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更新日:2021/12/20

目次

GHR_記事内資料(在留資格 - 特徴 - 早見表)_記事07

(在留資格「特定技能1号・2号」及び「技術・人文知識・国際業務」要件比較表 ©︎Lift.inc)

改正入管法が2019年4月1日に施行され、新しい在留資格「特定技能」が設けられました。これを受け、人手不足が深刻であると認められた14の分野(上図参照)において外国人労働者の就労が可能となりました。

では、どうすれば企業が特定技能外国人を雇用することができるのか?本記事では、在留資格「特定技能」を企業が活用する上で最低限必要なポイントを解説していきます。


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新在留資格「特定技能」なぜできた?

上図に記載の14分野は単純労働とみなされ、今まで原則として外国人労働者の従事は禁止されていました。

しかし同分野において少子高齢化に伴う働き手の不足が深刻化し、生産性の向上や国内人材の確保のための取り組みを行ってもなお、状況の改善には不十分であると判断されたため、外国人労働者の受け入れが解禁される運びとなりました。

「特定技能1号」とは?

「特定技能」には1号と2号があります。「特定技能1号」はそれぞれの分野毎に課せられる「技能試験」及び「日本語試験」に合格するか、技能実習2号を良好に修了することで、該当分野に限り5年間の就労が可能になる資格です。

これまでの就労資格との違いは、在留資格の認可に「学歴」や「母国における関連業務への従事経験」が不要とされていることです。受け入れる企業側に細かなルールが課せられるものの、取得希望者からすると、非常に敷居の低い資格となっています。

「技能実習」との違いは?

ポイントとしては大きく3つです。一つ目は制度の目的が異なること、二つ目は「特定技能」資格保持者は同分野内での転職が可能であること、三つ目は受け入れに人数制限がないことです。

①制度の目的が大きく異なる
そもそも「技能実習」は「技術移転による国際貢献」、「特定技能」は「労働力の確保」と制度の目的が異なります。現状、技能実習制度が本来の目的から逸れてしまっている実態はありますが、今後、労働力として技能実習生を使うことは難しくなってくるでしょう。

②転職が可能
技能実習生は原則として転職することができません。一方で「特定技能」資格者は同一分野内で転職が可能です。そのため「技能実習生」よりも「特定技能」資格者はより労使の関係性構築が重要になると考えられます。

③受け入れに人数制限がない
「技能実習」の場合には常勤職員の総数に応じた人数枠(詳しくはこちら)があります。一方で特定技能の場合には「介護」と「建設」分野を除き受け入れ人数に制限がありません。

一方で、「特定技能1号」では、家族の帯同が認められていないという点は、「技能実習」と変わりありません。

より詳細な違いにつきましては、下記の記事も合わせてご覧ください。
▶︎特定技能と技能実習6つの違いとメリット/デメリット

「特定技能2号」とは?

「特定技能2号」は「特定技能1号」資格保持者が移行できる在留資格です。ポイントとしては、大きく下記4点になります。

①「特定技能2号」への移行条件
「特定技能2号」は「特定技能1号」よりも高い技術水準を持つものに対して付与される在留資格となっており、分野別に実施される試験等により、その技術水準の高さを確認されます。そのため、「特定技能1号」を終了したものが、自動的に「特定技能2号」に移行できるものではなく、あくまで試験に合格し、高い技術水準を有していると認められれば、「特定技能1号」の期間中であったとしても「特定技能2号」へ資格変更することが可能になります。(一方で、こちらの試験に関しては、2021年時点でどの分野においてもまだ実施されておりません。実質、まだ「特定技能2号」へ資格変更するための整備がなされていない状況となっています。)

②在留期限の制限がない
「特定技能2号」は在留期限が無期限であるため、就労先がある限り日本に在留することが可能です。そのため「特定技能2号」まで取得すれば、10年間の日本在留が要件となる「永住権」を取得できる可能性が拓けます。

③家族の帯同が認められる
「特定技能2号」になると、家族の帯同も認められており、人材側にとってはかなり魅力の高い在留資格となっております。

④「特定技能2号」移行対象分野
対象分野としては、2021年現在では「建設」と「造船・船舶工業」の2分野のみ1号からの移行が可能となってます。
しかし、2021年11月に法務大臣より、「特定技能2号」の対象分野を拡大する方向であると報道がなされました。
2022年春に正式決定される見通しで、すでに認めれられている「建設」と「造船・船舶工業」を含めると「介護」以外の全ての職種で「特定技能2号」が認められることとなります。「介護」に関しても、他の在留資格にて長期就労可能なルートがあるため、実質14業種全てで期限の定めなく外国人材が就労できる方向へ向かっています。

「特定技能」外国人の対象職種は?

