた活動範囲を超えて就労していたり、定められた就労期間を就労している外国人は「不法就労」です。このような「不法就労」の外国人を不法であると知りながら雇い続けた場合、「3年以下の懲役、若しくは300万円以下の罰金」という刑事罰が科される場合があります。在留資格の活動範囲、許可されている在留期間には十分に注意しましょう。

④雇用条件書の作成とオファー面談

候補者の情報を精査し、自社での雇用が可能そうだと判明したら、次は雇用条件書の作成とオファー面談です。日本人の場合には面接時に雇用条件を口頭で話合い、そのまま雇用条件書を書くのは後回しにしてしまうことが多いです。しかし海外は日本以上に書面による契約書を重視する国が多いため、言った言わない問題を避けるためにも、早い段階から書面で条件を一つ一つ確認する習慣を持っておきましょう。

ちなみに雇用契約書の内容は基本的に日本人と同じ内容で大丈夫です。可能であれば、母国語や簡単な日本語、あるいは英語で準備できると良いでしょう。厚生労働省が雇用契約書のサンプルを用意しておりますので、こちらを参考に作成すればさほど難しくはないでしょう。

オファー面談に関しては多くの企業様が内定辞退者を防ぐために行なっております。内定後のオファー面談によって内定者の不安や不満点を未然に払拭し、定着を計ります。外国人に関しては特に、雇用条件は交渉可能なものであるという認識がある場合が多いです。実際に主張に応じるか否かは別として、交渉の場を設ける姿勢は好印象を与えますので、余裕があれば、ぜひやるべきでしょう。また、その際に給与条件に止まらず、どこでどんな仕事をどのくらいの時間の目安で行うのか、自社で働くとどのようにキャリアアップできるのかまで突き詰めた話ができると、より強固な信頼関係を構築することが可能です。

⑤就労ビザの申請手続き

ここが少々ややこしいのですが、採用したい外国人の条件によって必要な申請が異なります。まずは下記のYes No チャートで必要な申請を判別してください。

↑必要な申請判別のためのYes No チャート。法務省ページを参考にリフト株式会社で作成。

それぞれの申請は基本的に下記の法務省ページに記載されている通りに行えば問題ございません。

・在留資格認定証明書交付申請

・在留資格変更許可申請

・在留期間更新許可申請

所属(契約)機関に関する届出

また、認定証明と、変更許可の場合に認可率を高めるためのコツを解説した記事を作成しております。申請を委託せずに自社で行う場合には下記のページをご参照ください。

就労ビザ申請の認可率を高める「申請理由書」の書き方とは?

⑥外国人受け入れ体制の構築

申請には2週間から1ヶ月以上時間がかかることがございますので、その間に然るべき準備を行います。海外から日本に外国人を招聘する場合には、外国人本人による自国の日本大使館で査証の発行が必要です。その他、外国人従業員の日本来日時のフライトの手配や社宅の準備などが必要です。

できる限り社宅の準備か入居できる部屋の選択肢の準備も行っていると親切です。というのも日本の大家さんには生活習慣の異なる外国籍の方の入居をよく思われていない方多くいらっしゃり、日本で働く外国人を取材すると、多くの場合、一番苦労したのが部屋探しだとお答えになるからです。ちなみに弊社では外国人専門の不動産屋とアライアンスを組んでおりますので、その点についてもお力添えできるかと存じます。

その他日本語や業務についての教育プランの準備を行います。どんなに優秀な方でも研修期間は必要です。OJTで指導する場合にも、準備ができるように、研修者はできるだけ早めに指名しましょう。受け入れ体制の構築につきましては、今年初めて新卒のフィリピン人エンジニアを採用した、「株式会社 NCネットワーク」の事例が非常に参考になりますのでオススメです。

【事例に学ぶ新卒外国籍エンジニアの採用と教育】〜株式会社NCネットワークチーエンジニア芦田氏の挑戦〜

⑦外国人の来日・入社

来日し、居住地が決まったら、住所を管轄する市区町村役場で、外国人本人が住民登録を行います。
基本的に入国後14日以内です。これによって、在留カードに住所地が記載され、パスポートの常時携帯が必要なくなり、その他、銀行口座の開設などもできるようになります。

