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更新日:2020/11/10

目次

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 入国制限、レジデンストラック、PCR検査、14日間の健康モニタリング…新型コロナウィルスによって外国人材の受け入れ政策も大きな影響を受けいています。

人の国際移動を考えるにあたって感染症対策は無視し得ない要素だということが浮き彫りになったと言えるでしょう。しかし、感染症は、今回の新型コロナウィルスに限ったことではありません。

今回は、以前から日本における外国出身の方の発症増加が指摘されていた結核について、外国人材の受け入れとの関係に焦点を当てて解説していきます。

外国人材の入国前結核スクリーニング

 令和2年3月26日に出入国在留管理庁、外務省、厚生労働省より「入国前結核スクリーニング実施に関するガイドライン」が公示されました。内容は簡単に言ってしまうと、指定された国の出身者が、中長期在留者として日本に入国する場合は、結核でないことの証明(結核非発病証明書)が必要になるというものです。これにより、対象国の外国人材を海外から受け入れる際は、結核発病の有無を証明する必要が出てきたということです。

対象者は?

中国、ベトナム、フィリピン、ネパール、インドネシア、ミャンマー

 これらの国の国籍を有し、当該国に居住している方が対象です。

あくまでも中長期在留者として入国・在留する場合のみですので、「短期滞在」の方、「外交」・「公用」と言った在留資格の方などは対象となりません。また、再入国許可を有している方が再入国する際も適用除外されます。

なお、この対象6か国は、日本において結核患者になった方が多かったという理由で選定されています。

 

結核患者数 (1)

(出入国在留管理庁、外務省、厚生労働省「入国前結核スクリーニング実施に関するガイドライン」より作成)

ちなみに、平成30年度の日本在留者数との割合で見ると、ミャンマー、インドネシア出身の方の罹患率が高くなっています。

結核非発病証明書はどこで発行してもらえるの?

対象国にある医療機関の内、日本政府が指定した「指定健診医療機関」で検査を受け、活動性結核を発病していないとの結果が出れば証明書を発行してもらうことができます。なお、検査は、主に胸部X線撮影により行われ、活動性結核と診断された場合は、治療が完治するまで日本への入国はできません。

入国までの審査の流れは?

原則、結核非発病証明書を、入国管理局への在留資格認定証明書交付申請時に提出する必要があります。在留資格認定証明書交付申請を行わない場合は、査証(VISA)発行時に結核非発病証明書を提出します。

調整の整った対象国から令和2年7月1日以降の申請で実施されるはずでしたが、現時点では、どの国でも調整が整っておらず実施されておりません。調整が整い次第、厚生労働省HPにて「指定健診医療機関」一覧が公表されるはずですので、随時チェックしておきましょう。

外国人材の結核罹患状況

 それでは、なぜ外国人材の受け入れに際して、結核に注意する必要があるのでしょうか?

そもそも結核とは?

結核は、肺などに結核菌が入ることによって引き起こされる感染症です。感染しても発病しない「潜在性結核」と咳や発熱などの症状が出る「活動性結核」とに分類されます(前述の通り、入国前結核スクリーニングが対象としているのは、活動性結核です)。

発病し、症状が進むと、咳やくしゃみと共に菌が排出され(拝菌)、その菌を他の人が吸い込むことで感染が起こります(空気感染) 。

感染したからと言って必ず発症するわけではないこと、発症してしまうと他人に感染させてしまう可能性がある病気だということは押さえておきましょう。

結核罹患状況

世界全体では、1,000万人以上の方が罹患し、100万人以上の方が亡くなっている結核ですが、開発途上国での罹患、発症が目立ちます。

tuberculosis

(出典:World Health Organization「GLOBAL TUBERCULOSIS REPORT 2019」)

世界保健機構(WHO)は、結核罹患率が人口10万人に対して100以上である国を高蔓延国と定義していますので、日本への外国人材の送り出し主要国である東南アジア諸国は、軒並み、高蔓延国ということになります。

一方、日本での結核罹患状況は、厚生労働省統計によると平成30年の新規登録結核患者数が15,590人、人口10万人に対する罹患率が12.3で前年より1ポイント減少となっています。人口10万人に対する罹患率が10未満の国が低蔓延国とされていますので、日本の状況としては、東南アジア諸国よりは罹患率が少ないものの、低蔓延国であるアメリカやヨーロッパといった先進諸国の状態には達していないので、その水準に近づけるよう改善途中にあるといったところでしょう。

そのような状況にある日本において東南アジアなどの結核高蔓延国から外国人材を受け入れる際に、一程度の規制をかけるのは当然と言えば当然の判断です。事実、日本全体での新規患者数が前年比で7%減少しているにも関わらず、外国生まれの新規登録患者数を見ると前年から137人増加し、1,667人となっています(全体の10.7%)。更に言うと、ヨーロッパやアメリカといった低蔓延国においては、外国出身の罹患者が占める割合は7割近くになっており、高蔓延国からの人の移動に対して何かしらの制限を設けたいと思う心理は理解ができます。

外国人材の受け入れにおいて企業が意識すべきこと

 こういった結核を取り巻く状況を鑑みると、手間が掛かるとはいえ、入国前結核スクリーニングは適切な施策だと言えるのではないでしょうか。

 従来でも技能実習生であれば、面接前、面接合格後、出国前、入国(社)後と少なくとも4回は健康診断を受けていると思いますが、それでも日本に滞在している間に結核に罹患してしまう方がいるというのが実情です。私の知り合いの技能実習生でも、企業で実習を始めてから結核であることが発覚した方がいらっしゃいました。その時は、不幸中の幸いで拝菌しておらず、感染の恐れがないということで、個室隔離もなく投薬治療で完治しましたが、感染するタイプの結核であった場合、影響は甚大です。特に、技能実習生であれば、複数名で同じ寮に住んでいるケースも多いかと思いますので、集団感染といったリスクも想定されます。

 スクリーニングと言うとあまり良い印象は与えないかもしれませんが、リスクを回避し、継続して外国人材を受け入れていくためには必要不可欠な取り組みです。もちろん、国家間での取決めが前提ではありますが、入国前結核スクリーニングが実施された暁には、関係者が意識的に取り組み、制度を形骸化させないことが重要です。

 結核に限らず、コロナウィルスもそうですが、人の国際的な移動が自由になればなるほど、感染症の拡大リスクは増大します。かと言って完全に国境を閉鎖することができない以上、現実的な範囲で制限をかけ、双方にとって負担のない形で、送り出し/受け入れを継続していくしかないのではないでしょうか。 

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