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更新日:2020/08/09

目次

株式会社ジャフプラザ様-1
株式会社ジャフプラザ

2000年の7月から外国人専門の不動産仲介を開始し、20年間に渡って英語での言語対応はもちろん、一人一人に対する親身なサポートを提供している。紹介可能な物件はJ&Fハウス(シェアハウス)、プライベートアパートメント、家具付マンスリーマンション等で多様。J&Fハウスの場合、1か月からの滞在が可能で海外申込も可能。そのため、プライベートアパートメントに住みたいけれども、日本で内覧をしてから決めたいという方の一時滞在先としての利用客も多い。その他J&Fハウスは各物件に英語を話せるハウスマネージャーを配置しているため、ハウス内で何か緊急事態があっても迅速に対応が可能。そのため、仕事から戻っても一人ではなく、知り合いや友人を作ることができる。

↑今回、快く取材に応じてくださった菊野氏。外国人専門の住居サポート業を営む株式会社ジャフプラザで長年営業に携わってきた。

最近、

初めて外国人を雇用する場合に、特に意識しておいた方がいいことある?

という質問をいただくことが多いです。

弊社では、

外国籍の方は、日本でのお部屋探しに大変苦労します。可能であれば社宅を用意してあげてください。もし厳しいようであれば、何らかの形で住居サポートを用意してください。

とお答えするようにしています。

それは、多くの外国籍求職者の方が、

日本で最も困ったことは住居探しです。

と面談の際におっしゃるからです。

しかし、企業様に理由をご説明しても、

外国人の家探しってそんなに難しいの?

それ(外国籍人材の福利厚生として住居サポートを用意すること)ってそんなに重要なの?

となかなかご理解いただくことが難しいのもまた事実です。

そこで今回は、2000年の開業から約20年間外国籍の方の住居サポートを行ってきた株式会社ジャフプラザの菊野氏に、外国人の家探しの実際のところをお聞きしました。

本記事をご一読いただければ、なぜ「住居サポート」が外国人従業員募集の切り札となるのか、その背景を理解できます。

ぜひ貴社の外国人雇用にお役立てくださいませ。

なぜ日本では外国人の家探しが難航するのか?

 

ーー弊社に就職相談にいらっしゃる外国籍の方の多くが、家探しに本当に困ったとおっしゃるのですが、実際のところ、どれほど大変なのでしょうか?

菊野氏:正直に申し上げて、物凄く大変です。例えば、日本人ですと、Aという物件に入居したい方が現れたら、まず大家さんにまだ空きがあるか確認し、内見に行って、入居審査をし、契約の締結を行えば、基本的な作業は終わりとなります。しかし、外国から来られた方に関しては、これらの一連の作業に対し、日本人には無い、幾つかの関門をクリアしなければいけないケースが一般的です。

ーー外国籍の方がクリアしなければならない関門の内容を教えてください!

まず、Aという物件の、大家さんや管理会社さんに空きがあるか連絡し、空きがあれば、

外国籍の方なんですけど、よろしいですか?

と、まずはここを確認する必要があります。そして、その通過率は約20%。良くても40%程でしょうか。

ここをパスした後、更に、

※ジ=ジャフプラザ 管=大家さんや管理会社さん

管「日本語能力次第ですが、どのくらい話せますか?

ジ「日常会話くらいなら話せます。

管「日常会話レベルとは、電話で連絡した場合も支障が無いレベルですか?

ジ「対面では、簡単な内容でしたら大丈夫ですが、電話では少々厳しいかもしれません

管「あっ、じゃあダメです。

となってしまいまうことが多いです。

ーー日本語力不足から大家さんや管理会社に入居を拒否されるケースが多いのですね。

菊野氏:そうですね。ただ、それは幾つかある理由の一つにすぎません。そして、全ての理由の根本にあるのは、不動産会社、そしてオーナー及び管理会社のそれぞれが有している「不安」感となります。そして、それが外国人の住居探しを難航させる根本的な原因です。

ーーそれはどんな「不安」何でしょうか?

菊野氏:まず外国人側には、

日本語力不足で不動産会社に物件の希望が伝えられないのでは?

・土地勘が無いために、不動産屋に騙される可能性があるのでは?