入社後は基本的に日本人に対する研修と同じような研修を行います。ただし、日本語力が堪能な社員でも細部の微妙な違いに対する理解が浅くなってしまうこともございますので、ルールに関しては繰り返しできるようになるまではっきりと伝えるようにしましょう。また、トラブルに発展しやすいのが給与の課税です。多くの外国人が初給与の際に税金がかなり天引きされていることに驚きます。健康保険や厚生年金保険の支払いは外国人に対しても義務になっておりますので、その旨を事前に説明しておくと、「聞いてない!」のトラブルを未然に防ぐことができます。健康保険や厚生年金保険の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。

外国人を雇用する企業が知っておくべき健康保険制度の基礎知識

外国人従業員が支払った厚生年金は返ってくるの?「脱退一時金制度」とは?

外国人入社後の雇用管理(厚労省発表の基本指針)

外国人が自社に入社した後の雇用管理については厚生労働省が発表した外国人労働者の雇用管理の指針に基づき重要なポイントを整理いたしましたのでご確認ください。

事業主の義務

外国人を雇用するに当たっての事業主の義務は、外国人の雇い入れ及び離職の際にその氏名と在留資格について、あるいは、正社員または常用社員であれば「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに提出することです。日本に超長期で滞在する予定のない外国人には、保険料の自己負担分を支払いたくないために雇用保険に加入しないと考える方もいらっしゃいます。しかし、常用雇用と言える要件に当たる場合には、会社の義務として、その外国人を社会保険に加入させる必要がありますので、十分な説明が必要となります。

以下厚生労働省令からの抜粋になります。

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等 に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号) 抜粋 (外国人雇用状況の届出等) 第二十八条(抄) 事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名、在留資格、在留期間その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければな らない。 

厚生労働省令より抜粋

 

届出対象

日本国籍を有しない方で、在留資格「外交」、「公用」及び「特別永住者」以外の方。
「特別永住者」とは在日韓国・朝鮮人のことで、日本における特別の法的地位が与えられています。

届出の方法

普段 、雇用保険の申請を行うハローワークか、届け出の対象となる外国人が勤務する事業所施設、店舗、工場などの住所を管轄するハローワーク(外国人が雇用保険の被保険者にならない場合)に直接届出をするかウェブから届出をします。わざわざハローワークに行くよりも下記のURLからWeb申請した方が面倒が少なくて良いでしょう。

外国人雇用状況届出

↑のリンクからweb申請できます。

事業主の努力義務

外国人労働者の雇用管理、つまりは適切な人事管理、就労環境構築は外国人を雇用する事業主の「努力義務」となっております。その努力内容につきましては厚生労働省より 「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針 」が発表されており、指針に基づいた外国人雇用の運用が求められております。主な指針は下記の通りです。

  1. 国籍で差別しない

求人票を国籍で指定することや、国籍が理由で日本人と給与額に差を設けてはいけません。

  1. 入管法のみならず、労働基準法や健康保険法を適正に適用する

当然ですが外国人も労働基準法、健康保険法の対象となります。

  1. 適正な人事管理

労働契約の締結に際し、賃金、労働時間などについて書面で提示し、なるべく外国人が理解できる言語で説明するようにし、さらに職場で求められる資質、能力等の社員像の明確化、評価・賃金決定、配置等の運用の透明性・公正性を確保し、環境の整備に努めることとされています。

  1. 解雇等の予防及び再就職援助

労働契約法に基づき解雇や雇い止めが認められない場合があります。やむを得ず解雇等を行う場合には再就職希望者に対して在留資格に応じた再就職が可能となるよう必要な援助を行うように努めることとされています。禁止事項として、業務上の負傷や疾病の療養期間中の解雇や、妊娠や出産等を理由とした解雇は禁止されています。

  1. 雇用労務責任者の選任

外国人労働者を10人以上雇用している事業主は、外国人の労働状況を監督する、雇用労務責任者を専任することが求められています。

※厚生労働省に制度の詳細を問い合わせてみました。

Q:守らないと罰則はあるか?

