更新日:2023/12/06
目次
「特定技能外国人は何人まで受け入れられるの?」
「建設と介護以外は無制限って本当?」
結論から申し上げると、
技能実習と違い、特定技能に関しては会社ごとの受け入れ人数は定められておりません。
ただし、建設と介護に関しては分野別運用方針に置いて個別に制限が定められています。
本記事では特定技能外国人の受け入れ人数に関するアレコレをお伝えします!
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企業毎の受け入れ人数制限はないが...
冒頭で述べた通り、特定技能外国人の雇用に関しては基本的に企業毎の受け入れ人数制限はありません。建設業と介護業事業者以外であれば、何人でも無制限に雇用することが可能です。
企業毎の受け入れ人数制限はありませんが、日本全体として5年間の受け入れ目標が34万5150人と定められており、この人数が上限だと言われています。
管轄省庁 |
業種 |
受け入れ見込数 |
厚生労働省 |
介護 |
6万人 |
ビルクリーニング |
3万7000人 |
|
経済産業省 |
素経済産業 |
2万1500人 |
産業機械製造業 |
5250人 |
|
電気・電子情報関連産業 |
4700人 |
|
国土交通省 |
建設 |
4万人 |
造船・舶用工業 |
1万3000人 |
|
自動車整備 |
7000人 |
|
航空 |
2200人 |
|
宿泊 |
2万2000人 |
|
農林水産省 |
農業 |
3万6500人 |
漁業 |
9000人 |
|
飲食料品製造業 |
3万4000人 |
|
外食業 |
5万3000人 |
本当に34万5150人が上限か?
特定技能の制度自体は、オートメーション化やIT技術の活用により企業の生産性が向上し、女性や高齢者の雇用が進んだとしてもまだ、人手不足が予測されるという理由で開始されました。
よってあくまでもこの数字は目標であって目的ではないと考えられます。現状上限とされる数字に達しても、人手が足りていないと財界から圧力がかけられれば、更に枠が広がることが予想されます。
あるいは、そうでないにせよ、特定技能に代わる新たな在留資格が登場するかもしれません。具体的にこの場で記述することはできませんが、水面下ではそういった動きもあります。
建設及び介護の人数制限は?
先ほど簡単に触れましたが、建設及び介護には雇用できる人数に制限があります。
建設
建設では特定技能と特定活動で就労する外国人の合計が、受け入れ企業の常勤職員の人数までとなっています。つまり、社長一人だけであとは短期的な業務委託によって運営している企業であれば、雇える1号特定技能外国人は一人までになります。
また、こちらの常勤職員には、技能実習生・外国人建設就労者・1号特定技能外国人は含まれませんので、注意が必要です。
下は特定技能の分野別運用方針(建設分野)からの抜粋です。
イ 特定技能所属機関に対して特に課す条件
建設業では、従事することとなる工事によって建設技能者の就労場所が変わるため現場ごとの就労管理が必要となることや、季節や工事受注状況による仕事の繁閑で報酬が変動するという実態もあり、特に外国人に対しては適正な就労環境確保への配慮が必要であることから、以下のとおりとする。 (①〜⑥、⑧〜⑪は割愛)
⑦ 特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数と特定活動の在留資格で受け入れる外国人(外国人建設就労者)の数の合計が、特定技能所属機関の常勤の職員(外国人技能実習生、外国人建設就労者、1号特定技能外国人を除く。) の総数を超えないこと。
介護
介護に関しては更に厳しく、事業所単位で日本人等の常勤介護職員の総数を上限とされています。
また、日本人「等」と表記がありますが、具体的には下記の在留資格で日本に滞在する外国人を含めることができます。
- 介護福祉国家試験に合格したEPA介護福祉士
- 在留資格「介護」により在留する外国人
- 永住者や日本人の配偶者など、身分・地位に基づく在留資格により在留する外国人
一方、技能実習生・EPA介護福祉士候補者・留学生は日本人「等」に含まれないので、注意が必要です。
下は特定技能の分野別運用方針(介護分野)及び運用要領からの抜粋です。
(2)特定技能所属機関に対して特に課す条件
ア 事業所で受け入れることができる1号特定技能外国人は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること。
日本人「等」については,告示にあるとおり,次に掲げる外国人材が含まれます。
① 介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士
② 在留資格「介護」により在留する者
③ 永住者や日本人の配偶者など,身分・地位に基づく在留資格により在留する者○ このため,日本人「等」の中には,技能実習生,EPA介護福祉士候補者,留学生は含まれません。
1号特定技能で5年経つと...
建設・介護いずれにせよ、1号特定技能からより高度な資格に変更することが可能です。
※介護は在留資格「介護」、建設は「特定技能2号」。
また、2021年11月28日、日本国政府より、特定技能2号の移行対象業種を拡大するとのニュースも入ってきております。
現在出ている情報ですと、現在の「建設」、「造船・舶用工業」の2業種のみならず、人手不足が深刻な「農業」、「外食」、「飲食料品製造」をはじめとする、ほぼ全ての業種で来年春を目処に2号拡大を検討しているとのことです。
よって1号特定技能資格で許される5年間のうちに、試験合格が可能なレベルまで受け入れた外国人を育てることができれば、将来的に、マネージャー・職長級レベルの高度熟練技術を持った特定技能2号人材の下に、特定技能1号や技能実習といった、見習い外国人材を配置し、特定技能2号人材に効率的に後輩育成・業務運営してもらうことが可能です。
つまり、外国人のみのチームを作ることも不可能ではないのです!
今後の情報次第ではありますが、「外国人チームによって会社が存続できる時代」がすぐそこまで迫ってきているのではないでしょうか。
今できることは可能な限り、早く外国人材雇用に挑戦し、成功体験と失敗体験を積み、とにかく早く、「外国人から選ばれる職場」を作ることがどの企業にとっても経営戦略上、大事になってきます。
まとめ
本記事で抑えていただきたいのは下記3点です。
①特定技能外国人は基本的に何人でも雇える。
②建設と介護は他の常勤職員数までだが、5年間しっかりと教育すれば、上位資格で引き続き働ける可能性がある。
③現在企業がとるべきアクションは、一早く外国人雇用に挑戦し、一早く経験をつみ、一早く「外国人から選ばれる職場」を作ること。
弊社は、情報発信、登録支援機関としての支援業務、外国人紹介・派遣、技能実習制度活用のコンサルティング業務を通じて、企業様の多国籍化と外国人社員の定着をサポートして参ります。