・日本語が分からないからと、理不尽な契約を結ばされてしまう可能性があるのでは?

などの不安があります。その結果、必要以上に入念な確認を行ったり、色々な不動産仲介会社を比較されたりします。ただ、その行為そのものが、面倒を避けたいと考える不動産仲介会社から、ますます避けられてしまういう原因になっています。

次に不動産仲介会社側には、

・言葉が通じないので、どのような物件を探せば良いかわからないし、物件を案内しても説明を理解してくれないのでは?

・言葉が通じないので、トラブルが生じてもその説明に理解してもらえないのでは?

・言葉が通じないので、そもそも契約内容が理解できないのでは?

などの不安があります。その結果、弊社の肌感覚とはなりますが、東京の不動産仲介会社で外国人の対応をしている会社は、30社中5社程度となります。また、外国人を受け入れたとしても、契約内容を十分に理解させないまま入居させてしまったことで、後にトラブルを発生させるケースがあります。そうなると、管理会社さんや大家さんからクレームを受ける場合があり、結果、外国人仲介から手を引いたという仲介会社も多く存在しています。この様なことから、多くの不動産会社は、外国人から問い合わせが来たとしても、門前払いしてしまう訳です。

最後に大家さんや管理会社側には。

・言語が通じないため、入居後に何かトラブル(ゴミだし・騒音など)が発生しても適切な処理ができのでは無いか?

・「賃料未払い」「原状回復費未払い」が発生したまま帰国された場合、回収できないかもしれないのでは?

・国籍の違いや肌の色の違いに対する先入観から生ずる漠然とした不安。

以上のような不安がございます。実際は、言語サポートをしてくれる保証会社や、弊社のような外国人の住居サポートに関するナレッジが溜まっている専門会社を使えば、そういったトラブルが生じることは稀です。にも関わらず、依然として国籍や肌の色で差別している業者はまだまだあるという悲しい現実があります。

ーーそのような状況だったんですね。

昔と比較すると寛容な大家さんは増えてきているが…

↑ジャフプラザが運営しているコミュニティハウスの様子。外国人との共同生活を楽しむ日本人も多い。

菊野氏:ただし、昔と比べると徐々に寛容な大家さんは増えてきています。職業柄オーナー様や管理会社さんとお話しする機会が多いのですが、

日本人は少子高齢化で、どんどん人口減になっていく一方、外国人がどんどん増えていっているから、外国籍の方に入居していただかないといけないのは分かっているし、危機感もあるんだけど、、、、結局のところ海外の方を受け入れていく上でどう対応していけば良いのか分からないから、入居許可を出せないんです。

というお話をされる方も増えてきました。興味はあるけど、トラブルが生じやすいポイントとその対策などのノウハウが分からないから一歩踏み出せないオーナー様や管理会社が多いんですね。

ーートラブルが生じやすいポイントとは実際にはどういったところなのでしょうか?

菊野氏:大きく

①日本の不動産システムや慣習を理解していない。

②日本の生活の基本的なルールを知らない。

以上の2つです。ここをいかに対策するかがポイントとなります。

ーーそれぞれについて教えてください。

菊野氏:まず①の日本の不動産システムと契約内容について説明します。日本で不動産を探そうとすると多くの場合、大家さんと顧客の間に不動産の仲介会社と、管理会社が入ります。

この仲介会社と管理会社の説明が少々複雑で、どちらも不動産会社ですが、その立場によって呼ばれ方が異なるのです。簡単に言うと、管理している物件にお客様を紹介される側が管理会社となり、お客様を紹介する側が仲介会社となるのです。

更に、賃貸借契約を締結する前に、「重要事項説明書」というものにサインをいただき、併せて、保証会社との契約も締結するケースが多くなっています。その他、敷金・礼金・仲介手数料などのお金もがかかります。

海外の方はこのようなシステムや慣習を理解していないために、

あなた方は物件のオーナーではないのですか?

礼金とはなんですか?

仲介手数料ってなぜ1ヶ月分支払わなくてはならないのですか?

といった質問をされることが多いのです。日本の慣習上そうなっていますので、他の不動産仲介会社に行っても結局は同じなのですが、こういったことについて一つ一つ丁寧に説明する必要があります。私達としては他と比較して最大限、丁寧にサポートするようにしていますし、

私達をとにかく信じて頼ってください。

と言うようにしていますが、なかなか理解が得られないケースが多いという状況にあります。

ーーそれは日本の不動産システムが独特だからなのでしょうか?

