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Global HR Magazine

航空業で特定技能外国人を採用するには?

 
吉岡麗   
吉岡麗 - 更新日:2023/04/20  
 

更新日:2023/04/20

目次

108.特定技能-航空業

「航空業で特定技能外国人を受け入れるにはどうすればいいの?」

「特定技能外国人はうちで活用できるだろうか?」

そんな疑問にお答えするため、本記事では航空分野で特定技能外国人を雇用するために知っておきたい基礎知識と実務上の注意点についてご紹介します。

「特定技能について基本的なことから知りたい!」という方は、下記の記事をご参照ください。

在留資格「特定技能」とは?特定技能外国人の採用から支援まで徹底解説

特定技能1号が成立した背景とは?

特定技能制度で航空分野が対象とされたのは、ひとえに同業界が深刻な人手不足であったことが原因です。

現在は新型コロナウイルスの影響で訪日外国人数が激減していますが、それ以前では外国人旅行者数は年々増加し、航空需要は拡大を続けていました。

需要拡大に伴う人手不足に対処するため、同業界では業務の省力化・効率化や、労働条件の改善のための取り組みが行われました。しかしそれでも人手不足は解消せず、2017年度の有効求人倍率は主な職種を平均すると4.17倍に上っています。全産業平均の1.50倍と比べるといかに採用が難しくなっているかが分かるでしょう。

このような人手不足を補うため、2019年に航空分野の特定技能1号が成立しました。

特定技能1号外国人はどんな業務に従事できるの?

航空分野の特定技能1号外国人が従事できる業務は以下の2つです。

①空港グランドハンドリング

・航空機地上走行支援業務(航空機の駐機場への誘導や移動)

・手荷物・貨物取扱業務(手荷物・貨物の仕分け、ULDへの積付、取り下ろし・解体)

・手荷物・貨物の航空機搭降載業務(手荷物・貨物の航空機への移送、搭降載)
・航空機内外の清掃整備業務(客室内清掃、遺失物などの検索、機用品補充や機体の洗浄)

②航空機整備

・運航整備(空港に到着した航空機に対して、次のフライトまでの間に行う整備)

・機体整備(通常1~1年半ごとに実施する、約1~2週間にわたり機体の隅々まで行う整備)

・装備品・原動機整備(航空機から取り下ろされた脚部や動翼、 飛行・操縦に用いられる計器類やエンジンの整備)

また同じ業務に従事する日本人が通常行うような、事務作業や作業場所の清掃、積雪時における作業場所の除雪などの業務にも付随的に従事することが可能です。

外国人が航空分野の特定技能1号を取得するには?

現場で即戦力となる技能及び日本語のレベルがあると認められる場合に特定技能1号が認可されます。具体的には下記の2つの場合です。

a. 技能試験と日本語能力試験に合格する

b. 航空分野に該当する職種の技能実習2号を修了する

以下くわしく説明します。

a. 技能試験と日本語能力試験に合格する

外国人材は必要な技能水準と日本語水準を満たしていると証明するために、次の2つの試験に合格する必要があります。

①特定技能評価試験

この試験では、求められる技能水準を満たしているかどうかが評価されます。

ちなみに求められる技能水準とは、業務ごとに以下のように定められています。

<空港グランドハンドリング業務>
社内資格を有する指導者やチームリーダーの指導・監督の下、空港における航空機の誘導・けん引の補佐、貨物・手荷物の仕分けや荷崩れを起こさない貨物の積みつけ等ができるレベル


<航空機整備業務>
整備の基本技術を有し、国家資格整備士等の指導・監督の下、機体や装備品等の整備業務のうち基礎的な作業(簡単な点検や交換作業等)ができるレベル

出典:国土交通省「航空分野における新たな外国人材の受入れについて」

試験は従事する業務区分ごとに行われ、筆記試験と実技試験で構成されています。筆記試験では対象業務に関する基本事項が〇×問題や選択問題で出題され、実技試験では同様に基本事項について、写真やイラストから判断する問題が出題されます。正答率65%以上で合格です。

くわしい試験範囲については、学習用テキストが公益社団法人日本航空技術協会のHPで公開されているのでそちらをご確認ください。また同協会のHPではサンプル問題も見ることができます。

▷学習用テキスト:空港グランドハンドリング業務 / 航空機整備業務(ページ下段にございます。)

