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    株式会社トライ企画がミャンマー人8名を採用した理由とその面接手法とは?

    目次

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    株式会社トライ企画

    専務取締役 後藤 英夫 

    同社で4度行った海外現地面接会のうちの3度を面接官として経験。面接の事前準備を重要視し、迅速かつ正確に意思決定を行う。

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    ↑株式会社トライ企画専務の後藤氏

    「これまでベトナムから技能実習生の受け入れを行ってきたけれど、だんだんと良い人材の採用が難しくなってきた。他社はこれからどこの国からの受け入れを進めるのだろうか?」

    「海外現地送り出し機関で面接を行う際に他社はどんなことに気をつけて面接しているのだろうか?」

    そんなお悩みをもつ実習生受け入れ企業様が現在急増しています。

    そこで今回は、これまでに19名の技能実習生を受け入れており、つい先日ミャンマーで実習生8名の受け入れを決定したトライ企画株式会社の専務取締役であられる後藤氏に、

    「同社がベトナムからミャンマーに変更した理由」及び「技能実習生の面接で気をつけていること」

    についてお聞きしました!

    業界の特性と国民性がマッチしていることからミャンマーを選択

    取材写真

    ーーまず最初に今回8名のミャンマー人技能実習生を採用された経緯を教えてください。

    後藤氏:まずは日本人の採用が苦しくなっていたということがあります。特に今年は募集を開始しても正社員だと応募は0という状況が続いています。人がいない会社は終わってしまいますからね。

    ーーそんなに厳しい状況だったのですね。

    後藤氏:日本人の場合ですと、まず応募してくれるか、応募したら面接に来てくれるか?合格したら、就業初日に来てくれるか?2日続くか?3日続くか?というくらいに厳しいです。なので少なくとも3年間真面目に実習に取り組む彼ら(技能実習生)の存在は非常に心強いです。

    ーーなぜミャンマーだったのでしょうか?

    後藤氏:一番は国民性ですね。ベトナムとミャンマーで面接をしてみて思うのは、自己主張の強さの違いです。ベトナムには非常に積極的に自己アピールされる方が多い一方で、ミャンマーは自分を前に出さない謙虚な方が多い。弊社はビルメンテナンス(マンションクリーニングなど)業を営んでおるのですが、業界として謙虚な方が好かれる傾向にあります。営業職では自己アピールできないことはマイナスですが、清掃業とか、サービス業でみんなで一緒に仕事をするところではプラスだなと思います。またミャンマーですと幼少期から日本語と英語について自費で習っていらっしゃる方が多いようで、日本語レベルが高い方も多いですね。

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    ↑黙々と仕事を進めるミャンマー出身のイさん

    ーー業界全体としてミャンマーの方の採用が多いのでしょうか?

    後藤氏:そうですね。周りの会社さんの動きを見ると、ミャンマーかインドネシアです。ベトナムは人気に陰りがあり、これからしばらくはミャンマーなんじゃないのかなと思いますね。

    海外現地面接会で気をつけておられるポイントとは?

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    ↑面接を前に緊張しているみなさん

    ーー先日はミャンマーにて1日に8名を採用されたとのことでしたが、かなりスピーディな面接になったのではないでしょうか?

    後藤氏:確かに3時間で28人の中から8名を選んだのでかなりスピーディな面接でしたね。海外の面接会はベトナム1回、ミャンマー1回の経験がありましたので、今回で3回目という事もありスムーズに進めることができました。

    事前準備で着眼点を明確化しておく。

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    ↑後藤様が実際に使用した書類 試験結果が良い場合は青色でマークをつける。右にあるのが当日のメモ

    ーー面接で大切にされたポイントを教えてください!

    後藤氏:事前に送り出し機関からもらえる情報を元に、面接で見るべきポイントを明確化しておくことです。特に事前実施されるペーパーテストの内容を重要視しています。もちろん会って話した感じも大切にしますが、大体の場合、テスト結果から想定した感じと合っています。今回は事前にしっかり準備していった分、スパッと決められましたね。

    ーーペーパーテストで特に重要視しているテスト項目はございますか?