菊野氏:それだけではなく、言語の問題によりコミュニケーションをとることが難しいことから、先述した「不安」に対する説明にも、理解がなかなか得られにくい事が原因だと思います。実際言語が詳しく分からない状況では注意深くなってしまうのはある程度仕方ないことだと思います。

ーー確かに自分が異国の地で生活を始めることを考えるとそうですね。

菊野氏:話が少し逸れてしまいましたので、契約の話に戻しますと、仲介会社となる会社は、お客様にお部屋をご紹介、そして、契約業務が終了したら、その後は基本的には役務提供の範囲外となります。冷たいようですが、入居後は仲介会社ではなく、管理会社がお客様のお手伝いをすることになります。これは、仲介会社が、管理会社と契約している大家さんに直接連絡をすることが出来ないからです。しかし海外の方からしたら、

あなた達も不動産会社でしょ。今まで色々してくれたのに、契約が終わったら対応してくれないの?

という話になってしまいます。だからこそ、物件の話以外に、日本の不動産システムに関しても、会話の流れでお客様に説明していくことが大切であると考えています。

我々はエージェントであって、その先には管理会社と保証会社があり、その先には大家さんがいて、あなたは賃貸契約を結んだ後は、弊社ではなく、管理会社や保証会社に連絡する必要があるんですよ。

といった説明が必要になります。

ただ、ここまで説明しても、結局全ての管理会社さんが英語対応できる訳ではないので、管理会社さんからうちの方にサポート依頼が来たり、入居者様の方から入居後にこれはどうしたらいいですかと問い合わせがきたりすることも多いです。役務提供の範囲外なので、本当はやる必要がないのですが、その場合はサポートする場合もございます。

ーー具体的にはどのようなサポートをされることが多いのですか?

菊野氏:例えば、アパートの場合、入居後にガスや水道の開栓手続きが分からない。ということがよくあります。にも関わらず、ガス、水道に関して英語や中国語対応している施設はほとんどありませんので、日本語が話せない外国籍の方にとって非常に難しい問題です。これについては弊社のスタッフがサービスで対応をすることもあります。

ーーそこまでサポートされているのですね。

菊野氏:もし仮に僕がフランス語を話せないのに、フランスに住んでいたとして、何かトラブルが起きたら、とりあえず日本語が話せる知り合いを頼ると思います。結局それと同じことだと思うんですよね。だから我々は、しっかりとサポートするようにしています。ただ、これは、私たちスタッフはほとんどが留学経験があるバイリンガルスタッフで、異国に住む際の住居の問題は非常に大変だということを身にしみて感じているからできることかもしれません。

ーー逆に言うと、ボランティア精神のある従業員が多くなければ外国人向けの紹介は「割に合わない」と感じてしまいそうですね。

菊野氏:そうですね。ただ、一番良いのはガスや水道の開栓手続きが必要ないことです。シェアハウスだと、何もそういった手続きが入らず、さらに生活に必要な家具も揃っていますので、スーツケース一つあれば生活を開始できます。それがシェアハウスが外国籍の方から支持されている理由の一つとなっています。

ーーなるほど、それでシェアハウスに住んでいらっしゃる外国籍の方が多いのですね。

ーー最後の生活慣習についてはどういったところが問題になるのでしょうか?

菊野氏:最後の日本の生活慣習が分からないというケースについては、非常にベタな例ですが、土足で部屋に入ろうとしたり、入居後にゴミの分別が分からなかったりするケースです。ただこの問題に関しては、ルールを教えれば日本人よりも誠実に守ってくれる場合が多いので、本当に知らないだけなんですよね。トラブルが発生してしまう前に最低限の守るべきルールについてはレクチャーするようにしています。

ーー日本人を紹介するよりは、やはり工数がかかってしまうんですね。

菊野氏:そうですね。日本人相手に物件を紹介するよりは、どうしても手間がかかっています。日本人の不動産仲介よりも手間がかかるにも関わらず、現状の不動産のシステムとしてはもらえる報酬が一緒であるため、外国人対応の不動産の仲介会社が増えていかないという課題があります。

企業が外国人専門の住宅サポートを実施するメリット

↑株式会社ジャフプラザが運営しているコミュニティハウスの1枚

ーーいよいよ本題に映りますが、企業として外国人従業員の住居サポートを用意するメリットはどこにあるのでしょうか?