サンプル問題

2019年度の試験は、空港グランドハンドリング業務が日本国内とフィリピンで、航空機整備業務がモンゴルで実施されています。2020年度は新型コロナウイルスの影響で海外試験が中止になり、国内のみの実施となっています。

2021年2月には、東京で空港グランドハンドリング業務の第3回試験が実施される予定です(申し込みは2021年1月に締め切られています)。

②日本語能力試験(N4以上)または、国際交流基金日本語基礎テスト

この試験では、求められる日本語水準を満たしているかどうかが評価されます。

「日本語能力試験(JLPT)N4以上」は、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力と言われています。試験はマークシート方式で、年に2回、日本各地と海外の実施機関で行われます。

「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」はJLPTと同様の目的で行われますが、実施場所ごとにスケジュールが異なります。スケジュールはこちらのサイトからご確認ください。日本国内での試験は2021年3月1日から実施されます。

また日本語能力試験については、下記の記事でくわしく解説しているのでご参照ください。

在留資格「特定技能」の「技能評価試験・日本語試験」とは?

b. 航空分野に該当する職種の技能実習2号を修了する

職種名「空港グランドハンドリング」の「航空機地上支援」の技能実習2号を修了された方は、上記の試験なしで特定技能1号の空港グランドハンドリング業務に移行できます。

技能実習2号を修了された方のほとんどは、ある程度の日本語を理解し、一定の業務を卒なくこなすことができるので、必要な技能・日本語水準を満たすとみなされます。

航空分野の特定技能1号外国人を受け入れるには?

「特定技能」の外国人を雇用したい企業は下記の3条件を満たし、かつ、当該の外国人を直接雇用する必要があります。派遣社員としての雇用は認められておりませんのでご注意ください。

①「航空分野特定技能協議会」に入会し、必要な協力を行う

はじめて特定技能1号外国人を雇用する企業は、受け入れ後4か月以内に「航空分野特定技能協議会」に入会する必要があります。

②国土交通省が行う調査や指導に対し、必要な協力を行う

特定技能1号外国人への支援を適切に実施する

特定技能1号外国人の受け入れのためには、法律で定められた支援を行う体制を構築する必要があります。

ただし、支援を登録支援機関にすべて委託した場合、適切な支援体制が整備されているとみなされます。支援を委託する場合には、上記①と②を満たしている登録支援機関に委託する必要があります。

特定技能1号外国人が働ける期間は?

特定技能1号外国人が働ける期間は、現状のところ5年間です。

ただ、技能実習1号・2号・3号と合わせれば10年間の就労が可能となります。

航空分野では、更新が無制限にでき、家族を呼べる特定技能2号の資格は許可されていません。

特定技能1号外国人を雇用する場合の費用相場は?

特定技能1号外国人の給与は、同職種に従事する日本人と同等以上とされています。

さらに在留資格申請にかかる費用や登録支援機関への支援委託料を合わせると30-50万円ほど外部コストがかかります。また、送出機関を通して海外から呼び寄せる場合は手数料が発生することがあります。

航空分野での特定技能1号の活用法は?

航空業の企業は、特定技能1号をどのように活用すれば良いのでしょうか。

結論から言うと、技能試験・日本語能力試験に合格した特定技能1号外国人を採用する、というのがメインの活用法になりそうです。

2020年9月末時点で航空分野の特定技能人材は計12名ですが、その全員が技能試験・日本語能力試験に合格し特定技能1号の在留資格を取得した人になります。技能実習2号修了後、特定技能1号に移行した人は未だ0人です。

その背景としては、技能実習生雇用のハードルが高いことが挙げられます。技能実習「空港グランドハンドリング」は、技能実習2号に移行可能な全83職種のうち1職種しかない「社内検定型」に該当します。「社内検定型」とは、2号に移行するための技能検定を受け入れ企業が実施機関となって行う方式です。これまで技能実習生の受け入れ実績がある大手航空会社などは、他国の航空会社と連携し、実習内容や評価基準、試験方法などを詳細に検討した上で、政府の専門家会議の認定を受けて技能実習生の雇用を行っていました。

したがって、技能実習生を雇用し2号修了後に特定技能1号に移行してもらう、というのは非常にハードルが高いです。技能試験・日本語能力試験に合格し特定技能1号を取得した人材を採用するほうが現実的でしょう。

 

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