    後藤氏:点数が高い完璧な子ほど注意して見るようにしています。それはなぜかと言うと、日本人にも多いですが、学力が本当に素晴らしくても仕事は全然できない人ではないか見分けるためです。この方は人の気持ちが分かるのかと注意して見るようにしています。注意深く話を聞いているとあ、この人は本当に素晴らしいんだなとか、この子はちょっと厳しそうだなというところが見えてくるんですよね。

    ーー事前準備として点数の点以外で何か注意しているポイントはございますか?

    後藤氏:家族構成に関する資料もいただくんですが、なるべく見ないようにしています。あまり見すぎてしまうと、選考の際に感情が入ってしまうので、そこは気をつけていますね。

    面接時に注視するポイント

    後藤専務

    ↑4人1グループでの面接の様子

    ーー実際に面接が始まったらどんなことに気をつけていらっしゃいますか?

    後藤氏:着目点をその時々で明確にするようにしています。特に自己紹介は準備してきたことを言うので、大体みんな似たようなことを言います。そこは話の内容ではなく、雰囲気を観察する場にしています。また、

    「尊敬している人物は?」

    と言う質問に対する回答などで、大体の子は

    「両親です。」

    と答えるのですが、

    「兄弟です。」

    「アウンサンスーチーです。」

    と答える子もいます。文化の違いを実感しましたが、特徴的な答えをする子はその根拠もしっかり聞いて判断材料にしています。

    ーー特徴的な子がいると記憶に残りそうですね。

    後藤氏:そうですね。一番覚えているのは当落線上に残った4人の女性に2回目の面接をした際のことです。ちょっと意地悪な質問ですが、

    「この4人の中で一番優れている部分はどうですか?」

    と聞きました。仮に、日本人なら他人を蹴落とすように自分をアピールすると思うんですが、今回はほとんどの子が

    「自分はいいところはありませんが、一生懸命頑張ります。」

    という趣旨の答えをしたんですね。先ほどの話とも被りますが、やはりこれは国民性だなと思います。そしてそんな彼女達の中でも、ズバリストレートに

    「私はこの4人の中でいいところはありませんが自分なりに頑張ります。」

    と答えた子は、実はIQが20という大変低い数字の子でした。この子は誰を尊敬するかという質問でも母親と答えて、涙ぐんでいるほど非常に心優しい子でしたので、業界の求める人材像にマッチするだろうと採用を決めました。

    ーーあくまでテストは参考にするにとどめ、あとは柔軟に対応されるのですね。

    今後の課題と展望

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    ーー今年で受け入れを開始して4年目となりますが、現状の課題について教えてください!

    後藤氏:課題は一人旗を振る人間を立てての組織的な受け入れ体制の構築ですね。事業所が各地にあるため実習生のサポートが各事業所任せになってしまっていた部分があります。人数が19名まで増えてしっかりしないとバラバラになってしまうと言う危機感があり、責任の所在や、運用上のルールをはっきりとさせるようにした結果、だんだん良くなってきているとは思うのですが、一方で、彼らのニーズ、生活しやすさという点で対応できているか不安はあります。

    ーー今後の展望はどのようにイメージされていますか?

    後藤氏:受け入れ体制の整備が進んでいけば、今後もっと増やしていきたいと思いますね。3年実習が修了間近である実習生は、日本人正社員と遜色ないクオリティでサービス提供ができています。可能な業務の制限も緩やかになって行けば実習生出身のリーダーが率いるチームなんかもできてくると思います。

    ーーこれから実習生を受け入れる意思決定者向けにワンポイントアドバイスをお願いします!

    後藤氏:まずは適切な監理団体と送り出し機関さんを選択する事ですね。あとは先ほどのような面接のポイントを押さえていただければと思います。まあ送り出し機関と監理団体が悪質なところだったら、いい人材なんて取れるわけがないですからね、その辺の見極めをしっかりやっていただけたらあとはなんとかなると思いますね。

    ーー貴重なお話をいただき誠にありがとうございました! 

     
     

    福島県内の高校卒業後、東北大学に入学。在学中は硬式野球部に所属。英語学、心理学、英語教育学を専攻。卒業後は社会を構成する『ヒト・モノ・カネ・情報』が遍在することで生じる歪み(社会問題)をビジネスを通して適正化するというミッションに共感しリフト株式会社に入社。