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「特定技能1号」外国人を派遣では雇えません!ただ、例外も…

目次

最近、

「新しくできた在留資格「特定技能1号」の外国人を派遣形態で雇うことってできるの?

という質問を営業先で受けることが多々ございます。

結論から申しますと、できません。

ただし、例外があります。

今回は、「特定技能1号」の外国人を派遣で雇うための条件と、実際のところ「特定技能1号」はどのくらい進んでいるのかについて説明いたします。

「特定技能1号」外国人を派遣形態で雇える場合は?

それは、「農業」と「漁業」分野において、「特定技能1号」外国人を雇用する場合です。

雇用の安定性が重要視され、原則としてフルタイムの直接雇用のみ可能である「特定技能1号」において、なぜ、農業と漁業分野のみが派遣形態での雇用が可能なのでしょうか?

それは、下記2点の理由からです。

①農業や漁業は季節によって作業の繁閑があるため。

②同地区であっても、収穫や作付けなど、作業のピーク時が異なるという特性があるため。

短期派遣を可能にすることによって、農繁期の労働力の確保や複数の産地間での労働力の融通という農業・漁業現場のニーズに応えることができるというワケです。

派遣先事業となるための4条件

派遣先事業となるためには、ただ、「農業」「漁業」に携わっているだけではダメで、下記の4つの条件全てに該当する必要があります。

①労働,社会保険及び租税に関する法令の規定を遵守していること。

②過去1年以内に,特定技能外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者を離職させていないこと。

③過去1年以内に,当該機関の責めに帰すべき事由により行方不明の外国人を 発生させていないこと。

④刑罰法令違反による罰則を受けていないことなどの欠格事由に該当しないこと。

出典: 外国人材の受入れ制度に係るQ&A(法務省)

派遣元事業となるための4条件

またお付き合いする派遣元事業も下記4つの条件のいづれかを満たす必要があります。

①当該特定産業分野に係る業務又は団体が資本金の過半数を出資していること。

② 地方公共団体又は前記①に掲げる個人又は団体が資本金の過半数を出資して いること

③ 地方公共団体の職員又は前記①に掲げる個人又は団体若しくはその役員若し くは職員が役員であることその他地方公共団体又は前記①に掲げる個人又は団 体が業務執行に実質的に関与していると認められること。

④ 外国人が派遣先において従事する業務の属する分野が農業である場合にあっ ては,国家戦略特別区域法第16条の5第1項に規定する特定機関であること。

出典:外国人材の受入れ制度に係るQ&A(法務省)

人数は何人まで働いてもらえるの?

原則として、受け入れられる人数に上限はありません。

ただし、各業界の分野別運用方針によって上限が定められている場合があります

例えば、建設分野では、

「 特定技能1号の在 留資格で受け入れる外国人の数と特定活動の在留資格で受け入れる外国人(外国人 建設就労者)の数の合計が,受入れ機関の常勤の職員(外国人技能実習生,外国人 建設就労者,1号特定技能外国人を除く。)の総数を超えないこと

と定められています。

つまり日本人の従業員数以上に外国人を雇用することはできないと定められています。

日本人社員が3名の会社で雇える外国人社員は3名です。

「特定技能1号」は現実に進んでいるの?

実際は、令和元年9月末時点で派遣形態での雇用が可能な農業分野では31人、漁業では0とまだまだ受け入れが進んでいません。

ちなみに↓は出入国管理庁が昨日(令和元年11月13日)発表した統計データになります。

↑出入国管理庁発表の特定技能1号在留外国人数 令和元年9月末時点統計よりリフト株式会社で作成

「特定技能1号」が思うように進んでいない理由は?

大きく下記の6つのような問題があると考えられています。

ーー特定技能が中々進んでいないワケは?ーー

 

①技能実習2号修了者が特定技能1号に移行する場合に、実習のために提出していた書類と、特定技能のために提出した書類が噛み合わない場合が多いこと。

②既に日本に在留している留学生が特定技能の試験に受かったとしても、社会保険料の未納や、アルバイト時に資格外活動許可の範囲週28時間を超えて不法就労していたケースが明らかとなり、認可されないケースが多いこと。

③「日本人と同等」の条件などが曖昧で、入国管理国の裁量で不許可とされることが多いこと。

④日本側としては、現地送り出し機関を通さず、日本に来るための候補者の負担を最小限にしようと思っていたが、協定書では、必ず送り出し機関を通さなくてはならないとされる場合が多いなど、日本と特定技能1号者母国との間で、ニーズがかみ合っていないこと。

⑤中小企業の場合、登録支援機関を使用しない特定技能による在留許可を認めない例が相次いでしまっていること。

⑥特定技能試験に関する体制が整っていないこと。

 

まとめ

ここまで説明してきたように、「特定技能1号」外国人を派遣形態で雇用することはできませんが、実は人材会社から紹介を受けて正社員雇用することは可能です。同業種に限定して自由に職業を探すことができるというのが特定技能の特徴なワケですが、日本語がそこまで得意ではない特定技能1号の方が自分で職探しをするというのは非常に困難であると考えます。また、それぞれの業種を監督する省庁が運営する特定技能に関する協議会で、『引き抜き活動の禁止』が規定されている場合があります。企業が直接人材に働きかけることはできないが、特定技能1号人材が自主的に人材紹介会社を頼り、人材会社が人材を欲している企業を見つけてマッチングさせるというのが現実的な人材流動の流れになるのでは?と考えています。

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関根謙志郎

取材班

福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。現在はマーケティングを担当。