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    株式会社岩井工機が一人の離脱者も出さない幸せな技能実習を行える秘訣とは?

    目次

    岩井工機ロゴ
    株式会社 岩井工機

    1969年設立の千葉県君津市に社を構えるプラント製品や精密機器などの加工を専門に行う機械加工メーカー。2016年に技能実習制度の活用を開始し、現在では男性4名、女性2名のベトナム人技能実習生を受け入れている。

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    ↑取材にご協力いただいた株式会社岩井工機の皆様

    株式会社岩井工機はプラント製品や精密機器などの加工を専門に行う機械加工メーカーです。2016年に溶接部門で2名のベトナム人技能実習生(男性)を採用したのを契機に、現在ではベトナム人男性4名女性2名の計6名の実習生を受け入れています。今回は同社の岩井社長と指導係の平野さん及び実習生の皆さんに幸せな実習を実現する秘訣についてお聞きしました!

    最初は不安な中でのスタートだった

    岩井工機2 ↑社長の岩井允氏

    Q. 2016年に技能実習生の受け入れを決断した経緯について教えてください!

    岩井氏:2016年当時は溶接を担う人材を2名採用する必要がありました。理由は2つあり、1つはオリンピックの影響で2020年までは業界全体が盛り上がることが考えられる中、大きな案件が来た際に対応できるように人材を育てておく必要があったこと。もう一つはその当時あるユーザーから溶接に関する仕事の大型受注についてご相談いただいたことです。

    Q.すぐに技能実習生の受け入れを決断されたのですか?

    岩井氏:いえ、最初は日本人の派遣シルバー人材の活用、そして外国人技能実習生の3つの選択肢を検討していました。正社員で募集しても田舎ですから中々人材が集まらないことは分かっていました。上記の3つの選択肢を比較検討した結果、「百聞は一見に如かず」という思いもあり実習生の受け入れを決めました。

    Q.受け入れてみて4年目となりますが所感としてはいかがでしょうか?

    岩井氏:期待していた以上に技術の習得が早く、コミュニケーション能力も高まっていると感じています。可能な限り日本にいて仕事をして欲しいですね。ただ、面接時に技能実習終了後はベトナムで会社を設立したいと言っていたので、もし本当にチャレンジするなら、それを補助したいと思っています。それくらい単なるビジネスを超えたところでいろんな可能性を感じています。

    Q.受け入れ決定当時の社内の反応はいかがでしたか?

    岩井氏:受け入れ決定の当初はベトナム人が働きに来るということで、社内のざわつきはやはり大きかったですね。社員から理解が得られなければ、コミュニケーションが生まれず、技術の継承もうまく行きません。計画は良くても絵に描いた餅になる可能性がありました。そこで社員の中でも面倒見の良い平野を指導係に任命し、社内理解を深めることにしました。

    国は違えど、やはり「人対人」だということを強く意識。

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    ↑指導担当の平野氏

    平野氏:最初に「ベトナム人を採用する」そして「自分が指導係になる」と聞いた時は、まあ戸惑いました(笑)言葉も違えば文化も違う、前例がないことですから誰に相談したらいいかも分りません。果たしてどこからスタートすればいいんだろうと。

    ーー前例のないことへのチャレンジはやはり不安ですよね。。。

    Q.平野さんはどこから指導を開始されたのですか?

    平野氏:まずは基本中の基本「挨拶」です。国は違えどやはり人対人であるから大切なことはそう変わらないだろうと考えました。気持ちのいい挨拶で打ち解け、色々な話をしていけば、相互の信頼感も高まっていくというのは全世界共通だと思います。

    出勤時の

    「おはようございます。」

    退社時の

    「お疲れ様でした。」

    これらを徹底するように指導すると、彼らはきちんとやってくれました。既存の日本人社員の不安も気持ちいい挨拶の徹底で第一段階の壁を取り払うことができたと思っています。

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    ↑ 当初の不安も取り除かれ、現在は良好な人間関係が築けている。

    ーー私も先程気持ちよく挨拶していただきました!日本人の若者の方が挨拶が苦手かもしれませんね。

    平野氏:日本人だと見てみないふりをしてしまうことも多いです。しかし彼らは、例えば出勤時にすれ違う近所のおじいちゃん、おばあちゃんに対しても自分から挨拶しています。すると

    「あの子たちどっから来てるの?」

    と興味を持ってくれて、

    「ちゃんと挨拶してくれていい子達だよ。今度食事に連れて行ってもいいかい?」

    という話も出るようになります。つい先日も近所のおじいちゃんが、実習生を食事に連れて行ってくれました。もちろん彼らの誠実さや、人徳ももちろんあると思うのですが、地域のあたたかい雰囲気にも支えられているなと感じますね。

    ーー実習生は地域の活力にもなっているんですね!

    岩井氏:一方で実習生を甘やかしすぎないようにしようということも全社で心掛けるようにしています。20歳の若者が来たわけですから、外国から来て寂しいんじゃないかとつい甘やかしてしまいます。しかし実習生から何か要望が出た際にそれが本当に必要なのかしっかりと吟味してから与えるようにしないと本人達の将来にとってもよくないし、我々もだんだんと苦しくなってしまうと思います。要は日本人の若者と同じように扱うということですね。

    技術指導は手取り足取り

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    ↑技術を教わる1年目のズオンさん

    Q.技術指導はどのように行っていらっしゃるのでしょうか?