菊野氏:ここまでお話してきたように、外国籍の方が個人で不動産を準備することは非常に難しい状況にあります。そんな中、企業が外国人従業員の為に、住居のケアをするとした場合、多くの外国人従業員は企業に対して大変感謝され、企業へのエンゲージメントが向上しています。

ーー法人の契約となれば、不動産会社や大家さんからも信頼を得られやすそうですね。

菊野氏:まさにおっしゃる通りです。不動産会社・オーナー側も、契約者が法人、もしくは窓口を努めてもらうと、何かあっても、法人窓口に連絡すればよいといった安心感を得るので、貸しやすくなり、受け入れてくれる不動産会社・オーナーも増え、結果として選択可能な物件数が増えます。そうすると。本来の仕事にあてる時間を潰してまで、部屋探しをしなければいけないという状況もある程度避けることが出来るため、外国人従業員だけでなく、企業にとってもメリットになります。

ーー 住居サポートの方法にはどんな方法があるでしょうか?

菊野氏:外国人向けの住居サポートを用意する方法は大きく3つです。

・法人で物件(マンション、戸建て、寮など)を借り上げる、あるいは所有し社宅とする。

・外国人対応可能な不動産会社と提携する。

・シェアハウス業者と提携する。

企業の方には、アパートだけでなく、シェアハウスという居住形態があることを知らない、あるいは偏見がある場合が多いです。特に弊社のシェアハウスは、学生寮や社員寮として利用されていた物件を転用しているため、昔の社員寮のような形で利用されている企業様も増えてきました。

自社で社宅を提供することは予算的に厳しい場合であっても外国人に特化した不動産会社やシェアハウス業者と提携を結び、そこを外国人従業員に紹介するだけでも、闇雲に不動産会社に連絡し、結果、「門前払い」ということを防ぐことはできます。

外国人を雇用している企業に理解してもらいたいこと。

↑同社の掲示版。同社これまで多くの外国人の住居決定をサポートしてきた。

ーー最後に外国人を雇用している企業向けにこれだけは理解して置いて欲しいと思うことを教えてください!

菊野氏:外国籍の方が日本で住居を探すのは本当に難しいことなんだということを理解しておいて欲しいです。中には、

そんなに難しいの?

それ(外国籍人材用の住居を整えること)ってそんな重要なの?

と回答される方がまだ多数いらっしゃいます。現実を理解いただけていないです。

住む場所どうしよう。」

というのは海外の方が日本に来る上で、最初に生じる最大の不安です。その気持ちは組んであげるべきです。

ーー最初に住む場所が決まらなかったら、精神的にきつそうですよね。

菊野氏:そうですね。日本で初めて生活する外国籍の方にとっては、

不動産のシステムがわからない。」

「契約がわからない。」

「言葉がわからない。」

と、わからないことばかりです。そこにさらに、

会社もサポートしてくれない。

不動産会社に行っても門前払いされた!

となってしまったら日本に対して不信感しかないですよね。

日本はなんて冷たい国なんだ。私は差別を受けてるのか!

と思われてしまいます。

逆に企業側とすれば、そこを親身になってきちんとやってあげれば、すごいアドバンテージになるわけです。外国人の人事・労務管理の担当者となった方はできる限りそういった外国人の住居確保に関する背景を理解し、少しでもいいので、サポートを実施して欲しいと思います。

ーー大変勉強になるお話誠にありがとうございました!

編集後記

今回は株式会社ジャフプラザの菊野氏に外国人が住居を自分で準備する大変さと、企業がそのサポートをするメリット及びその方法を伺いました。異国の地で働く外国人従業員の住居確保を親身になってサポートすることは、求人応募のインセンティブとなるだけではなく、日本国全体にとっても有益であるということが分かりました。今回の記事が外国人の雇用を考えている、あるいは、既に外国人を雇用している多くの企業の参考になりましたら幸いです。

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