前掲図の通り、下記の14分野となります。分野によって更に細かく職種が定められています(建設分野の左官職種といった感じです)。

介護ビルクリーニング素形材産業産業機械製造業電気・電子情報関連産業建設造船・舶用工業自動車整備航空宿泊農業漁業飲食料品製造業外食業

現在14分野となっておりますが、各業界団体等からの要望があった場合、対象分野・職種が追加される可能性があります。現在、追加が検討されている分野としては、「コンビニ」・「トラック運転手」・「廃棄物処理」の3分野が挙げられます。特に「コンビニ」業界に関しては、以前から提言が続いており、今後、分野・職種として追加される可能性は高いと思われます。

「特定技能」外国人を採用する流れは?

採用する流れに関しては、ざっくりと下記のフローになります。

募集・集客
②選考・内定
③雇用契約締結
④支援計画の策定(1号特定技能外国人)
⑤ビザの申請・許可
⑥生活支援の実施
⑦就労開始

「支援計画の策定」ビザの申請が必要であること以外に、日本人と特別な違いはありません。こちらのフローにおいては、登録支援機関に委託することも可能です。委託することにより、選考・内定以外の業務を登録支援機関が代行することになるので、工数を削減することが可能になります。

GHR_記事内資料(特定技能 - 採用までのお手続きフロー図)_記事07-1

(在留資格「特定技能」保持者の就労までの流れ ©︎Lift.inc)

上記のフローに加えて、分野別に対応が異なるケースがありますので、注意が必要です。特に、建設業に関しては、出入国管理庁以外に、国土交通省から受け入れのための許認可を得る必要があり、その過程で、建設業の許可取得義務や給与条件の規定等、制約が増えます。
詳しくは下記の記事に詳細を取りまとめましたので、ご参照ください。
▶︎建設業で特定技能外国人を採用するには?

採用の流れに関しましては、こちらの記事も合わせてご覧ください。
▶︎特定技能外国人を採用するには?募集から在留資格申請まで4つのステップ

「特定技能」外国人の受け入れ企業(特定技能所属機関となるには?

「特定技能」外国人を受け入れる際に、受け入れ企業がまず最初に確認する点として、14の分野に該当するかどうかということが挙げられます。しかし、その他にも、下記のように受け入れ条件が課せられているので注意が必要です。

①外国人と結ぶ雇用契約が適当
日本人と比較して、報酬が同等以上である必要があります。また、各種手当や賞与も日本人と同様に「特定技能」外国人にも支払われているか等、雇用契約に関しては、かなり細かく審査される傾向があります。

②受け入れ企業自体が適当
具体的には、下記のような事項に該当する場合は、「特定技能」外国人の受け入れができません。
・直近1年以内に非自発的離職者(解雇者)を出した

・直近5年以内に出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行った
・試用契約を結んでいた社員の本契約を拒否した

③適切な支援体制(外国人が理解できる言語で支援可能)
受け入れ予定の「特定技能」外国人が理解できる母国語で支援が可能な体制が確保されていることが必須です。

④「特定技能」外国人の支援計画が適当
「特定技能」外国人を受け入れる際に作成し、出入国在留管理庁へ提出することとなる、特定技能外国人支援計画が適切かどうかが確認されます。

なお、③及び④の支援体制については「登録支援機関」に一切を委託することで条件を満たしたことになります。登録支援機関は個人事業主でもなれる敷居が低い機関です。だからこそ委託する前に母国語でサポートできるスタッフの人数や外国人材雇用に携わってきた期間などを確認することをお勧めします。

その他、受け入れ企業が事前に確認するべき項目については、下記の記事をあわせてご参照ください。

▶︎特定技能1号外国人の受け入れ機関(所属機関)になるためには?企業が満たすべき基準をご紹介!

「特定技能」外国人への適切な支援とは?

「特定技能」外国人への義務的支援項目としては、下記10項目が挙げられます。受け入れ企業は、自社で支援責任者と担当者を置き支援体制を整えるか、登録支援機関に委託をするかして「特定技能」外国人へ支援を行う責任があります。

▼10の義務的支援項目
事前ガイダンス
②出入国する際の送迎
住居確保・生活に必要な契約支援
生活オリエンテーション
⑤公的手続等への同行
日本語学習の機会の提供
⑦相談・苦情への対応
⑧日本人と交流促進
⑨転職支援
⑩定期的な面談・行政機関への通報

支援項目に関するより詳細な情報に関しては、下記の記事もあわせてご確認ください。

▶︎特定技能「登録支援機関」の見極め方 支援業務は内製化すべき?それとも外部委託するべき?