    平野さん:一人一人、手取り足取り教えています。というのも言葉での技術指導はやっぱり難しいんです。特に溶接の指導に関しては、メモリを合わせたからといってうまくいくものではなく、やはり職人の感覚が必要になります。その精度の差はやはり経験で培っていくものなので、日本人同士でもうまく伝えることは難しいです。ですから手をとって一緒に作業しながら、その絶妙な感覚を覚えてもらうようにしています。

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    ↑4年目のダンさんはかなり難しい溶接についても一人でできるようになった。

    良いことづくしのリーダー制度

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    ↑一日の作業内容を記載するボード

    Q.リーダーを交代制で担当させているとか?

    岩井氏:そうです。与えられた課題(仕事)についてリーダーを中心に話し合うようにしてもらっています。人数が増えたことで、技術の差、モチベーションの差などが出てくることへの対策として導入しました。交代交代でリーダーを務めてもらうことで、上に立つ者の気持ちや、日本の組織について理解が深まり、より主体的に仕事に励むことができるようになりますし、ベトナムに帰ってからの活動によりプラスになる経験を積ませたいという思いもあります。

    この制度によって、実習生達は全体も把握できるようになりましたし、周囲に対する気遣いもできるようになりました。良いこと尽くしですね。

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    ↑左から作業に集中する4年目のコンさんと2年目のタイさん。

    日本語力に応じた昇給制度を用意

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    ↑女性の実習生は読み書きについてもよく学んでいて、操作盤のところによく使う日本語を漢字で書いて覚えている。

    Q.日本語のレベルアップを図るための工夫もされているとか?

    岩井氏:日本語学習のモチベーションを高めるために語学力に応じた昇給制度を導入しました。N5からN1までで段階毎にパーセンテージを決めて昇給を行っています。技術指導のためにも日本語が上達しないとなかなか身につく進度が上がらないので、日本語の上達は非常に重要だと思っています。

    Q.現在の日本語力はいかがですか?

    岩井氏:現在4年目の二人については日常会話は問題なく行えるようになりました。この間N4試験を受験し、現在はその結果を待っているところです。ただ、書く方がちょっと苦手みたいで、試験になると真っ白になってしまうみたいなのでそこは少し心配ですね。

    Q.女性の実習生の成長が著しいそうですね?

    岩井氏:彼女たちはベトナムに帰ってから日系の企業で働きたいということでN2を目指して一生懸命勉強しています。この間は12:00過ぎまで勉強したと言っていたので、睡眠はしっかりととるようにと注意しました。

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    ↑左から一年目のトゥイさんとフオンさん。毎日仕事終わりに1〜3時間日本語の勉強をしているとのこと。

    実習生を巻き込んだイベントの開催

    岩井工機11↑社内行事のスノーボード。雪を見たことのない実習生に日本ならではの経験をして欲しいという意図からイベントを開催。

    岩井工機12↑会社レクの際のお写真。浴衣姿が決まっている。

    Q.業務を離れたところの交流も信頼関係の構築に貢献していると伺いましたが、どのように運営されているのですか?

    岩井氏:年4回の社内行事に参加してもらうのはもちろんのこと、日本人社員が声をあげ、最近は近くの会社のチームと有志でフットサルをしたり、野球をしたりして週末を楽しんでいるようです。だんだん本気になってきて、今じゃ毎週のようにベトナム代表のユニフォームを着て戦っています(笑)

    Q.平野さんは休日も実習生のサポートをされているとか?

    平野氏:日頃、あそこ行きたい、どこ行きたいと要望が出てくるので、全てを聞いていたらキリがありませんが、週末の気晴らしをサポートをすることはしばしばあります。実は今週はプールに連れて行きます。引率者のつもりが結局は一緒に遊んじゃうんですけどね(笑)

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    ↑取材の後日プールに遊びに行かれた際の写真をいただきました!

    百聞は一見に如かず

    ↑実習生のダンさん。好きな日本の食べ物は焼肉とビール。

    ーー最後にこれから技能実習生の受け入れを考えている企業に向けてメッセージをお願いします!

    岩井氏:百聞は一見に如かずなので、色々考えるよりも、実際に受け入れている企業の事例を見るべきだと思います。そして良い面も悪い面もある程度抑えたら、もう実際に行動を起こしてみるべきです。結局やってみないと分からないことばかりですから。

    平野氏:私も同じ思いです。やっぱりやってみないと分からない。やってみれば少なからず印象は変わると思います。

    ーー貴重なお話をいただき誠にありがとうございました!

    編集後記

    今回は幸せな実習生の受け入れを進める株式会社岩井工機の岩井社長、指導員の平野様、そして実習生のみなさんを取材させていただきました。取材させていただいたみなさんの笑顔や、地域の活性化にまで寄与しているというお話を見聞きし、素晴らしい取り組みをされている同社のような企業を増やして行きたいという思いが一層強くなりました。私たちは情報発信によって、その一助となれるように精進して参ります。

    今回快く取材にご協力くださいました、株式会社岩井工機の皆さま誠にありがとうございました!

    ※外国人雇用のメリット・デメリットや実際の手続きに関しては下記の記事をご参照くださいませ!

    外国人雇用に必要な手続きとその注意点とは?

     
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    福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。