 

A:具体的な罰則はないが、出入国管理局から不適切事業所とみなされ、以後の外国人雇用に支障をきたす可能性がある。

Q:具体的にどのようにすれば、専任したとみなされる?

 

A:これについて何か届け出があるというわけではない。外国人の労働状況が適正かどうか現場で監督や、外国人従業員からの相談などへの対応についての専任の責任者を置き、実際に良識的な対応をするようにしてほしい。

 

Q:グループ会社で、現場に外国人が10名以上いる場合、本社の人事担当者が専任担当者となることで、全国の事業所の統括担当者となることが可能なのか?

 

A:そもそも、この雇用労務責任者は現場で適切な外国人管理を行ってもらうことが趣旨の制度であるため、必ず現場に労務責任者の肩書きを持つ、実際に相談可能な担当者を置く必要がある。

 

外国人を雇用している企業が受給できる可能性がある助成金

最後に、外国人を外国人を雇用する企業が受給できる可能性のある、有名な助成金は下記の4つです。

①雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、景気悪化による事業活動の縮小に際し、すぐに人員整理に走ることを防ぐための制度です。休業、教育訓練、出向を通じて雇用維持を図ることで、企業活力の維持と、広くは雇用不安の解消を目的としています。

参考:雇用調整助成金|厚生労働省

②キャリアアップ助成金

非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを推進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。

参考:キャリアアップ助|厚生労働省

③特定求職者雇用開発助成金

就職困難者を継続して雇用するの、雇用保険に加入する労働者として雇い入れる事業主を対象とする助成金ですが、就職困難者の要件を満たせば外国人を雇用する場合にも対象になります。

参考:雇入れ関係の助成金|厚生労働省

④トライアル雇用奨励金

就職困難な求職者を3ヶ月間のトライアル雇用を行った事業主が受け取ることのできる助成金です。

参考:雇入れ関係の助成金|厚生労働省

それぞれ厚労省ページで詳細を確認し、自社の外国人雇用でお役立てください。

まとめ

日本の少子高齢化はとどまる事を知らず、日本人の労働力は年々減少して行くため、外国人を雇用し、その能力を遺憾なく発揮してもらうことはほとんどの日本企業において必須の経営課題となって行きます。

文化的背景が異なる外国人と幸せに働いていくためには、労働慣行や生活習慣が全く異なる国で働くことの難しさに寄り添い、不安を取り除く努力を惜しまないことが大切です。結局そのような誠実な会社が日本人、外国人という国籍にかかわらず社員が持てる能力を最大限発揮し、自社の競争力を維持できるでしょう。

以上でご紹介した基本的な手続きを理解したら、ぜひ一人一人の外国人に寄り添う気持ちを持って採用及び教育を進めていただきたいと存じます。そして、弊社は外国人材紹介・派遣の専門商社として、これからも日本企業のDiversity & Inclusionを強くサポートして参ります。

Global HR Magazineからのお知らせ

途中でご紹介しました、就労ビザ取得のための申請は「ビザ申請代行サービス」に委託される企業様が多いのですが、ある程度のコツを抑えれば社内のリソースで精度の高い申請をすることが可能です。もちろん、工数がかかる作業ですので、自分の時間を最大限効率的に使うために、プロにアウトソースするという判断も素晴らしいとは存じますが、やはり、たった一つのコツを知らないがために高い委託手数料を支払うのももったいないかと存じます。準備書類一覧と追加で添付すべき「申請理由書」のサンプルをご用意いたしましたので、ぜひ一度ご確認いただき、申請を内製化されることをおすすめいたします。

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関根謙志郎
取材班

福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。現在はマーケティングを担当。

                各サービスに関する料金体系、 就労までの流れなどの資料