「出入国在留管理庁への届出」を忘れずに

「特定技能」外国人を無事に受け入れた後にも、出入国在留管理庁への各種届出もしっかりと行う必要があります(上記支援の⑩定期的な面談の報告も含みます)。

特に注意するべきなのが、定期的な面談の報告以外にも、「雇用条件の変更」や「受け入れた外国人が引っ越しをした場合」など、何かしら変更事項が発生した場合に、変更日から14日以内に出入国在留管理庁へ届出をする必要がある点です。

届出期間内に届出をしないと罰金や過料等の制裁があり、在留資格審査にも影響が出ますので、下記の一覧表で内容をチェックしておきましょう。

GHR_記事内資料(特定技能 - 変更事項 - 早見表)_記事07

(「特定技能」外国人 出入国管理庁への届出一覧票 ©︎Lift.inc) 

「特定技能」外国人の採用経路は?

特定技能人材の募集・採用ルートは、大きく下記4つに分類されます。

①自社の技能実習生に特定技能へ移行してもらう
②自社の留学生アルバイトに技能試験と日本語試験に合格してもらい社員とする
③現在海外にいる試験合格者・元技能実習生(他社出身)を採用する
④現在日本にいる試験合格者・元技能実習生(他社出身)を採用する

理想は、①及び②のように、既に自社と関係を持っている外国人の方と良好な関係を築き、引き続き特定技能として働いてもらうことです。

しかし、「特定技能」は「技能実習」と違って転職が可能で、元技能実習生がより待遇の良い会社を志向するのは防ぎ難いことを考えると、③及び④のルートから、いかに上手に採用するかも重要になってくるでしょう。今後は、受け入れ企業側で、どれだけ定着・支援へ投資をできるかで、「特定技能」外国人から選ばれる企業・選ばれない企業と二極化していくことは確実と言えます。

「特定技能」外国人の送出し国は?

では、どの国の人材であれば「特定技能」として採用することができるのか?

原則として在留資格「特定技能」はどの国籍の外国人の方でも取得することは可能です。ただし、例外として、改正出入国及び難民認定法違反による退去強制令書の円滑な執行に協力しない国や地域、具体的にはイラン・イスラム共和国の方は「特定技能」の在留資格で来日することはできません。下記は法務省発表の特定技能外国人の受け入れに関する運用要領からの引用です。

〇 入管法における退去強制令書が発付されて送還されるべき外国人について,自国民の引取り義務を履行しない等,退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域 の外国人の受入れは認められません。

○ 退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域とは,告示で定める次の国・地域をいいます(平成31年4月1日時点)。
・ イラン・イスラム共和国

出典:出入国在留管理庁(令和3年10月)「特定技能外国人の受け入れに関する運用要領

なぜ、このような制限が設けられたかというと、改正出入国管理及び難民認定法違反により退去強制命令を下されるも、その引き渡しに母国が協力しないために、入管の収容施設に長期間に渡って収容されてしまうというケースが問題になっているからだと言われています。

劣悪な環境で、長期間に渡って収容されることで、精神疾患を患った方や、講義のための食事拒否活動などが報道されていましたね。今後、情勢によっては出身国制限が拡大、縮小される可能性はあります。

また、「特定技能」外国人を国外から新たに呼び寄せる場合(元技能実習生として、3年間良好に終了している者を除く)、日本が「特定技能に関する二国間の協力覚書」を結んでいる国であることが必要です。こちらの協力覚書を締結していない国では、分野別の「技能試験」が実施されていませんので、注意が必要です。

「特定技能」外国人の今後の傾向としては、現状を見る限り技能実習生からの切り替えが大多数を占めていますので、現在最大の技能実習生送出し国であるベトナムの比率が当面は高いと考えて良いでしょう。

「特定技能」外国人の受け入れ費用は?

大きく以下の3つを考えていただければと思います。

①特定技能人材の在留資格申請や支援に係る費用
②特定技能人材の教育、紹介に係る費用
③送出機関に支払う費用

「日本にいる技能実習生が切り替えで特定技能の資格を得た場合」は②の教育費や紹介料、③の送出機関に払う費用が発生しませんし、「支援を自社で行う場合」は①の支援に係る費用が発生しません。このように「どういった経路で採用するか」、「支援を外部に委託するか」などケースバイケースで変動しますので、詳しくは以下の記事も合わせてご参照ください。

▶︎特定技能外国人を雇用する場合の費用ってどのくらい?

「特定技能」外国人を派遣形態で雇うことは可能なのか?

原則として派遣形態での雇用はできません。農業・漁業以外はフルタイム、直接雇用のみ認められています。農業・漁業に関しては季節及び地域によって繁閑の差が激しいため、派遣形態での雇用が可能になっています。


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